1、『秘密 ―トップ・シークレット― 新装版』 (清水玲子/白泉社)
舞台は近未来の科学警察研究所。死者の脳から記憶を映像化し、検証する〈MRI捜査〉を使い、未解決事件の真相に迫るというサスペンス。死者の脳から被害者や加害者の秘密を暴き出し、そこから心理や行動を読み解き、事件を解決へ導くのだが、“現実”ではないその映像の強烈さと影響力は、読者の心をも侵食する。全12巻 ¥640~
©清水玲子/白泉社
2、『SPY×FAMILY』 (遠藤達哉/集英社)
東西平和を脅かす敵に近づくために、結婚し子供を持てと命じられた、スパイの“黄昏”。孤児院からアーニャ(超能力者)を引き取り、市役所勤めのヨル(実は殺し屋!!)と疑似家族を築く。有能スパイ黄昏のプロファイリング能力はさすが! ホームコメディとしても読み応えがあり、ドキドキとワクワクが共存する! 1~6巻 各¥480
©遠藤達哉/集英社
3、『ミステリと言う勿れ』 (田村由美/小学館)
見た目はほんわり系なのに、冷静沈着、頭脳明晰、素晴らしい記憶力&観察眼の持ち主の大学生・久能整。なぜかよく事件に遭遇し、そのたびに、刑事や犯人、関係者と整は語るのだが、彼の言葉に人々はつい本心を吐露してしまい、それがきっかけで謎が解けていく。整の、無意識に相手の心を緩ませる力がスゴい。1~7巻 ¥429~
©田村由美/小学館
4、『予告犯』 (筒井哲也/集英社)
頭に新聞紙をかぶった男が犯罪予告をする動画が発見される。その後も犯罪予告を繰り返す彼らは、シンブンシと呼ばれるように。SNS上で炎上を起こした者たちを主なターゲットとする予告犯シンブンシと、警視庁サイバー犯罪対策課の刑事たちの攻防戦を描いた作品。ネットでの群集心理などを利用した心理戦に息を呑む。全3巻 各¥600
©筒井哲也/集英社
5、『ヴェクサシオン ~連続猟奇殺人と心眼少女~』 (湯川義弘/双葉社)
河川敷で起きた猟奇殺人の捜査本部に、“ミスター猟奇”こと久留宮が招かれる。新人の緒方と久留宮は、視覚に障害がある、久留宮の妹・玲美の家へ。実は久留宮が解決したといわれていた事件は、すべて妹が解決してきた。聴覚や嗅覚、触覚を使い、相手の小さな変化から心理や行動を読み、推理する玲美に脱帽…。1~3巻 各¥670
©湯川義弘/双葉社 (4巻以降は電子単行本で続刊予定)
6、『憂国のモリアーティ』 (原案:コナン・ドイル「シャーロック・ホームズ」シリーズ、構成:竹内良輔、漫画:三好輝/集英社)
舞台は大英帝国全盛期のロンドン。貴族モリアーティ家に引き取られた養子の兄弟が、嫡男のアルバートとともに家を乗っ取り、国に根付く腐敗した階級制度を変えるべく、様々な“犯罪”を起こす。主人公のウィリアムが、敵の思いを先読みしながら、罠のように犯罪を仕掛けていく様子に読み応えが。1~13巻 各¥480
©竹内良輔・三好輝/集英社
7、『MORTAL LIST』 (小見川なまり/スクウェア・エニックス)
警視庁捜査一課に転属してきた新人刑事・南郷千景。小学校時代のある経験をきっかけに、己の正義を執行するため、行動心理学を学んできた。犯人の心の闇に潜り、追い詰め、心理を読み解く千景の手腕は、強く、どこか悲しみも漂う。“蛇(くちなわ)”という二つ名で呼ばれる彼女が狂気をあぶり出し、事件解決へ導く。1~2巻 各¥600
©Naomi Omikawa/SQUARE ENIX
※『anan』2021年2月24日号より。写真・中島慶子 取材、文・河野友紀 山縣みどり
(by anan編集部)