一曲一曲にマジックを起こしながら、愛着が持てる曲を作りたかった。
「今までのようにデモをとにかくたくさん出して曲を選んでいくやり方ではなく、様々な方法を試しながら10曲が出来上がりました。曲に向き合いながら、いかにマジックを起こせるか、俺らがどれだけ愛着を持てるかを探求していった気がします」(ショウ)
リスナーを焚きつけるように熱いR&R(ロックンロール)「Dreaming Man」から始まるものの、ソウルナンバーやフォーキーな曲、レゲエなどサウンドは多彩。この10年の音楽的な積み重ねがあふれ出すような、ある意味で革命的な変容を感じずにはいられない、意欲的な作品だ。
「今作では唯一ホーンセクションに入ってもらった『偶然』なんかは、以前だったら絶対に入らないような曲調ですし、作れなかったと思う。でも僕は元々ああいう曲が好きで作っていたので、いまならカッコよくやれると思いました」(コウキ)
「曲は基本的にショウとコウキが原型を作るんだけど、それを俺がぶっこわしまくったというか、全く違う形にアレンジした楽曲もいくつか入っていて。ドラムを一切叩いていない曲もあるし、コウキのデモをインストにアレンジし、原曲を知らないショウにメロディをつけてもらったり、自由にアレンジして。それをバンドできっちり合わせて仕上げていきました」(レイジ)
もしかしたら彼らを知るファンは、らしくない、と感じるかもしれない。しかし彼らは「“らしさ”って自分たちにはわからないし、そこにこだわりはない」と口を揃える。
「作っている自分たちの感覚としては、生身を感じるものが作れたな、という気持ちが大きい。伝え方によっては、普通にカッコいい曲だね、と言われるだけでももちろん嬉しいけど、作っている自分たちの心情や姿勢まで感じてもらえたらより嬉しいですね」(ショウ)
「音源を聴いてもらったミュージシャンの方々から連絡が来て、すごくカッコいいアルバムを作ったねと言われました。そんなふうに評価されたのは初めての経験でしたし、10年間やってきたことすべてが、このアルバムに繋がった気がして、よかったなと思いました」(ハマ)
10代でデビューした彼らも、’19年で全員が28歳になる。タイトルに『BOY』と名付けたのは、刹那的だけど、ぴったりではないだろうか。
「大人になりきってもいないし、子どもでもない年齢。でも、いましか表現できない微妙な感情とかが、アルバムの曲にも自然に出てきている気がします」(コウキ)
「この年齢で“少年”とあえて名乗りたいタイミングだったのかな。24~25なら絶対言わないだろうし、大人になって気づけたこともある。いまの俺たちを表現するには、ジャストな言葉だと思います」(レイジ)
6月には“最初で最後”という意味深なタイトルを掲げた初の日本武道館ワンマン公演が控える。このアルバムを武道館で鳴らしてくれる日が待ち遠しい。
8th ALBUM『BOY』【初回生産限定盤CD+DVD】¥3,800 10曲すべてが新曲で構成されたアルバム。DVDにはレコーディング・ドキュメンタリーを収録。2019年1月9日発売。【通常盤CD】¥3,300(ARIORA JAPAN)
オカモトズ 左から、ハマ・オカモト(B)、オカモトレイジ(D)、オカモトショウ(V)、オカモトコウキ(G)。中学校からの同級生で結成されたロックバンド。'19年にデビュー10周年を迎え、6月27日に日本武道館でキャリア初のワンマンライブを行う。
※『anan』2019年1月2・9日号より。写真・岡本 俊(まきうらオフィス) ヘア&メイク・高草木剛(Vanites) 取材、文・北條尚子
(by anan編集部)
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