「貯金していない」が約3割? 18~30歳男性130人に聞く“リアルなお金事情”

2021.10.29
生きていくうえで、仕事をしてお金を稼ぐのは重要なこと。しかし多様な働き方を選択できるようになり、考え方や価値観は変化してきている。いまどき男子のお金の現状と理想とは? 18~30歳の男性130人のアンケート結果を、3人の識者が分析します。

いまどき男子アンケート:お金編

questionnaire

Q. 手取りの給与について、理想と現実をそれぞれ教えてください。

理想…40万円以上、現実…20~30万円未満

現状がシビアだからこそ、理想も現実的。
現実の収入は、20万~30万円未満に次いで、20万円以下が2位に。「初任給は昔とあまり変わっていないかもしれませんが、不景気で昇給もなかなかなく、物価も上がっているのでこの収入で生活するのは厳しいですね。仕事はお金のためと割り切るのも無理はないかも」(漫画家・ひうらさとるさん)。「理想の収入に関しても、3桁もらいたいなどと大きな夢を見るというより、現実的な金額を提示されていますね。少しでも増えれば、という切実な思いの表れなのだと思います」(フリーライター・武田砂鉄さん)

Q. 貯金はしていますか? 可能であれば貯金額を教えてください。

1位…していない、2位…100万~500万円、3位…100万円未満、4位…1000万円以上

questionnaire

していないが約3割。貯金額にも大きな差が。
貯金をしていないと答えた人が31.0%を占めた。「若者の貧困化が進んでいる現状が色濃く出ているように感じました。低賃金で、今を生き抜いていくことで手いっぱい。これでは先行きが不安で、夢や野望を持つこともできないですよね」(武田さん)。一方で、貯金額1000万円以上と答えた人が17.0%も。「若者の間にも経済的格差が生じていますね。20代にも投資ブームが来ていたり、副業OKの時代になって給料以外のお金を稼いでる人が増えている印象です」(放送作家・白武ときおさん)

Q. 投資はしていますか?

している…42.6%、していない…57.4%

若いうちに投資デビューして、賢く稼ぐ堅実派ボーイが増加!
収入だけでは貯蓄を増やせない現状と、スマホで手軽にできることから、投資に興味を持つ若者が続出。「私の担当編集者の周りの男の子たちもみんな投資していると言っていました。貯金せずに、投資している人が多いのかもしれませんね。コロナ禍も相まって、将来への不安が高まったことも大きく関係していそうですね」(ひうらさん)。投資の種類は、株、投資信託、米国株、FX、つみたてNISA、iDeCo、暗号資産など多岐にわたっていた。

Q. 現在住んでいる家について教えてください。

1位…実家、2位…賃貸で一人暮らし、3位…賃貸で二人暮らし

金銭面、生活面を考えれば、実家で暮らすしかない!?
実家が36.1%。「これは、親世代の経済状況が如実に表れた結果だと思います。親元を離れて暮らすのは相当なお金がかかるし、少し無理してでも実家から通学・通勤できるならそのほうが安心だしラクでもある。これでは自立しようと思い始めるタイミングがないですよね」(武田さん)。一人暮らしの人に家賃を聞いてみると、1位が5万円未満or7万円以上、3位が5万~7万円の間。たしかに月収が30万円未満だと、家賃だけでも相当な痛手…。

ひうらさとる 漫画家。1966年生まれ。毎月1日発売の『BE・LOVE』(講談社)で新連載「西園寺さんは家事をしない」が10月号からスタート。アプリPalcyで「聖ラブサバイバーズ」連載中。『ホタルノヒカリ』シリーズのコミックスも絶賛発売中。

武田砂鉄さん フリーライター。1982年生まれ。日本にはびこる男性優位主義について考察した『マチズモを削り取れ』(集英社)、『偉い人ほどすぐ逃げる』(文藝春秋)など、著書多数。TBSラジオ『アシタノカレッジ』の金曜パーソナリティを務める。

白武ときお 放送作家。1990年生まれ。日本テレビ系列『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』など、数々のお笑いバラエティ番組を担当する。Webメディアに詳しい。著書に『YouTube放送作家 お笑い第7世代の仕掛け術』(扶桑社)。

※『anan』2021年11月3日号より。漫画・松尾モノ 取材・文・重信 綾 鈴木恵美

(by anan編集部)