教師…だけど人間味あふれる主人公に共感します。
「最初にお話を聞いたときはうれしさを上回るほど不安が大きくて、『いけるのか自分!?』っていうのが感想でした(笑)。撮影が始まってもその緊張感は残っていたんですが、共演者やスタッフのみなさんの温かさと、何より私が演じる主人公のキャラクターに癒されています」
生田さん演じる笹岡りおは、Z世代の高校教師2年目。想像以上に忙しい学校という職場にへとへと。その思いを日々、彼氏にSNSに(!)垂れ流している異色のヒロイン。
「台本を手にした第一印象はとにかくセリフが多い! 会話劇でもあるんですが、ここまで私一人がぶわーっと話し続ける映像作品はなかったかも。でも、不思議とセリフがするする入ってくるんです。それは教師以前に一人の人間としての彼女の思いがリアルに書かれているから。『あ、私もそれわかる!』と共感しながら演じることも多々あります」
教師と俳優業。違うように見えても常に人前に立ち、憧れられるという意味では共通点もありそう。
「言われてみれば、そうかもしれません。りおは教師として頑張ってるけど、熱血でもないし頼りない部分もめちゃくちゃある。私もきっちりかっちりしてそうで、親しい人の前では意外と荒ぶってたり(笑)。テレビに出てると、それこそ高校時代の友達から『いくちゃんが人間のフリしてテレビに出てるの見たよ~』なんてイジられたりします(笑)」
高校時代はトップアイドルとして活躍するかたわら、学校生活にも楽しい思い出がいっぱい。
「行事となると全力投球! 体育祭で実行委員になったり、学園祭で友達とピアノの連弾をしたり…なんていうとリア充っぽい!?(笑) でも友達と一緒に学んだり何かを作ったりするのは好きでしたね。とはいえ普段は、ぼさぼさ頭にメガネ姿で抜け殻状態…(苦笑)。そんな私を見守ってくれた友人にも恵まれました」
当時と変わらないくらい、忙しい毎日。でも最近は「自分を受け入れる」ことも少し上手になった。
「例えば『よく寝付けなかった』とか体調がいまひとつの日も『はい、今日の私はこういうかんじ!』っていったん状況を受け入れて、その日のベストを尽くせるようになりました。もちろん持てる力をすべて出すべき瞬間はあるけど、そのときどきの自分を認めてもいいなって」
その境地にたどり着いたきっかけは何かあったんですか?
「照れくさいですけど…今のマネージャーさんとの出会いは大きかったです。それまでの私は自分の理想に届かないとメンタルが落ちたり…へんに完璧主義だったんですけど、マネージャーさんは否定しない、そのかわりお世辞も言わない。長い目で見てくれているので、私も自分にシビアになりすぎずにいられるのかも。今もりおと同じように、『もうだめだ!』と思うこともあるけど、じゃあ何がやりたいのかと考えると結局、『表現したい』。そこに戻ってくるんです。これを読んでいる方も主人公のりおや私と同じように迷うことも悩みもあると思いますけど、緩めたり、許したり。自分を受け入れることも大事なんじゃないかな」
27歳、着々と大人の階段を上る生田さん。「大人」を感じる瞬間は?
「あ、牛肉をわさび醤油で食べるようになりました! 前はタレ派だったのに。これって大人ですよね?」
『素晴らしき哉(かな)、先生!』 笹岡りお(生田)は生徒や保護者、同僚の板挟みに悩む2年目の高校教師。そんな彼女が担任としてクラスを受け持つことに…? 毎週日曜22:00~、朝日放送テレビ・テレビ朝日系で放送中。脚本・演出/宅間孝行 出演/生田絵梨花、茅島みずき、鈴木仁ほか
いくた・えりか 1997年1月22日生まれ、ドイツ・デュッセルドルフ出身。2021年、10年間在籍した乃木坂46を卒業。卒業後は舞台、音楽、映像と幅広く活躍し、今回は連続ドラマ初主演。
ワンピース¥59,400(Arobe/styles co. TEL:03・6228・3470) 靴¥50,600(KATIM https://katim.sc/)
※『anan』2024年8月28日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・有本祐輔(7回の裏) ヘア&メイク・北原 果(KiKi inc.) インタビュー、文・大澤千穂
(by anan編集部)