こんなに面白い世界の住人になれる嬉しさを感じながら演じています。
「『ザ・ファブル』のことは知っていましたが、オーディションをきっかけに原作を読みました。3~4巻までいくとキャラクターが掴めるかなと思っていたのですが、結局、先が気になりすぎて最後まで読んじゃいました(笑)。実は、人の生死が描かれる物語はちょっと苦手だったりするのですが、明は絶対に死なないという安心感があったし、とにかくキャラクターが魅力的で。ボケッとしてかわいかったり、心をぎゅっと掴むようなギャグを言ったりするのに、決める時は決めるカッコよさも持ち合わせている。ハマったのは、明という存在がいてこそですね」
演じる岬は、正義感が強く優しい人物で、正体を知らないまま、明や洋子と交流を深めていく。
「多分、岬ちゃんがいることで、明は“日常生活を送っているな”と思うことができるだろうし、平和の象徴というか、癒しや安心をいろんな人に与えられる存在なのかなと。だからこそ、そのあたりの素朴さみたいなものをちゃんと出していきたいと思いながら演じています」
明だけでなく、キャラの濃すぎる登場人物たちも今作の大きな魅力に。
「おバカな感じが気持ちのいい、明に憧れるクロちゃん(黒塩)が大好きだし、明が愛するお笑いピン芸人のジャッカル富岡も印象的に登場していて笑わされます。ジャッカルを演じる福島潤さんは、“お芝居が下手くそな芝居”をしているので、声が入ることでより楽しめる部分もあるのではないでしょうか。アフレコ現場も楽しいんですよ! 明と洋子の掛け合いのシーンは、宇宙人同士で喋っているみたいな違和感があって、テストの時は思い切り笑ってしまって(笑)。演じる興津(和幸)さんと沢城(みゆき)さんが相当、考えて演じられていることが伝わってきます。こんな面白い世界の住人になれる機会はないので、めちゃくちゃ嬉しいです」
『ザ・ファブル』といえば、原作漫画ではセリフの後ろに伸ばし棒がついていることでも知られている。
「明役の興津さんは、伸ばし棒を意識しているんだろうなという喋り方をされていて。明というキャラクターの独特の“間”のとり方を表現するためには、必要なものなんだなと思いました。主人公が殺し屋だったり、登場人物たちの姿だけを見ると、一瞬、硬派な内容かな? と思うかもしれませんが、それだけではなくて。本当に笑えるし、私たちのまわりにも、もしかしたら明や洋子みたいな人がいるのかもしれない! と思って、ちょっとワクワクもできる作品なので、ぜひ見てください」
大ヒット漫画が待望のTVアニメ化! 『ザ・ファブル』とは?
伝説的殺し屋“ファブル”の、おかしくも不穏な空気に満ちた休業生活を描き、シリーズ累計発行部数2400万部を突破した大人気漫画。明はもちろん、酒が強くて“ドランク・クイーン”の異名を持つ洋子など、個性豊かな登場人物に注目。毎週土曜24:55~、日本テレビ系にて順次全国放送中。
©南勝久・講談社/アニメ「ザ・ファブル」製作委員会
はなざわ・かな 1989年2月25日生まれ、東京都出身。アニメ『鬼滅の刃』の甘露寺蜜璃役、『劇場版 呪術廻戦 0』の祈本里香役など数多くの作品に出演している。歌手としても活動しており、最新アルバム『追憶と指先』が発売中。
※『anan』2024年5月22日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・新田アキ ヘア&メイク・宇賀理絵 インタビュー、文・重信 綾
(by anan編集部)