
スーパーフードとして知られ、美容マニアも大注目のブルーベリー。日本でも関東地方を中心に栽培され、近年注目が高まっていますが、その本場は、実は北米! 7月〜8月はその収穫時期ということで、普段からおやつに冷凍ブルーベリーをそのまま食べるほどブルーベリーLOVERなanan編集部員が生産量最大産地の一つであるカナダへ。現地での収穫&リトリート体験をレポートします。
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美容&ヘルスケアコンシャス必見♡ ブルーベリーはスーパーフード!
昨今、日本ではアサイーブームが続いていますが、そんな美容やヘルスケアに関心が高い人にぜひ注目してほしいのが、ブルーベリー。冷凍ブルーベリーは1年中日本のスーパーマーケットやコンビニで販売されており、よく見かける人も多いのではないでしょうか。
実は、カナダでブルーベリーは“スーパーフード”として認知されているほど健康にいいとされるフルーツ。豊富に含まれるアントシアニンには抗酸化作用があり、体内の細胞を傷つける活性酸素を除去。免疫力を高めたり、脳の健康にも役立ったりと、日々忙しい生活を送る現代人にフィット。お肌の調子を整えてくれたりと、美容面でも心強い存在です。また、食物繊維も豊富で、腸活にもピッタリ。“ブルーベリーは目にいいだけ”ではないんです!
ブルーベリーの名産地・カナダのバンクーバーってどんなところ?
8月前半のとある日、ブルーベリーの産地を訪れるためバンクーバー国際空港に降り立ちました。カナダ西海岸のブリティッシュコロンビア州(以下、B.C.地区)は山々、海などの自然と街が美しく調和するのが特徴。
島が丸ごと公園になっていてサイクリングやランニングなどが楽しめる「スタンレーパーク」、マーケットや雑貨店がひしめき、ショッピングにぴったりの「グランビルアイランド」、バンクーバーの昔ながらの街並みを満喫できる「ガスタウン」などの観光スポットもあり、リトリート旅にもぴったりの都市です。
いざ、雄大な自然に包まれた、シルバーバレーファーム社の農園へ!
今回、ブルーベリー農園を案内してくれたのは、北米ブルーベリー生産の最大手の「シルバーバレーファーム」。今回はバンクーバー国際空港から車で40分ほどの、美しく雄大な自然に囲まれたコキットラムの農園を訪れました。

奥に見えるゴールデンイヤーマウンテンからフレーザーバレーを流れる水で生育されているブルーベリーの木々。
到着してまず驚いたのは、目的のエリアに辿り着くため、農園の中も車で移動するほどの広大さ。シルバーバレーファームはB.C.地区全体で6つの畑を持ち、自社農園・契約農家を含めるとその面積は2300エーカー(約9.3平方km)、東京ドームに換算するとなんと200個分! 想像するのも難しいほどの広さです。この膨大な量のブルーベリーの実を、最も美味しい2か月の間に収穫するため、天候や生育状態を見ながら、この時期は休みなく収穫にあたるそう。
北米がブルーベリーの生育に適しているのは、昼は気温が上がって暑くなり、日が沈むとともに肌寒くなる気候に加え、山脈からの雪解け水の水質が良いおかげ。甘味と風味が閉じ込められ、ぎゅっと味がしまるのです。ちなみに、シルバーバレーファームで栽培されているブルーベリーの糖度は、液体の糖度を表すBRIX値が10〜14で、日本のミニトマト、もしくはそれ以上の甘さだそう!
レイ社長に勧められ、さっそくブルーベリーをいただくことに。口に放り込むと、皮がパリッと弾けたあと、優しい甘みと酸味がバランスよく広がります。皮の硬さも、甘みと酸味のバランス感も、木によってさまざま。「同じ品種でも、木が違うとこんなにも風味が違うのか!」という発見がありました。フレッシュな味わいを口が求めて、気づけば何個も食べてしまうほど、美味しい〜!
レイ社長に勧められ、さっそくブルーベリーをいただくことに。口に放り込むと、皮がパリッと弾けたあと、優しい甘みと酸味がバランスよく広がります。皮の硬さも、甘みと酸味のバランス感も、木によってさまざま。「同じ品種でも、木が違うとこんなにも風味が違うのか!」という発見がありました。フレッシュな味わいを口が求めて、気づけば何個も食べてしまうほど、美味しい〜!
さらに驚いたのが、ブルーベリーの品種について。日本のスーパーマーケットを思い出すと、リンゴやイチゴは品種が打ち出されていますが、ブルーベリーは“ブルーベリー”としか書かれていない…。
実はこれ、たとえ品種が同じでも、栽培された土地や気候によってまったく風味が異なるという、ブルーベリーの特性がゆえのこと。少しワインに近いかもしれません。実際に売られるときには表に出ないものの、品種自体は100種類を超えるんだとか! シルバーバレーファーム内では品種ごとにエリアを区切って栽培されています。
ちなみに、遺伝子組み換えはしない形で常に新しい品種の研究もしていて、現在はカナダの政府機関主導のB.C.地区の品種開発プログラムにも協力しているそう。

エリアを区切って、しっかり管理。

小さい苗も生育中。苗を植えて3年目くらいから収穫が可能に。
前述の特性から、品種を確認して購入することはできませんが…よく日本で冷凍ブルーベリーとして販売されている2つの品種をチェック!
- デューク…皮がパリッとしていて甘みが特徴。一粒に食べ応えがある、フルーツ感のある品種です。1980年代ごろから栽培されていて、生育はそんなに早くないものの、大きく育ち、一本の枝にたくさん実がつくのが特徴。
- ブルークロップ…デュークと比べると口の中に甘みが広がり、皮も柔らかめ。冷凍でも生でも美味しく、1950年代ごろから栽培されている古株の品種。
収穫真っ盛り! 機械も導入して、フレッシュなタイミングで収穫を
畑の中に、大きな黄色い機械を発見! これはハーベスティングマシーンと呼ばれる収穫機。冷凍ブルーベリーの90%は機械を用いて収穫を行うのだそう。こちらの収穫機に乗車させていただきました。

迫力のあるハーベスティングマシーン。

見学した畑の全長は約400メートル。この距離を15〜20分で走ります。
ハーベスティングマシーンは木を揺らしてブルーベリーの実を落とし、ベルトコンベアーで機械の2階にセットしたコンテナに自動で運ぶという仕組み。同じ木でも成熟した実とまだ時間がかかる実があるため、日程をずらしてなんと3回も機械を通すそう。これをすべての畑で行うのだから、生育状態の見極めは本当に大変。一番いい状態で収穫するための努力に感動…!

木を揺らしてブルーベリーを落下させる。

どんどんブルーベリーが溜まっていく! 片道でコンテナ3つほどを収穫。
新鮮なうちに急速冷凍! 普段は見られない工場へ潜入
ハーベスティングマシーンで収穫されたブルーベリーの90%は冷凍加工され、カナダとアジア全域へ、手摘みで収穫されたブルーベリーの90%は生鮮としてフレッシュな状態でカナダや日本、韓国、インドネシアなどへ輸出されます。日本では、成城石井などの店舗で販売されているのだとか。
そしていざ、冷凍加工工場へ。まるで冷蔵庫の中のような涼しさです。
冷凍加工は衛生面を考慮し、ほぼすべてが全自動。目視での品質チェック後、洗浄などを終えたら最新の冷凍技術を用いた「IQFトンネル」の中で水蒸気を吹きかけ、約12分で急速冷凍! パッと見、じゃぶじゃぶと水の中を浮いているように見えますが、実は上下から水蒸気を吹きかけて冷凍中。通常の冷凍方法では、解凍した時に水分でベチャベチャになってしまいますが、IQFを使うとそうしたことが起きず、栄養も逃さず冷凍することができるのです。
ちなみに洗浄〜冷凍、箱に詰められるまでは30分という短さ。あっという間です!
バンクーバーで気づいた、ブルーベリーのポテンシャルの高さ
カナダではマフィンやサラダ、パイ、スムージーにお肉のソース…と、さまざまな料理にブルーベリーが活用されています。旬の今の時期、カフェやレストランに行けば「Seasonal」として、フレッシュなブルーベリーを用いたフードもたくさん。
正直、ブルーベリーというとジャムやヨーグルトの印象が強く、時々スムージーやマフィンに使われているのを見かけるものの、それ以外の食べ方はあまり思い浮かばない…。そう思っていたので、バンクーバーでこれほどブルーベリーが生活の中に根づき、料理にも色々と使われていることに衝撃を受けたと同時に、国民的フルーツであることを実感しました。

「サーモンバノック」でいただいたサラダ。フレッシュなブルーベリーが使われている。

「ホワイトスポット」でこの時期だけ味わえるフレッシュブルーベリーがふんだんに乗ったパイとミルクシェイク。ミルクシェイクは冷凍ブルーベリーを使用。
日本で生鮮のブルーベリーをスーパーで見かけるのは夏の短い期間ですが、冷凍ブルーベリーはどこのスーパーマーケットでも当たり前に販売されている商品。私自身、ヨーグルトに入れて食べる、くらいしか冷凍ブルーベリーのレパートリーがなかったのですが、今後は美容にも健康にもいいブルーベリーをいろいろな料理に使ってみたいと思いました。ブルーベリーのポテンシャルは無限大。ぜひみなさんも様々な料理に活用してみてくださいね♡