トレーニングのお供にプロテイン。そんなイメージを持っている人も多いと思うが、改めてプロテインにはどんな効果があるのだろう。
「一般的に“プロテイン”と呼ばれるのは、パウダー状のものなど、タンパク質を主成分とした栄養補助食品のことです。タンパク質は筋肉の材料となるので、トレーニングとプロテインの摂取は、セットにして考えると、より効果的にボディメイクができます」(管理栄養士×パーソナルトレーナー・河村玲子さん)
いくらトレーニングをしても、タンパク質が不足していると筋肉がつかないため、メリハリボディにはならないというワケ。でも、タンパク質は肉や魚に含まれる栄養素。食事から摂取するだけではダメ?
「食事から摂れていればよいですが、何かと忙しい現代の生活で、1日に必要なタンパク質量を食事だけで賄うのは、なかなか難しいと思います。そんな時にプロテインパウダーなどを活用すれば、手軽にタンパク質が補えて便利。そもそもプロテインは食欲を調整するので、過食を防げるというメリットがありますし、間食のお菓子をプロテインバーなどに置き換えるといった取り入れ方もできます」(運動しないプロテイン愛好家・プロテインひろこさん)
とはいえ、プロテインを摂るとムキムキになるというイメージも…。
「筋肉は刺激に応じて筋力や筋量が増減します。ストイックな筋トレ+プロテインでムキムキになる可能性はありますが、ライトなトレーニングくらいなら心配なし」(河村さん)
超基本からおさらい。プロテインQ&A
プロテインを正しく摂るうえで、知っておきたいこととは? プロテインとは何なのか、など基本から識者の二人がレクチャー。
Q、「プロテイン」ってそもそも何?
A、カラダに不可欠な「タンパク質」のことです。
プロテインは、日本語で「タンパク質」のこと。筋肉をはじめ、髪や肌などの材料になる必須栄養素。「ただ、日本でプロテインというと、タンパク質を補うためのプロテインパウダーを指すのが一般的。近年はプロテインブームの追い風もあり、パウダー以外にもバーやゼリーなどいろんなタイプのプロテインの栄養補助食品が登場しています」(河村さん)
Q、プロテインパウダー、どの種類を選ぶべき?
A、ホエイかソイがおすすめです。
プロテインは大きく分けて、牛乳由来のホエイプロテインとカゼインプロテイン、大豆由来のソイプロテインの3種類。「ホエイはカラダへの吸収が比較的早く、筋肉になりやすい。また、ソイは女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボン含有で、筋肉+美肌効果が期待できます。女性のトレーニングのお供には、この2種類がおすすめです」(ひろこさん)
主な成分
・牛乳由来
【ホエイ】筋トレ初心者からガチ勢までサポート。
ホエイはヨーグルトの表面に溜まる上澄みのこと。摂取から2~3時間と短時間でカラダに吸収される。プロテインの中でも最もメジャーで、手に入りやすく、味などのバリエーションが豊富。
【カゼイン】ボディビルダーなどプロユース。
カゼインは牛乳から脂肪とホエイを除いた固形成分。7~9時間ほどかけてカラダにゆっくり吸収されるのが特徴。寝る前に摂取して、睡眠中にもタンパク質を取り入れたい上級者向き。
・大豆由来
【ソイ】タンパク質+美容を意識した製品多数。
大豆から油分を除き、タンパク質だけを抽出してパウダー状に。6~8時間かけてカラダに吸収されるため、腹持ちよし。元来の大豆イソフラボンに加え、美容成分がプラスされた製品が多い。
Q、プロテインパウダーをうまく溶くコツは?
A、水分を先に入れてください!
基本としてシェイカーを用意したうえで、ポイントとなるのがパウダーを入れる順番。「水分を先に入れ、パウダーは後から入れましょう。粉っぽさが残らず溶くことができますよ。それでも溶けにくいと感じる場合は、シェイカーボールを入れるのも手」(ひろこさん)。ちなみにパウダーと割る水分の種類は「素早くカラダに栄養を届けるなら水が◎。あとは牛乳や豆乳などお好みで」。
Q、摂取量の目安とトレーニングに効果的な摂取タイミングは?
A、多めに摂ってOK。食事も含めて、体重1kgあたり1.2gを目安に、こまめに摂るのが重要です。
“タンパク質は筋トレ後に摂ると効果的”と聞いたことがある人は多いはず。「それは一昔前の説。新たな研究により、タンパク質は“摂り溜め”ができないことから、1日の中でこまめに摂るほうが効果的だと分かりました。厚生労働省は、18歳以上の女性に1日50gのタンパク質摂取を推奨していますが、トレーニング中であれば体重1kgにつき1.2g、例えば50kgの人なら60gと少し多めに摂るのがおすすめです」(河村さん)
Q、トレーニング中に十分な1日のタンパク質摂取プランを教えて。
A、朝とおやつ時にプロテインで補うのがおすすめです。
1日分のタンパク質を5回に分けて摂るのが理想的。「女性の場合、1回につき10~20g。まずは1日3食の食事から、タンパク質を摂りましょう。肉や魚なら、げんこつ1個分がタンパク質15gの目安です。食事に加えて朝食と昼食の間に1回、昼食と夕食の間に1回プロテインを摂取するとバランス良好」(河村さん)
◎食事&間食のタイミングでの摂取目安
【朝食】卵+納豆/目安15g
【昼食まで】プロテインドリンク/目安10~15g
【昼食】げんこつ1個分目安の肉や魚+大豆製品/目安20g
【おやつ】プロテインバー/目安10~15g
【夕食】げんこつ1個分目安の肉や魚+大豆製品/目安20g
河村玲子さん 管理栄養士×パーソナルトレーナー。全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会トレーナー資格取得。栄養指導と運動を組み合わせたボディメイクを提唱。腰痛や膝痛、肩こり、姿勢改善のトレーニングも得意。
プロテインひろこさん 運動しないプロテイン愛好家。美容と健康に役立つプロテインの摂り方を提案。日本各地のこだわり食材を使った「ジモテイン」の開発や、「タンパクオトメ」の監修など、プロテイン製品の開発・監修も行っている。
※『anan』2024年4月17日号より。イラスト・マエダハルナ 取材、文・保手濱奈美
(by anan編集部)