軽快かつ温かい言葉遣いが人気の飯尾和樹さん。誰もが癒され、なおかつ面白いキャラクターで注目されている。ご本人曰く、極めてのんびり、楽しみながら歩んできたという。これまでの歩みや考え方を知れば、なんだかポジティブな気持ちに。

ずん・飯尾和樹はなぜ愛されるのか?

1、ロケでも活かされる、周囲を和やかにする術。

ずん 飯尾和樹

誰もが心を開いてしまう、謙虚で穏やかな人柄とシュールなユーモアセンスが飯尾さんの魅力。本人が愛してやまない喫茶店を巡る番組『飯尾和樹のずん喫茶』(BSテレ東、毎週土曜22:00~)でもその持ち味を発揮しており、マスターや常連さんとの楽しいやりとりも見どころのひとつに。©BSテレ東

2、優しく、愉快な物事の捉え方で人生を楽しむ。

ずん 飯尾和樹

一見マイナスなこともポジティブに変換して温かな笑いで包み込む、飯尾さんの生き方に憧れる人も多いのでは? 飯尾さんが出合った“心の師匠”について書いたエッセイ集『師匠!いらしたんですか』を読めば、物事に対する独自の捉え方やピースフルなマインドの在り方を学ぶことができるはず。『師匠!いらしたんですか』著・飯尾和樹 PARCO出版 1540円

ずん 飯尾和樹

ほっこりキャラでお茶の間から愛されているずんの飯尾和樹さんは、ゴルフ好きとしても知られる存在。今回は、そんな趣味の話も伺うべく、ゴルフ練習場で実際に打ちながら撮影することに。自前のウェアで楽しそうに球を打ち、撮影後も「もう少しだけいいですか?」とクラブを振る姿がなんとも微笑ましい。

「本格的にゴルフを始めたのは、この世界に入ってから。うちの事務所は脈々と続くゴルフ文化があるんですが、ある時に先代の社長が『そろそろ飯尾もどうだ』と声をかけてくださって。その際に関根(勤)さんがゴルフバッグにクラブ、靴まで全部買ってくださったんです。また、コースを回りながら物事の面白い捉え方も学ばせてもらいました」

最高スコアは87。ゴルフ初心者に、この数字が示す腕前を伝えるとしたら?

「最初の1打からずっとコースの真ん中を進んでいく感じ。全てがうまくいきすぎて、怖くなるほどでした。だって普段はしょっちゅう林に打ち込んで、青山テルマさん風にボールが『ここにいるよ』と言ってくれたら…と願いながらボール捜しに明け暮れているんですから(笑)」

調子が良い時もあれば、悪い時もある。それも楽しみのひとつなのだとか。

「本来ゴルフって、ミスをどうカバーしていくかのスポーツなんです。“バンカーに入れちゃった、どうしよう”と考えながら進めていく中で、徐々に“遠回りでも、1回横にボールを出すと次が打ちやすくなるな”と己を知っていく。それはある意味、仕事に通じる部分も。スベった時に、“ここは1回ひな壇に戻って、MCの表情を見てみよう”とかね(笑)」

取材前日もどぶろっくの森慎太郎さんとコースを回ったという飯尾さんに、改めてゴルフの魅力を語ってもらった。

「やっぱり自然が豊かで開放的な場所で過ごせるのは幸せですよね。自分なんてあちこちにボールが行ってよく歩くから、その分気兼ねなくカツカレーも食べられる(笑)。でも今から始めるなら、シミュレーションゴルフで雰囲気を味わうところから始めるのもいいと思いますよ」

ゴルフ以外にも旅行や喫茶店巡りなどその趣味は多岐にわたるが、多忙な中でも趣味の時間を大切にする理由とは?

「“収録の後は喫茶店でゆっくりしよう”とか、先に楽しいことが待っていると思うと仕事を頑張れるんです。ただ、自分の仕事は地方に行ったり喫茶店に行ったりと、好きなことをやらせてもらっているものも多いんですよね。趣味は仕事にしないほうがいいって人もいるけれど、自分はそこまで責任感がないから、飲んで食べて、楽しんで帰ってます」

肩の力が抜けたスタンスも魅力のひとつだが「肩に力を入れなきゃいけない時期もあると思うんですけどね。20代の頃は暇で床ずれするほど寝てましたし、悲しいくらいのんびりした人生です」と苦笑する。一方で、仕事の際に意識していることを尋ねると真摯な表情が覗いた。

「ロケで出川(哲朗)さんとご一緒すると、カメラのないところで撮影先の方に丁寧にお礼をされているんですよ。さまぁ~ずさんも一般の方と接する際は話が長くても絶対に止めず、最後まで聞いてから笑いを引き出すんです。ロケは対象者に協力していただかないと成立しないので、先輩方のように感謝の気持ちを持つことは忘れないようにしています」

数々の芸人の先輩方と接してきた飯尾さんがリスペクトする“大人の男”として名前を挙げたのは、明石家さんまさん。

「ある時、一緒にいた後輩の芸人がさんまさんに悩みを相談したんですよ。そしたら一言、『しゃあないやろ』って。『もう済んだことだから、あとはどう前を向くかや』と、すぐさまそれを笑いに変えていたんです。凄い人ですよね。結果が出ない時に“しょうがない”と思える人は少ないけれど、そこを受け止めると次に行きやすいのかなって思いました」

どの番組でも結果を出している印象があるが、時にはうまくいかないことも。

「ショックで小5の時の記憶がなくなるくらい、大スベリしたこともありますよ。その時はまっすぐ家に帰れず、近所の公園のベンチに座っていたっけ。ふと空を見上げたら、月がまん丸でね。“いや、今日辞めるわけじゃないんだから。次だ次!”と思って帰りましたよ。スベったら次にウケて取り返すしかないし、それを繰り返していくのが芸人という仕事。でもその先にはゴルフ場が待っていて、広い空と豊かな自然が活力をチャージさせてくれるんです。仕事って基本的にはアウトプットだから、そういうチャージの時間はやっぱり必要。そこでひらめきが降りてくることもありますしね。といっても、昨日の森とのゴルフでは一切ひらめかなかったですが(笑)」

ゴルフ同様、いい時もあれば悪い時もあるのが人生。ミスをしても笑いを忘れず、景色を楽しみながら次の一打を打つ。

「スベることもイライラすることもあるけれど、結局それも生きている証しなんですよね。それに自分は好きなことをやらせてもらえているので、何が起きても最終的には仕事を続けていられる幸せのほうが強いのかなって思っています」

いいお・かずき 1968年12月22日生まれ、東京都出身。2000年に相方のやすとお笑いコンビ・ずんを結成。出演映画『ラストマイル』が8月23日より公開予定。仲良しコンビであるキャイ~ンとずんの共著『キャイ~ン ずん 作文集 ほぼ同じで、ぜんぜん違う』(徳間書店)が発売中。

スーツ¥385,000(ニート/にしのや TEL:03・6434・0983) ヴィンテージのメガネ¥27,500(にしのや) シャツ¥29,700(ビナイン/エヌエスナイン TEL:03・6433・1289) その他はスタイリスト私物

※『anan』2024年7月24日号より。写真・KAZUYUKI EBISAWA(makiura office) スタイリスト・ダヨシ ヘア&メイク・松橋亜紀 取材、文・真島絵麻里 撮影協力・BACKGROUNDS FACTORY

(by anan編集部)

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