ENHYPENが3度目となるワールドツアー開催。『ENHYPEN WORLD TOUR ‘WALK THE LINE’ IN JAPAN』レポート

エンタメ
2024.11.14

昨年から今年にかけておよそ1年続いたENHYPENの『FATE』そして『FATE Plus』ツアー。その最終日の翌日に早くも発表になったENHYPEN3度目のワールドツアー『WALK THE LINE』がいよいよ開幕した。日本公演初日となった11月9日、ベルーナドームでの公演の模様をレポートします。

(P)&(C) BELIFT LAB Inc.

開演直前、ステージの上をすべて覆うような超大型スクリーンに砂漠に浮かぶ満月が映し出されると、オープニングVCRがスタート。メンバー1人ひとりが大きく映るたびにENGENE(ファンの名称)からは大きな歓声が湧き上がる。スクリーン全面に真っ白な雲が映るとそれに呼応するようにペンライトで会場が白く照らされ、雲が晴れていくようにスクリーンの扉が開くと、そこには真っ黒な衣装に身を包んだメンバーたち。あっという間に会場もステージ上も真っ赤に染まると、ストリングスが不穏なメロディを奏で、壮大な前奏がスタートする。そうして始まった「Brought The Heat Back」はコウモリが飛び回るスクリーンをバックに、大勢のダンサーを引き連れて迫力あるダンスを見せる。色とりどりのレーザーが会場に乱反射し、華やかにコンサートの始まりを飾った。息つく間もなく会場には大きな鼓動の音が鳴り響き、「FEVER」へ。今までのツアーでも何度となく披露してきた曲ではあるが、派手さを抑えてシックな魅力を存分に発揮した。

JUNGWON(ジョンウォン)
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MCではSUNGHOONが「いつだって会うたびに好きになるのは俺のほう」という意味深な台詞を言うと、それに笑いながらJUNGWONは「みなさん、ごはんは食べてきましたか?」と挨拶。SUNOOは両手を元気よく振りながら「じっちゃんの名にかけて!」と『金田一少年の事件簿』の決め台詞を笑顔で披露。ジェイは「よそ見してないよね」とENGENEに釘を刺す一言で会場を盛り上げた。

今回の『ENHYPEN WORLD TOUR ‘WALK THE LINE’ IN JAPAN』は音楽の世界に第一歩を踏み出した過去のENHYPENと、ENGENEがENHYPENの存在理由だと悟った現在、そしてENGENEとともに歩んでいく未来というENHYPENの過去・現在・未来の成長ストーリーを表現したツアーだそう。そのため、ENGENEにもコンサートに積極的に関わってほしいと願うというメンバーの言葉どおり、HEESEUNGが歌う複雑なメロディを即真似て歌うENGENEに、メンバーも思わず「埼玉が一番すごい!」と大絶賛。さらにJAYがこのツアーを楽しむための宣誓を大声で叫ぶと、その声に続いてENGENEも大声を出す。公演中盤には前回の『FATE』ツアーでもおなじみだったENGENEの大合唱もあり、今回もまたENGENEがコンサートを盛り上げるのに一役買っていた。

HEESEUNG (ヒスン)
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「ParadoXXX Invasion」はハンドマイクに持ち替えてでパフォーマンス。重めのバスドラ連打のロックバージョンにアレンジされ、HEESEUNGが「メイク・サム・ノイズ」とシャウトすると、会場も大きな歓声でそれに応えた。真っ赤な夕焼けを背負って始まった「Future Perfect (Pass the MIC) [Japanese Ver.]」ではJUNGWONがマイクが並べられた演壇に立つと、ファイアーボールが連発! 最後は突き抜けるようなシャウトで、曲が終わりってもまだどよめきが止まらないほどの余韻を残した。

前回のツアーで好評だったユニットステージは、今回はメンバーを入れ替えてパフォーマンスを一新。JAY、JAKE、SUNGHOONによる「Lucifer」はゆったりしたテンポの中、哀切さと色気がたちのぼるよう。JUNGWON、HEESEUNG、SUNOO、NI-KIによる「Teeth」は蜘蛛の巣のようにチェーンをあしらったネイビーのジャンパーで統一した衣装を着て、ゴリゴリ踊るダンスが印象的。対照的なステージでENHYPENの新たな魅力と実力を示してみせた。

JAY(ジェイ)
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火花が散るステージの上でJAYがギターを掻き鳴らして始まった「Blessd-Cursed [Japanese Ver.]」、ステージに寝そべってさざなみのように起き上がる振り付けからスタートした「Fatal Trouble」、そして教会のステンドグラスを思わせる背景が印象的な「Bite Me [Japanese Ver.]」では曲の途中で真っ赤な花びらのような紙吹雪が舞い、ENHYPENらしい耽美的でありながら勢いのあるパフォーマンスが続く。「Highway 1009」では歌詞がスクリーンに映し出され、会場のENGENEも一緒になって大合唱。前回のツアーでも日本のENGENEは歌が上手いとメンバーから褒められていたが、今回もHEESEUNGが「やっぱり上手ですね」とニコニコしていた。

MCではユニットステージの話題になり、SUNGHOONが「Teeth」のNI-KIのキリングパートがよかったと言うと、HEESEUNGのボーカルに合わせてNI-KIが腕の筋肉を見せつけるような振り付けを踊って見せてくれた。ENGENEが目を合わせてくれないという話になると、JAKEはカメラ目線で「僕も22歳の男ですから」と言い放ち、会場のENGENEは大盛りあがりだったが他のメンバーからは「ただの2歳だよ」と突っ込まれていた。

JAKE(ジェイク)
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「Your Eyes Only」ではスクールバス型のフロートに乗り込むと、そのまま会場を1周。元気よくシャボン玉を飛ばすSUNOOとJUNGWON、他のメンバーがいない方向を向いてENGENEに手を降るHEESEUNG、フロートの上で直前に決めた振り付けを律儀に踊るJAY、ENGENEとじゃんけんするJAKE、フロートの上でよろめいて両手両足を大きく広げて踏ん張るSUNGHOON、できるだけ遠くのENGENEとも目を合わせようとするNI-KIなど、メンバーそれぞれの方法でENGENEを楽しませようとしていた。「Orange Flower (You Complete Me)」はセンステの後方に作られた一文字のステージで、「Scream」は再びフロートに乗り込んでと、広いドームの後ろまで自分たちが移動して、会場の全員を楽しませたいという気概が伝わってきた。

ここからはいよいよコンサートも終盤へ。「Tamed-Dashed [Japanese Ver.]」で会場を熱く盛り上げると、真っ赤に染まった会場の中、ステージの上も下も火花がほとばしる中で披露された「Sweet Venom」、さらに「Go Big or Go Home」まで駆け抜けた。曲の最後にはグリーンの花火が上がり、クライマックスへと近づいていることを予告する。

グレーを基調にしつつもメンバーそれぞれデザインの異なるスーツに着替え、ゴールドの花があしらわれたレトロなマイクスタンドで歌われたのは「Hundred Broken Hearts」。しっとり聴かせるナンバーの後には、「Still Monster」で切なさを感じさせるパフォーマンスに酔いしれる。続く「Moonstruck」は今回のツアーが初披露。月蝕に始まり、次第に満ちていく月をバックに儚くも美しいパフォーマンスを見せる。妖艶さすら感じさせるダンスは彼らの得意とするところだが、今回のツアーではさらにそこに芯の強さが加わって、このツアーで彼らが見せようとしている過去と現在を振り返りながら、未来が楽しみになるようなパフォーマンスだった。

SUNGHOON(ソンフン)
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本編ラストのステージを前に、この日の感想を言っていくことに。NI-KIは前回のアリーナツアーを振り返り、今回はドームツアーということでたくさんのENGENEを前にしてぐっと来たと告白。さらに前回のツアーの最後にまたすぐ帰ってきますと言ったけど次の日に発表されてびっくりしました?と尋ねて、自分たちもびっくりしたと明かした。「これからドームツアーが始まるので、みなさん一緒にたくさん思い出を作りましょう」と締めくくった。HEESEUNGは語り始めた直後、SUNGHOONから「髪から湯気が出てる」と言われてメンバーが大騒ぎ。気を取り直して、新しいステージに対する悩みについて打ち明け始めると、「いつも新しいことをお見せしたいという気持ちが強くて、会場の端まで行ったりトロッコに乗ったり、いろんな楽しみを届けたいと思ってがんばりました。でも僕はみなさんと近くでお会いできるのがうれしいです」とはにかんだ。

SUNOO(ソヌ)
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JAKEは「今日ENHYPENを初めて見た人? 」と尋ね、反応が気になるといった表情を見せた。そして「寒い中、みなさん来てくれてありがとうございます」と感謝しつつ、日本語で「ENGENEのみなさん、本当にありがとうございました。本当に愛してます」と言い募ると、メンバーから「知ってる単語、全部出てきたね」と突っ込まれ、「いくらですか? おやすみなさい、ラーメン」と知ってる単語を立て続けに披露し、最後は「おやすみなさい」で締めくくった。SUNGHOONはドームにたくさんのENGENEが来てくれて不思議な気持ちだと告白。そしてENGENの熱気につられて自分もノリノリで公演できたといったところで、通訳さんが訳してくれた「ノリノリ」という言葉が気に入ったようで、その後も「今日はノリノリでした」とノリノリを連発していた。

NI-KI(ニキ)
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JUNGWONは話している時は寒いけど、踊っている時は暑かったのでENGENEが送ってくれた情熱がとても熱かったんだなとにっこり。さらにこの日がJUNGWONが髪色を変えて初めての公演だと言うと、ENGENEからは喜びの歓声が上がった。2日後にはカムバックすることを明かし、今回の活動ではいくつかいいことがありそう、とも。「みなさん、期待してください」と最後は笑顔を見せた。SUNOOは寒い気温が心配だったけれど、どんどん熱くなる会場の熱気を感じてほっとしたとコメント。「今日はノリノリ楽しかったですか? 僕もノリノリ楽しかったです」とSUNGHOONから始まった流行語をさっそく活用してENGENEを喜ばせた。JAYは恥ずかしがり屋だったENGENEが最近は情熱的になってきたとうれしそう。いつもENGENEに幸せを届けるためにがんばっていますと語り、「みなさんも今日という思い出をいつも心に残して幸せな思い出にしてください。これからもがんばるENHYPENになります」と流暢な日本語で気持ちを表現した。

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「ENGENEと一緒に歩く道がいくら険しくても、僕たちがその道を花畑にしていきます」とJUNGWONが語ると、舞台には色とりどりの花が登場。その中央に置かれた白いグランドピアノでHEESEUNGがメロディを奏でると、「XO (Only If You Say Yes)」がスタート。Xの形に腕を振り下ろす振り付けから始まり、曲の合間にはピンクの花弁のような紙吹雪が舞い散り、まるで夢の中のように幻想的なステージに。本編最後の「Paranormal」はHEESEUNGのハイトーンからスタート。曲の最中、ドームの会場に花火が打ち上がり、ドームツアーの始まりと今日という公演の最後を感じさせると、メンバーたちは「ENGENE、ありがとうございます」「ENGENE愛してる」「埼玉大好き!」とそれぞれに絶叫。HEESEUNGが「メイク・サム・ノイズ!」と叫ぶと、より一層大きな歓声が湧き上がった。ENGENEの近くに駆けつけ、客席に手を振り続け、帰ろうとしないメンバーたち。広いステージをくまなく歩き、ベルーナドームの会場を埋めたENGENEに最後まで挨拶していた姿が印象的だった。

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アンコールでは再びフロートに乗り込み、ENGENEの近くにいたいというメンバーの気持ちを感じさせた。JUNGWONからは「今夜は帰したくない」という乙女心を直撃する言葉も飛び出し、大盛りあがり。パフォーマンスにも日本語にもますます磨きがかかるENHYPENの『ENHYPEN WORLD TOUR ‘WALK THE LINE’ IN JAPAN』はこの後、12月28、29日に福岡・みずほPayPayドーム、1月25、26日に大阪・京セラドーム大阪公演が開催される。

文・尹秀姫

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