昨年、NHKのドキュメンタリー番組『ノーナレ』ではじめての密着取材を受けました。これまで、丸1日カメラがつくとかそういうことはありましたが、今回の撮影期間はおよそ2か月。ここまでみっちりした取材ははじめてでした。いきなり肝のこと言っちゃいますけど、人間って一人でいる時間が必要なんやということを改めて再認識いたしました。いや~、ずっとカメラ入ってるの、やっぱキツかった~! 夜の本気ダンスというバンドの鈴鹿(秋斗)は、何かで一緒になるとずーーーーっと僕の楽屋にいるんです。でもそれをなんとも思ってなかったんですけど、それはもともと彼が地元の同級生で、僕が素でおれてたってことなんでしょうね。カメラが入っているとやっぱり、“岡崎体育”でおらなあかんという変な緊張感が生じてしまい、全然リラックスできませんでした…。さらに今回は、実家の僕の部屋にも定点カメラが設置されていたんですが、それも気になって気になって…、ときどきオフにしていました。だって僕の部屋ですから、着替えとかもしますから。僕の着替えシーンなんてオンエアしないことはわかっています。わかっていますけど、編集の段階でNHKの方に着替えシーン見られるのもイヤやから、そこはきっちりオフにしていました。
ドキュメンタリー番組で25分間、僕のことだけを流してくれるということがどれだけありがたいかは、十分にわかっています。だからこそ、アルバム制作がもっとも立て込んでいる時期にあえてカメラに入ってもらったんです。ドキュメンタリーの作り手は対象者が苦しんでいるところや足掻いているところを撮影したいわけじゃないですか。僕の通常の、表に立っている仕事…取材を受けたり、ライブをしたりという活動…を追いかけたいわけじゃない。裏の顔を撮りたいんだろうと思ったし、僕も1回くらいはそれをさらけ出してもいいかなと思ったんですけど、なかなか全部を見せるというのは難しいものですね。でも十分辛かったんで、そのモヤモヤしている姿をファンの方には楽しんでもらえたかなと思います。今回、出せるもんはすべて出し切ったので、もし次、密着取材をやるとしたら、岡崎体育が新しいフェス作りますとか、そういう何か大きなトピックがないとできないのでは? と思います。僕が自分の部屋で曲作りしているだけだと代わり映えしないですから。
おかざき・たいいく オリジナルサードアルバム『SAITAMA』発売中。6/9、さいたまスーパーアリーナにて、単独公演「JINRO presents 岡崎体育ワンマンコンサート『BASIN TECHNO』」を開催。
※『anan』2019年2月13日号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・村田真弓 文・梅原加奈
(by anan編集部)
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