フライト中に経血が“伝い漏れ”したことも。
元CA芸人として注目を集めるCRAZY COCOさんは、CAになる前に商社に勤務していた過去を持つ。そこで働いていた23歳の頃、子宮内膜症と診断された。
「デスクワーク中に、拳で下腹部を突き上げられるような強烈な痛みを感じたんです。しばらく痛み止めを飲んでやり過ごしていたんですが、同僚の女の子が『それ、子宮内膜症じゃない?』って」
婦人科を受診し、ピルを飲み始めたら、痛みもおさまったそう。
「自分が病気になるわけがないっていう根拠のない自信があったし、それまでは子宮内膜症という病名すら知らなかった。自分の“体”に対して、過剰な自信は禁物だと痛感しましたね」
27歳の頃、外資系航空のCAに転身し、同社の本拠地であるドバイに引っ越すことに。日本の病院への通院が難しくなり、ピルの服用もやめ、再び痛み止めでやり過ごすようになった。
「生理中のフライトは本当にキツイ。なかなかナプキンを取り換えるタイミングがない上に、海外の生理用品は日本のものにくらべて吸収力が悪いので、漏れてきちゃう。経血が漏れて脚を伝ってきていたことに気づかず、マダムのお客様に『あなた、血がついてるわよ』と声を掛けられて、顔面蒼白でトイレに駆け込んだことも」
この頃からホルモンバランスの変化にも悩まされていたそうだ。
「生理前に気分が落ち込んで鬱っぽい感じになることがあって。その時は気圧の変化のせいなんて思っていたんですが、いま思うとPMSだったんですよね。ただ、救いだったのは、CAは周囲に女性が多い職場なので生理でつらい時、同僚に打ち明けやすかったこと。男性の同僚も『その分、今日は僕がやるから、座って休んでいていいよ』と言ってくれるのが、当たり前の環境でした」
芸人に転身後もPMSによる不調は続いており、生理前はいまいちテンションが上がらなかったり、集中力の低下からトーク中に噛んでしまうこともあるという。
「だから、レギュラーで出演しているラジオ番組のスタッフには『今日はPMSなんで』って自分から説明したんですよ。スタッフは男性ばかりなので最初はすこし驚いたようですが、『僕らはPMSのつらさを理解することはできないけれど、COCOさんが本調子じゃない理由がわかって安心した』と言ってくれて。言い訳していると思われたくなかったのでかなり迷ったけど、いつも一緒に働く相手だからこそ伝えておいたほうがいいなって。オープンにしたことで互いに妙な気遣いが減り、やりやすくなりました」
忙しい日々の中でも睡眠時間を確保するようにしているCOCOさん。パフォーマンスを高めるためには休むことが大事だと語る。
「疲れていると感じたら、部屋を真っ暗にしてお気に入りのキャンドルを灯し、大好きなチョコレートを食べると復活できます。フェムケア用品の中では、腟内洗浄用の小型ポンプがお気に入り。生理の終わりかけの時に使うと腟内に残った経血を洗い流せてデリケートゾーンもスッキリします。日頃からいろいろなグッズやリラックス法を試して合うものを見つけておくことも、自分をいたわる上で大事なことだと思っています」
クレイジー・ココ 1986年生まれ、大阪府出身。客室乗務員を経て、芸人に。現在『SCHOOL OF LOCK!』(TOKYO FM)でパーソナリティを務める。著書に『元CA芸人 CRAZY COCOの夢へのフライト直行便』(ヨシモトブックス)。
ニット¥5,500 パンツ¥6,600(共にOPAQUE.CLIP TEL:03・6851・4604) その他はスタイリスト私物
※『anan』2024年3月20日号より。写真・中島慶子 スタイリスト・岡安幸代 取材、文・音部美穂
(by anan編集部)