いろんな味を楽しめる、ノンスタ流“おばんざいタイプ”のライブです。
石田明:僕ら毎年ライブをやって、新ネタ漫才をやるのが恒例なんです。僕はもともと面白い人間じゃないから、ネタをやるしかないという思いもあるし。単純にネタを書くのが好きなだけって感じもあります。
井上裕介:去年は20周年記念のライブで全国まわる予定やったんですけど。
石田:ほとんど中止になって……。なんとか東京では開催できたんです。
井上:あの時は、お客さんにもたくさん入っていただきました。
石田:生の舞台はやっぱりええもんですね(しみじみ)。お客さんの前でできるのが嬉しすぎて、犬の“うれション”状態の漫才でした(笑)。
井上:僕らも嬉しかったけど、お客さんも、この苦しい状況をなんとか打破しよう、大笑いしてポジティブに生きようって感じがありましたね。
石田:20周年からは1年遅れになりましたが、今年あらたに作ったネタとあわせて、ライブができることになりました。
井上:20年前、僕は単にテレビに出る人気者になりたいって気持ちで始めたんやけど、石田とコンビ組んで、漫才って面白いなぁっていう感覚は最初からあった。それからずっと芸人として生きて芸人として死にたいという気持ちで続けてきましたね。
石田:ターニングポイントは、結成8年目に東京に出てきた時。僕は大阪にいたかったのに、それまで出ていた劇場がなくなり、東京に出るしかない、という状況になって。
井上:僕はせっかくなら全国区で戦いたいって気持ちが大きかった。
石田:東京では仕事もほとんどなくて、正直苦しかった。でも、その1年間にじっくりネタ作りと向き合えたことが大きかったと思います。あの苦しい時間がなかったら、『M‐1グランプリ』優勝もなかった。
井上:今はまたエンタメ業界全体が苦しい時期。だからこそ、どっかに光はあると信じて頑張りたい。
石田:僕は去年、仕事ができない時期に家族とたっぷり過ごすことができて、仕事以外の幸せもあるんやなぁと知ることができました。意識も変わったし、新しい取り組み方も考えていきたい。
井上:ネット配信やファンクラブも始めたしね。新しいメディアにも、対応できる力をつけておかないと。
石田:ライブならではの面白さもあらためて感じる。今回のツアーも、“おっちゃんふたりが真剣にジャレ合ってるだけやん”みたいな生の空気を楽しんでいただきたいです。
井上:うちのライブは“おばんざいタイプ”。いろんなおいしいネタがちょっとずつ見られる。女性にも楽しんでいただけると思います。
石田:どんな時代になっても、自分たちのネタをやる漫才ライブは一生続けていきたいですね。
井上:生で笑い声を聞くのは、芸人しか味わえない至福ですから!
全国ツアー「NON STYLE LIVE 2020・真~あっというま~ NON STYLE LIVE 2021・新~あっというま~」 2年ごしの開催となった20周年ライブ。9月14日より全国5か所で開催。思い出の地をめぐった映像も公開される。FANYチケットお問合せダイヤル TEL:0570・550・100(10:00~19:00)
ノンスタイル 共に1980年生まれ、大阪府出身の石田明(左)と井上裕介(右)が2000年に結成。2008年『M‐1グランプリ』優勝。石田さんは3女のパパとして、井上さんは“ポジティブナルシスト”として、それぞれSNSでも話題。
衣装協力・meagratia
※『anan』2021年9月8日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・難波雅恵 インタビュー、文・伊藤愛子
(by anan編集部)