男女ともに、お互いの体の仕組みや悩みを学ぶことが大切。
ポッドキャスト『ハダカベヤ』は、IMALUさんが友人らと体や性の悩みについて語り合う番組。率直なトーク内容が支持されているが、発信を始めたきっかけは?
「30歳を迎える頃に“子供は欲しいの?”と聞かれることが増えたのですが、その時に自分が女性の体の仕組みを理解していないことに気づいて。知識のなさを実感する中、学生時代の性教育に対して疑問が生じたんです。振り返ると、高校の頃に留学していたカナダではみんながピルを飲んでいることをオープンに話していたのに、日本ではピルに対していまだに偏見がありますよね。そもそも、人前でそういった話をしづらいこと自体もおかしいなって。友人とその話をしたところ、生理やデリケートゾーンの話を共有できる場を作ろうという展開に。最初はクラブハウスで気軽に話し始めたのですが、反応をいただく中で本格的に番組としてスタートしました」
最初は“フェムテック”という言葉も知らなかったと言うが、開始から2年ほど経った今は知識量が増えて変化を感じているそう。
「周りからの反響も増えましたし、私自身もよりオープンになりましたね。以前はセックスやマスターベーションなどの話はしづらかったけれど、産婦人科の先生などのお話を聞く中で、性欲を満たすことも大切だと学び、話題にすることを恥ずかしいとは思わなくなりました。フェムケアアイテムに関しても、自分が吸水ショーツのおかげで生理期間が劇的に快適になったので、友達へのギフトを買う際に意識的に選ぶように。デリケートゾーンケア製品なども自分で買うにはやや高価なものも多いので、ギフトをきっかけに興味を持ってもらえたら嬉しいですね」
生理時の悩みを尋ねてみると、10代の頃は周期が不順で経血量も多かったが、現在は生理痛以外の症状は比較的安定しているという。
「漢方や温活も試しましたが、昨年の夏に生活を東京と奄美大島の2拠点に変えてストレスが軽減されたことが大きいかも。コロナ禍で自炊を始めたことも、いい影響を及ぼしている気がします」
症状が重い日は、パートナーに不調を伝えてサポートを頼むようにしているのだとか。
「彼からすると“自分ごと”ではないのでフェムケアに関心はあまりなさそうですが、生理前のイライラも事前に言うようにしたら、気遣ってくれるように。考えてみると私たちも男性の体や悩みをよく知らないじゃないですか。不妊などの問題も片方だけが原因とは限らないので、今後は男女がお互いの体について学んでいくことが必要なのかなとも感じています」
『ハダカベヤ』のトークも男性を含めて幅広いジェンダーの人に聞いてもらえる内容を心がけている、と語るIMALUさんが今後発信していきたいこととは?
「番組にはいろんな方の声が届くのですが、人によって悩みがまったく異なるんです。一人で抱え込まずにどんどん対話することが大切だからこそ、今後はイベントなども開催して話せる場を広げていきたいですね。そして、小さい子供向けの性教育も課題のひとつ。子供の頃から性や体について学ぶことはその子たちの未来を守ることに繋がると思うので、何かしら力になれたらと考えています」
イマル 1989年9月19日生まれ、東京都出身。タレントとして活動中。体の悩みのほか、恋愛や同性婚など幅広いテーマでトークするポッドキャスト番組『ハダカベヤ』(毎週土曜18時更新)が話題。
※『anan』2023年4月12日号より。写真・中島慶子 スタイリスト・コギソマナ(io) 取材、文・真島絵麻里
(by anan編集部)