まばたきも忘れてスマホに過集中。近い距離での使用がリスクのもと。スマホ老眼とは?
スマホ画面を見続けると老眼になる恐れが!?
一般的な老眼は、加齢により近くのものに上手くピントが合わせられなくなる。それと似た症状が若者の間で増えていると、眼科専門医の綾木雅彦先生は指摘する。
「その一因としてあげられるのが、スマホの長時間使用です。スマホ画面を見続けるには、至近距離で小さな画面にピントをずっと合わせておかねばならず、ピント調節機能を担う“毛様体筋”の動きが悪くなります。長時間操作によって、こうした老眼傾向が若い人の中で顕著に増えました」
スマホ老眼の原因に、画面と目の近さが大きく関係している。
「画面と目は40cm以上、指先から肘までの長さぶん離し、下向きで見るのが理想です。しかし、座ってスマホを使う時は平均20cm、寝転んだ姿勢では平均16cmとさらに近くなります。眼精疲労やドライアイのまま物を見ようとすると目に余計な負荷がかかり老眼を加速させますが、スマホはこれらを引き起こすブルーライトを発しています。ブルーライトは日光にも含まれており、至近距離でスマホを見ることは、目を日焼けさせているようなもの。ブルーライトカットのメガネをかけるのも一策ですが、効果には個人差があります」
また、画面に集中してまばたきが減るのもスマホ使用の問題点。
「スマホ使用中はまばたきの回数が通常の3分の1まで減る人も。若い人は網膜が厚く、薄い年配者よりも目が疲れやすいので、意識的にまばたきをしましょう」
CHECK!
□ベッドや布団、ソファで寝転んだ状態でスマホを操作することが多い。
□スマホを使う時の目と画面の距離は20cmくらいだと思う。
□スマホやPCの画面を目より上にして見ていることがある。
□スマホでの動画視聴やゲーム操作を1時間以上連続して行うことが多い。
□スマホに夢中でまばたきを忘れがちになる。
※1つでも当てはまった方はスマホ老眼のリスクが高い可能性あり!
予防METHOD
1秒のまばたきが大事な回復タイム。
まばたきは、目の表面に適度な潤いを与え、整える重要な役割がある。「思い出したら、上まぶたと下まぶたがしっかりくっついたと意識できるくらい、0.5~1秒かけてゆっくりとまばたきを行ってください。現代人のまばたきの平均は0.3秒ですので、いつもよりも少し長めを心掛けましょう。ギュッと力む必要はありません」
遠近を交互に見て目をストレッチ。
近くばかり見続けると、ピント調節をする毛様体筋の疲労を招いてしまう。そこで取り入れたいのが、近くと遠くを交互に見る“目ほぐし”。「目から約30cm離した親指の指先を1~2秒見た後、6m以上遠くを1~2秒見ます。これを20回繰り返しましょう。電車内など指を出せない場所では、スマホと窓の外の景色を交互に見てもOK」
anan recommend! 予防ITEM
眼科医と共同開発した目元専用クレンジング。
まつ毛や目元にメイクや皮脂、花粉などが残っていると、ドライアイのリスクが高まる。そこで新たな習慣にしたいのが、目元専用のクレンジング。涙に近い弱アルカリ性と塩分濃度で目に優しい。アイシャンプーロング 60ml ¥2,200(MediProduct TEL:03・6456・4019)
ブルーライトから守る機能性表示食品。
このサプリに含まれるルテインとゼアキサンチンは、目の調子を整える成分。網膜の中心にある黄斑部の色素密度を上げることで、光の刺激をやわらげ、コントラストに対する感度を改善する。ルテインPRO 31粒(約1か月分)¥3,000(わかさ生活 TEL:0120・132・061)
綾木雅彦先生 眼科専門医。今年3月まで慶應義塾大学医学部眼科学教室特任准教授を務めた。おおたけ眼科院長として地域医療を担い、ブルーライト研究の第一人者としても知られる。著書に『視力防衛生活』(サンマーク出版)。
※『anan』2023年5月3日‐10日合併号より。イラスト・のいぷらこ 取材、文・小泉咲子
(by anan編集部)