
生活に取り入れやすく、おいしい腸活フードの代表格・ヨーグルト。細菌のプロから聞いた、改めて知りたいヨーグルトのすごさを紹介します。
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もはや常識のようで、知られていない!? ヨーグルトが腸にやっぱりいいワケ
菌の力で腸を動かし、おなかすっきり。
“ヨーグルトは腸にいい”とよく聞くけれど、具体的にはどんなところがいいのだろう。
「腸内環境を改善するには、腸をしっかり動かし、便通をよくすることが大切です。そんな蠕動(ぜんどう)運動のエネルギー源となるのが『短鎖脂肪酸』という成分。これを腸内でつくるには、乳酸菌とビフィズス菌が必要で、共に摂りやすい食品の代表格がヨーグルトです。とくにビフィズス菌はほかの食品から摂ることが難しく、その意味でもヨーグルトは腸活に有効といえます」(薬学博士・國澤純さん)
ヨーグルトのすごいポイントは、ほかにもまだある!
「最近のアメリカの研究で、ヨーグルトなどの発酵食品にはメタボ改善など減量効果があることがわかりました。また、ヨーグルトの上澄みにあたるホエイにも、ビタミンやミネラルが豊富で美肌効果が期待できます」
POINT1
蠕動運動を促す「短鎖脂肪酸」をつくり出す。
POINT2
メタボ改善やBMI減少などの健康効果もあり。
POINT3
美肌に有効な栄養素・ビタミン、ミネラルが豊富。
ヨーグルトのホント
ヨーグルトの食べ方で、よかれと思っていたことが、実は誤りというケースも? 意外なホントに要注目。
ホントその1:ヨーグルトを食べるベストタイミングは食後

その理由は、胃酸との関係。「乳酸菌とビフィズス菌は、酸に対して弱くはないのですが、空腹で胃酸がたくさん出ている時は、さすがに過酷な状況に。何か食べて胃酸を薄めてからのほうが、菌が生きたまま腸に届きやすい」
ホントその2:菌はローテーションで入れ替えるべし

「同じヨーグルトを食べ続けると、腸の中でその菌と相性のいい菌ばかりが増えてしまう。腸内環境を整えるには、多種多様な菌を増やすことが大切なので、同じヨーグルトはNG。4日に一度など、定期的に替えましょう」
ホントその3:腸を“休ませる”ことも時には必要

腸活はストイックになりすぎないように! 「おなかの調子が悪いと、もっと腸活をしなければと思いがちですが、ちょっと待って。菌が増えすぎておなかを壊すこともあります。腸をいったん休ませることも大切です」
ホントその4:固形? 液体? 目的別に摂ろう

どちらの形状でも効果は同様。「固形のヨーグルトがあまり好きではないならドリンクにするなど、摂りやすさで選んでOKです。また、酸っぱい・甘いといった味の違いも効果に影響しないので、お好みで選びましょう」
ホントその5:毎日食べなきゃという思い込みを捨てる

“菌はローテーション”に通じる考え方。「ヨーグルトの種類を替えるのはもちろん、今日はヨーグルトで明日は納豆など、摂取する発酵食品自体も替えると腸内細菌のバリエーションはより豊かに。“ばっかり食べ”は禁物」
Profile
國澤 純
薬学博士。国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 副所長やヘルス・メディカル微生物研究センター センター長を兼任。著書多数。
anan 2456号(2025年7月23日発売)より