anan2466号「自分と向き合う心理テスト」特集の表紙は、SixTONESの松村北斗さん。主演を務めた映画『秒速5センチメートル』が公開直前。今回は作品とのスペシャルコラボレーションで、グラビア撮影とインタビューを実施しました。その様子をお届けします。
『秒速5センチメートル』とのスペシャルコラボレーションの内容とは、原作であるアニメーションから監督の新海誠さんの出演と、撮影での場面写真使用。今回の実写版からは監督の奥山由之さんの出演という豪華なラインナップ。その双方をつなぐ存在として、松村北斗さんの表紙が撮影される特別な試みとなりました。
撮影は、表紙ともなっている、原作アニメーションの場面写真がプリントされた紗幕のワンシーンから始まりました。「お願いします〜〜え!すごい!!」とゆるやかな雰囲気でメイクルームから出てきた松村さんは、原作場面の大きな紗幕が張られたセットの様子に感嘆。笑みを浮かべながらしばし見惚れるなど、たちまちテンションが上がっている様子が伝わってきました。新海さんの制作スタジオの皆さんにもお立ち合いいただき、たくさんの人が見守る中で撮影がスタート。レイヤリングしている青やピンクのオーガンジーも一緒にたゆたう、ふわっと爽やかな風が吹く美しい空間の中を、ゆっくりと松村さんが歩き、振り向いたり紗幕に触れてみたり。時が過ぎるのを忘れてしまうような贅沢な時間が流れる中で、『秒速〜』の作品世界から飛び出してきたような、原作と共演しているような、儚くも美しい雰囲気が漂った表紙が誕生しました。
その後は、作品世界の大切なモチーフの一つである四季にインスパイアされたグラビア撮影に移行。こちらは、フィルムや物語の中を松村さんが歩むように、春→夏→秋→冬の順番通りで撮影しています。驚いたのは、季節のイメージや使用できる小物、動きの説明をお伝えすると、「うんうん」と頷きながら、スッと松村さんが纏う空気感が切り替わること。まだ初めて出会ったもどかしさが残るような表情の春、とことんリラクシーに、時に少年性も帯びるような夏。ほっこり柔らかくチャーミングな雰囲気の秋に、本当に冷たそうに雪に触れる仕草を見せる冬…それぞれに全く違う顔を見せていく流れはさすがの鮮やかさ。その場にいた全員が見惚れてしまうほどに、冬の場面を撮る頃にはスタジオにただただ静寂の時間が流れていました。それはまるで『秒速〜』の雪降る場面とのシンクロを感じる瞬間でもありました。
取材では、じっくりと語っていたソロインタビューの時と、奥山さん、新海さんとの対談でのテンションの違いが印象的でした。奥山さんとの対談では、照れながらお互いの魅力について話す場面があり、奥山さんはお菓子を食べてみたり、松村さんは終始ソワソワしていたり。新海さんとの対談は、友人との久しぶりの再会を喜ぶように、「そうだった! そんなこともありました」と、二人が重ねてきた時間を確かめ合っているようでした。
他にも書ききれないほど、この巡り合わせに尊ささえ感じる瞬間が多々あり、それが貴重な撮影とインタビュー&対談の全編に凝縮されていると思います。最後のページまでじっくりお楽しみください。(NF)

原作場面写真の紗幕セットは透明感たっぷり。光降り注ぐ中面カットもぜひご覧ください!