お笑いコンビ・ちょんまげラーメンが“セルフ腸律メソッド”にトライ!
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腸律の基礎知識をお勉強!
お腹にガスが溜まってすぐおならをしたくなるというきむさんと、お腹が緩くなりがちという田渕さん。腸律師の小澤かおりさんによると、ふたりのお悩み解決には、腸律がぴったり。
「腸律とは、自ら動く腸を作るケアのこと。腸には消化・吸収、免疫など様々な働きがありますが、いずれも蠕動(ぜんどう)運動が欠かせません。お腹を優しくさする、深呼吸するなどの腸律を行うと、緊張がほぐれたり位置が整ったりして腸が緩まり、動きがスムーズになるんです」
蠕動運動とは、腸が内容物を肛門へと送るために行う収縮&弛緩運動のこと。
「蠕動運動が滞ると、腸の中で食べ物などが腐敗し、有害な物質やガスが発生。毒素が腸から全身に巡り、体調不良や肌荒れ、老化の進行など様々な不調が発生します。さらに、腸で作られる神経伝達物質セロトニンが減少。自律神経が乱れて不眠や免疫力の低下につながるのです」
ふたりの悩みも、背景には蠕動運動の停滞があるとのこと。
「きむさんは緊張しすぎて腸が硬くなっている状態。田渕さんは食生活が原因で、腸が動けなくなっているようです。腸律だけでなく根本にあるストレスや食生活の乱れを改善することも、心がけてくださいね」
セルフ腸律のメリット
1、不腸の真の原因を探れる
7500人以上のお腹を触ってきた小澤さんによると、お腹を触って硬いところを探ると、心や体の状態を知る手がかりになるそう。下記の“腸内時計”図を参考にして。
2、腸の働きそのものを改善
一般的な腸活は、腸内環境を整えて腸を健康にするもの。一方、腸律は腸そのものにアプローチする点が独特。腸が弱る根本原因を探して症状別に対処できるので、効果が出やすい。
3、心の安定にもつながる
腸には脳に次いでたくさんの神経細胞が存在していて、かつ自律神経を介して脳とつながっている。腸律で腸が元気になるとその情報が脳に伝わり、心のコンディションも安定するという。
まずは不腸の原因を知ろう!

お腹に描いた大きな時計と小さな時計が不腸に隠れた根本原因を教えてくれる。
「何千人ものお腹を触って気づいたのですが、心配事があるとここが硬い、頑固な人はここが硬いなど、ストレスの種類や性格が似ていると、お腹も同じ部分が硬くなる傾向にあります。まるで腸に表情があって、心や体の状態を伝えているみたい」(小澤さん)。その気づきから生まれたのが、上の“腸内時計”。腸律の第一歩は、大きな時計と小さな時計をそれぞれ6時から順に、手のひらで触れること。硬い場所を図と照らし合わせ、不腸の原因を探ろう。
【STEP1】キホンのセルフ腸律
蠕動運動が停滞した腸に起こる“落下腸”を防ぐ呼吸法。
ちょんまげラーメンも陥っている、蠕動運動の停滞。そのまま放置すると“落下腸”になる恐れがあると小澤さん。「“落下腸”とは、腸の中に溜まった内容物の重さで、腸全体が下がってしまうこと。放っておくとぽっこりお腹や排泄トラブル、女性ならではの不調にもつながりかねません。そこで、どんなお腹の悩みがある方にもおすすめしたいのが、落ちた腸を上げて位置を整える呼吸法。仕事の合間のリフレッシュにもおすすめです」
【STEP2】セルフ腸律をお悩み別に実践!
キホンのセルフ腸律を終えたら、よくある心身のお悩み別に腸をメンテナンス。お腹をさするときは、優しいタッチが原則。強く押すと、かえって腸が硬くなる恐れも。
お悩み:便秘・下痢
腸がこわばって動きが悪くなると、女性の場合なら便秘に、男性の場合なら下痢になりがち。そんなときは腸をユラユラ動かして、こわばりをほぐしてあげよう。
お悩み:ぽっこりお腹
蠕動運動が滞って内容物が溜まると、重みで腸の位置が下がり、下腹がぽっこりに。落ちた腸を元の位置に戻せば、膀胱や子宮が腸の圧から解放されて、頻尿や月経不順の改善にもつながる。
教えてくれた人
Profile
小澤かおり
腸律サロンセラピーエ代表、腸律師。介護福祉士として働くうち、腸のトラブルから認知症が進行することに気がつき、独学と専門家からの学びを得て「腸律」を確立。著書に、『セルフ腸律のススメ』(Gakken)がある。
実践した人
Profile

ちょんまげラーメン
2010年結成のお笑いコンビ。左・田渕章裕 1985年生まれ、兵庫県出身。右・きむ 1987年生まれ、大阪府出身。今年6月に改名。毎週水曜23時~『ちょんまげラーメンのラジオラーメン』(RKBラジオ)が放送中。
写真・川村将貴 スタイリスト・ダヨシ 取材、文・風間裕美子
anan2456号(2025年7月23日発売)より