――大親友で知られる二人です。
菅田:昨日も邦画を一緒に観に行きましたよ。
仲野:その後は、将暉の家でガールズトーク(笑)。
菅田:お茶会ね(笑)。
――共演した映画『タロウのバカ』は、主演のYOSHIさんが16歳の新人ということで、二人はどう接しましたか?
菅田:二人で決めたわけではないですけど、現場で相手をするのが太賀で、プライベートは僕って感じでしたね。
仲野:僕は何もしてないです。2日目からYOSHIにNG出したんで(笑)。いや、彼はめちゃくちゃ人懐っこくて、こっちの領域にぐいぐい入ってくるんですよ。僕も自分のことでいっぱいいっぱいだったんで、「将暉、任せた!」と(笑)。もちろん、四六時中NGなわけじゃないですよ。僕が疲れてる時は将暉が、将暉が疲れてる時は僕が彼と遊んでました。
菅田:一緒に走るとか。
仲野:叫ぶとか。
菅田:大森(立嗣)監督の作品を観たことないって言うから『光』を3人で観たり。YOSHIと同じくらいの子が出ているから、自分がスクリーンに出るってこういうことなんだって認識してくれたいい時間だった。
仲野:2時間後には「日本映画楽しい!」って興奮してた。
菅田:僕と太賀が、本番前にかかる「よーい!」の声で、スイッチ入れてギア上げるために、咳払いしたり軽くジャンプしたりするでしょ。ある日、YOSHIが肩回しながら「ゴホゴホッ」って始めたのが面白かった。
仲野:YOSHIの中で“作為”が始まったよね。
菅田:演じようという“作為”。
仲野:YOSHIが入ったことによって、僕ら二人の結束も強まった気がする。
菅田:次世代への責任感で結束したよね。あえて広げた話をすると、まともな大人にははみ出して見えるけど、自分の生き様を持ったYOSHIをどう受け入れるかが、日本エンタメ界の未来に直結している気がした。
仲野:はみ出してる部分をまとめちゃうのが大人のやるべきことなのか、もっと行っちゃえと背中を押すべきなのか。いっぱい話したよね。
菅田:そう。作品で描かれてる、何に対して焦ってるかもわからない感覚って、今でも少なからず残ってるんだけど、YOSHIを見てたら、僕は慣れちゃったとこがあるって痛烈に感じた。
仲野:確かに、視界に映るものすべてに対して「ウ~ッ…」ってなるあの感じはどんどん薄まってる。でも、今思えば、あの頃に抱えていたやり場のない気持ちだったり、将暉への嫉妬なりが、自分の表現に繋がってるのかなとは思う。満たされていたら、役者として何かを体現したいとはならなかっただろうし。
――仲野さんから見て、菅田さん演ずる柔道の道で挫折し自暴自棄になるエージと菅田さんご本人に共通点を感じましたか?
仲野:基本的には別人だと思いますが、エージの“狂気”は温厚な将暉から出てきた、確かな感情だと思います。そういう一面を隠し持っているのかも(笑)。
菅田:めちゃくちゃトンガってるヤツじゃん! 恥ずかしい!
――援助交際中の女の子への想いに苦しむスギオと、演じた仲野さんの共通点は?
菅田:悩むと深いところまで潜っていくところ。太賀は、ぐるぐる試行錯誤するとこがある。
仲野:さすが。よく見てる。
菅田:なんか上からだな(笑)。僕は何も考えないから、太賀とはちょうどいいバランス。
仲野:僕と将暉には、半径1メートルの世界があって、周りが思っている以上の友達関係。将暉の変遷を10年見てきたけど、外に向かって多くの人に将暉の歌が届いて、みんなと共有できることが喜びなんだよね。手放しに嬉しくて、気づいたら、「さよならエレジー」や「まちがいさがし」を鼻歌で歌ってる。
菅田:音楽を教えてくれたのも太賀だし、ずっと一番近くで見てきてくれたからね。
仲野:この気持ち、読者の方々に上手く伝わるかなあ…。
『タロウのバカ』 戸籍のない主人公タロウと仲間の高校生、エージとスギオ。それぞれに悩みを抱える3人は、偶然ピストルを手に入れたことから、過酷な現実に向き合うことになる。大森立嗣監督作。9/6よりテアトル新宿ほか全国公開。
すだ・まさき(1枚目写真上) 1993年2月21日生まれ、大阪府出身。11月、舞台『カリギュラ』に主演。アルバム『LOVE』の初回限定短編DVDで初監督、主演に仲野太賀を起用。ブルゾン¥58,000(オールド パーク/HEMT PR TEL:03・6721・0882) パンツ¥29,000(ダイリク/シック TEL:03・5464・9321) その他はスタイリスト私物
なかの・たいが(1枚目写真下) 1993年2月7日生まれ、東京都出身。雑誌『CUT』で菅田将暉との連載を継続中。来年の公開待機作に『静かな雨』『僕の好きな女の子』など。ジャケット¥42,000 パンツ¥32,000(共にフィグベル/プロッド TEL:03・6427・8345) ベスト¥93,000(ナマチェコ/エムエイティティ INFO@THE‐MATT.COM) その他はスタイリスト私物
※『anan』2019年8月28日号より。写真・森山将人(TRIVAL) スタイリスト・伊藤省吾(菅田さん) 石井 大(仲野さん) ヘア&メイク・AZUMA(M‐rep by MONDO‐artist/菅田さん) 高橋将氣(仲野さん) インタビュー、文・小泉咲子
(by anan編集部)
※旅好き女子が大注目!次の海外旅行をメルボルンにする5つの理由って?
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