瞬発力では決してできない、年齢を重ねて鳴らす楽しみ。
OAUが結成されたのは2005年。すでに日本が誇る孤高のライブバンド・BRAHMANのメンバーとして活動していた彼らが、バイオリンを奏でるMARTINさんを含むアコースティックバンドとしての活動を新たにスタートさせたことに驚いたファンも多かった。当時のことを振り返り、TOSHI-LOWさんはこう語る。
「MARTINに『アコースティックバンドやらない?』って誘われたのが始まりだったんですけど。当時はBRAHMANの尖った部分が好きなファンに『アコースティックなんてやる必要ないんじゃない?』って言われました。でも、瞬発力では決してできない、年齢を重ねるごとに鳴らす楽しみがあるのがアコースティック音楽なんだなって、今ようやくわかってきた感じがします。自分自身も30代から40代になり、それまで独り者だったのに家族が増えた変革期にOAUの音楽に出合えたことは、救われたと言っていいほど大きなものでした。BRAHMANというひとつの側面だけをやっていたら年齢や体力に抗ってステージに立っていただろうけど、OAUは自然とポロンと楽器を鳴らして歌えばいい。その両方があるからバランスがとれているし、バンドマンとして幸せだなと思います」
バイオリンやアコースティックギターなど豊かな弦楽器の音色を生かした楽曲や、生楽器ならではの繊細さと熱気が今作『OAU』には鮮やかにパッケージされている。
「ずっとこういう音楽をやりたくてやってきたんだなっていう作品ができました。初めは生楽器の鳴らし方や録音の技術もなかったけど。今は逆に生楽器を聴かせたいからこそ実は生じゃない処理もしてる。お寿司屋さんの昆布締めみたいなことをやってるわけですよ(笑)。そしてこのアルバムの最後には『I Love You』というMARTINがずっとやりたがっていたオーケストラに子供たちの声を入れた曲が収録できた。15年前なんて俺とMARTINは喧嘩ばかりしてたけど(笑)、今はOAUの音楽が確立できたし、今作ではアコースティック音楽が本来持っているふくよかさみたいなものを味わってもらえるんじゃないかな」
BRAHMANとOAU、それぞれで異なる表情を放つ、TOSHI-LOWさん。最近では長男のために作った弁当を紹介した本『鬼弁~強面パンクロッカーの弁当奮闘記~』の出版も大きな話題に。カリスマ的なイメージとは異なる、家庭的な一面も魅力だ。
「弁当ひとつ作るにしても人を楽しませたいっていう気持ちがあるんでしょうね。もう最近は父性を超えて母性に溢れてますよ(笑)。俺はもともと子供なんて苦手だったけど、それは自分がまだ子供だったから。今は男性も遠慮せずどんどん育児参加した方がいい。自分はこうだからって決めつけずに、変わっていくことをちゃんと受け入れた方が、人生って面白いと思うんですよね」
オーエーユー メンバーはMARTIN、KAKUEI、TOSHI-LOW、KOHKI、MAKOTO、RONZIの6人。9/28~レコ発ツアー、来年2月に追加公演のホールツアーが決定。
『OAU』【初回限定盤CD+DVD】¥3,800 【通常盤CD】¥3,000 豊かで生々しいアコースティックの音色から郷愁や希望や生命力が伝わってくる。「帰り道」など全13トラック。(トイズファクトリー)
※『anan』2019年9月11日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) インタビュー、文・上野三樹
(by anan編集部)
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