毎日のフェムトレで健康も美も叶えられる。
フィットネスプロデューサーのAYAさんがいま注目しているという“フェムトレ=腟トレ”。そのきっかけやフェムトレの大切さ、人知れず悩んだ女性特有の症状との向き合い方など、心を軽くするためのヒントを教えてもらった。
「日頃からトレーニングすることの楽しさや運動することの大切さについて発信していますが、『運動したくてもできないんです』という声が寄せられたことがあって。体力不足とか時間がないという理由なのかなと思ったんですが、“走ったりジャンプしたりすると尿漏れするから”と聞いて驚きました。それも10~20代の若い女性たちから。尿漏れは骨盤底筋が弱っていることで起こりますが、私自身、もっと上の年代の方や出産後の女性が経験するものという認識だったので、こんな若い子たちが悩んでいるなんて想像もつきませんでした。私がいくらトレーニングを頑張ろうと言ったところで、その前に運動するための体ができていない。運動以前の問題で悩んでいる人たちをなんとか救いたいと思って、運動が苦手な人でも骨盤底筋を鍛えられるフェムトレに取り組み始めました」
外側の筋肉を鍛えるためのハードな動きはないので誰でも取り組みやすいが、“伝える”という意味では難しさを実感したそう。
「骨盤底筋は骨盤の下にあり、臓器を支えている大事な筋肉です。外側の筋肉を鍛えても骨盤底筋が鍛えられるものではないので、個別にトレーニングしないといけないし、肩やお腹にある目に見える筋肉と違って、触れたり見たりできない場所にあるので、イメージで鍛えていく難しさもありました。腟を締めて、腟から頭のてっぺんまで紐で引き上げるように意識してもらうとやりやすいかなと思います。大切なのは、毎日3分でいいから続けていくこと。いま悩みがない方はすぐにピンとこないかもしれませんが、運動習慣がなくて座りっぱなしの生活が続くと、どんどん骨盤底筋が緩んでしまうので、将来に備えて予防という意味合いでも役立つし、現在リアルに悩んでいる人は骨盤底筋が鍛えられて、尿漏れの改善に。しかも、腟は第二の顔と海外では呼ばれているくらい美肌とも関わりがある大切な部分。腟まわりをケアすると、お顔の肌の状態もぐんと上がったりするんですよ」
いつも溌剌とした印象のAYAさんだが、その笑顔の裏では女性特有の不調に悩んできた過去が。
「私は何もできなくなるほど生理痛がひどいタイプで、以前は痛み止めを飲んでなんとか生活をしていました。運動なんてもってのほかという痛みなのに、あるとき生理とスポーツのテレビ番組の収録が重なってしまったことがあって、本当に辛かったです。誰にも相談できないし、でも笑顔でいなきゃいけないし…。痛みを薬でおさえて我慢して乗り切ったんですが、このままじゃダメだと思ってやっと婦人科へ。ピルを処方されて飲み始めると、経血量も減って生理の痛みから解放されました。それからは仕事のパフォーマンスも体調に左右されることなく安定しているし、なんで昔からやらなかったんだろうって思うくらい、ピルに出合えてよかったです。同じように悩んでいる方は、一度婦人科で相談してみてほしいですね」
アヤ 1984年生まれ、兵庫県出身。膣プランナーの山口明美さんとの共著『AYA×ちつ姉 最高のフェムトレ』(ワン・パブリッシング)が発売中。フィットライフジム「Feelin'Good」を虎ノ門にオープン。
※『anan』2024年1月24日号より。写真・水野昭子 ヘア&メイク・福川雅顕 取材、文・岡井美絹子
(by anan編集部)