語学力
Q、語学力は、渡航前にどの程度必要なの?
A、さほど気にしなくても大丈夫です。
生活面を考えると語学力はあるに越したことはないが、語学学校に留学するのであれば、あまり気にしなくてもOK。「語学学校への入学は、初級者レベルからトライ可能。ただ、現地で資格取得や就労を希望するなら、ある程度のレベルまで習得しておくのが理想です」(留学メディアなどを運営する若松千枝加さん)
Q、渡航前に準備しておくといいことはありますか?
A、自己紹介や日本文化を伝える練習を。
「留学中は自己紹介をする機会が多い。留学前にしっかり文章をつくって暗記しておくと助けられるはず」(留学・キャリアコンサルタントの本橋幸夫さん)。「海外の人は日本に興味を持っています。関東関西の食文化やメンタリティの違い、アニメや漫画など、日本文化を紹介できると話が弾みやすいです」(若松さん)
Q、語学学校も、テストに合格しないと入れない場合があるの?
A、入学試験は基本ありません。
語学学校では事前にクラス分けのテストを実施するケースはあるが、基本的に入学試験はない。「自分のレベルに合ったクラスで学ぶことになるので授業についていけないことはないはず。大学や専門学校の場合はTOEFL(R)などで語学力を証明するのが一般的です」(若松さん)
お金
Q、anan世代の働く女性の平均的な予算&渡航期間を教えて!
A、超短期か長期の二極化傾向。
「渡航期間は社会人の場合、1週間くらいの超短期を頻繁に行く人、あるいは会社を辞めて1年以上行く人が増えています」(若松さん)。予算は期間や渡航先によって変わるため左の表を参考に。
一般的な予算別留学プラン
- カナダ(4週間):35~50万円
- オーストラリア(12週間):90~130万円
- ニュージーランド(24週間):160~200万円
金額は、学費と滞在費を合わせた目安の額。これに往復の飛行機代をプラスして見積もりを。現地でアルバイトをしないなら余裕を持った額を用意しよう。
ワーキングホリデーのリアル事情
Q、ワーキングホリデーと留学って何が違うの?
A、主にビザの種類と目的が違います。
「まずビザの種類が違い、留学は学ぶのが目的、ワーキングホリデーは現地に滞在して交流するのが目的でアルバイトも可能。またワーキングホリデーは18~30歳までの年齢制限がある国が一般的です」(若松さん)
Q、本当に現地に行ってから仕事は探せるの?
A、現地の情報サイトやSNSで探す人も。
「国ごとの求人情報が掲載されたFacebookやSNSで探す人が増えています。語学力に自信がある人は働きたい店などに履歴書を持っていくのも手。最終手段として日本食レストランやラーメン店も」(本橋さん)
Q、「ワーキングホリデービザ」の発給条件は厳しいの?
A、申請時期と定員には注意して。
「発給自体は日本で健康に暮らしていれば基本的に心配いりませんが、受付可能な申請時期と定員は必ず確認を。例えば人気のカナダは毎年秋くらいには定員に。よく調べて早めに動きましょう」(若松さん)
Q、ワーキングホリデーで行ける国は限られているの?
A、現在は協定国が32か国あります。
「日本と協定を結んだ国に、1年かそれ以上滞在できるワーキングホリデー制度。現在、協定に調印している国は32か国(※)。また、就労は義務ではありません」(若松さん)
※ワーキングホリデーの名称ではないが同様の制度を持つ国、調印後実施待ちの国を含む
Q、語学力や専門的なスキルがなくても働けるの?
A、働ける場所は限られます。
「語学力やスキルを必要としない仕事は、人手不足の農園やホテルのハウスキーピングなど限定的。会話をせずに働くのは味気ないし、雇用契約で足元を見られないためにも語学力は必要です」(若松さん)
人気2大国のワーキングホリデービザを比較
カナダ
- 定員:6500人
- 滞在期間:12か月まで
- 就学期間:6か月まで
- 就労制限:なし
- 必要な資金証明:C$2500(約28万円)以上+往復の航空券代
オーストラリア
- 定員:なし
- 滞在期間:12か月まで
- 就学期間:4か月まで
- 就労制限:基本的に同一雇用主の下で6か月まで
- 必要な資金証明:AU$5000(約50万円)以上+往復の航空券代
※1C$=約112円、1AU$=約99円(4月22日現在)
若松千枝加さん 女性向けの留学ウェブマガジン「女子Ryu」、ニュースサイト「留学プレス」の運営など、留学関連の事業を行う企業の代表。留学やワーキングホリデーの普及に尽力している。
本橋幸夫さん 留学コンサルティング会社代表。留学生の就職・キャリア教育の重要性に着目し、国内初の留学・キャリアコンサルタントとして活動。著書に『留学帰国者の就活』(本の泉社)。
※『anan』2024年5月22日号より。イラスト・佐藤拓人 取材、文・熊坂麻美
(by anan編集部)