水晶玉子さんが読み解く、2025年開運キーワード。
【開運キーワード1】乙巳(きのとみ)
社会の変化が急速に広まる年。周りに流されず、自分で考え判断を。
十干(じっかん)と十二支を合わせて60の周期で循環する「干支(かんし)」によると、2025年は「乙巳」。十干の2番目の「乙」と、十二支の6番目にあたる「巳」の組み合わせになります。乙は、陰陽五行思想では「木の陰の気」で、草原の草花のように横に広がるイメージを持ちます。巳は蛇を意味し、脱皮を繰り返して成長することから「再生と変化」を示します。だから、社会をガラッと変えるようなことが、一気に広がる年になりそうです。
’24年の干支は「甲辰(きのえたつ)」で、運気の新たな10年サイクルの始まりとされる年でした。昨年を振り返ってみると、アメリカ大統領選挙でトランプ氏が圧勝したり、日本の衆議院選挙でも与党の議席が過半数割れしたりと、人々の気持ちはすでに、変化を求めて動いていると気づかされることが起きました。それが今年、乙が象徴する草原のように物事が横へ広がり、巳も勢いよく燃え広がる「火の気」を持つことから、新しい制度ができたり、私たちの生活に何かしらの影響を与えたりと、社会の変化が目に見える形で一気に浸透し、現実化していくことになるでしょう。
そんな大きな変化を実感しやすい時期だからこそ注意すべきことは、「周りに流されない」こと。西洋占星術では6月10日までは、幸運と拡大の星と呼ばれる木星が、コミュニケーションを象徴する双子座に滞在しているため、過剰な情報やフェイクニュースなどに惑わされることもあるかもしれません。しかし、違和感を覚えたり、疑問を感じた時は、一度立ち止まって考えてみることです。
「長い物には巻かれろ」ということわざがありますが、今の時代、巻かれすぎてばかりいたら自分らしく生きられずに辛くなるだけ。乙が持つ「木の気」は、風に揺られながらも大地に根を張り、自分や大事なものを守る行動が成長や発展に繋がるとされています。現実や社会の変化に合わせて不確実な情報が錯綜し、判断に迷うことも多いかもしれません。しかしこれからの時代を生き抜くために、そして自分を守るために、自分で考え、正しく物事を判断する術を養うことが、運を大きく拓くことに繋がるでしょう。
【開運キーワード2】巳(み)
経済が動く年。お金に対する意識を高めて、運気アップを。
十二支の「巳」は、古くから金運を司る神様で、富や幸福、技芸での成功などを表します。前回の巳年、12年前の2013年は「アベノミクス」が本格始動するなど、巳年には経済が動くような出来事が起こりやすいといわれています。
今年はどんな経済情勢になるかはわかりませんが、キャッシュレス化により様々な決済方法が広がったり、暗号資産やポイ活、NISAなど投資や資産形成の選択肢が増えたりと、ここ数年で生まれたお金に関する変化が今年しっかりと根付き、私たちの生活に一層定着しそうです。
ひと昔前は、投資=怖いというイメージがありましたが、「攻撃は最大の防御」ともいわれるように、これからの時代は積極的にお金を動かしていくことが、未来の自分を守ることに繋がります。だからこそ、お金と関わりが深い巳年のこの一年は、経済の動向にも注目しつつ、もっと身近にある自分のお金に対する意識を高めていく必要があります。モノの価値は千差万別です。自分は何に価値を感じるのか、どのようにお金を使ったり貯めていきたいのか、数ある選択肢の中から自分に合ったものを選んで実践していくことで、お金回りが良くなります。それがきっかけでターニングポイントが訪れたり、人生を切り拓くチャンスを引き寄せやすくなるでしょう。
【開運キーワード3】柳宿(りゅうしゅく)
しなやかさを身につけて。専門性を深めれば、新たな展望が。
平安時代に空海が中国からお経の形で日本に持ち帰った、月の動きを基にした「宿曜経(すくようきょう)」をベースに、インド占星術をミックスしたオリエンタル占星術によると、’25年は「柳宿」の年になります。細く長い枝葉をしなやかに揺らす柳の木。その細かく枝分かれした柳に象徴されるのが「専門性」です。ニッチな分野やマニアックな趣味など、自分が熱中できることを突き詰めていくと、良い結果が表れ始める年になります。
専門性を深めるというと、とてつもなくハードルが高いことのように感じる方も少なくないと思いますが、実は珍しいコレクション品を集めている、まだメジャーではないけれど自分だけの推しがあるなど、まだまだ趣味や特技と呼べなくても、ハマっていることで全然構いません。周りには理解されないかもしれないけれど、自分にとってスペシャルだと感じているものを追求したり、世の中に発信していくと、新たな展望が開ける年になるでしょう。それがこの先も自分を楽しく幸せにしてくれる宝物となり、どんなことが起きても心を癒してくれるため、健やかに生きられるようになるはず。
柳宿の年は、柳のように価値観が揺れ動くような出来事がたくさん起こるかもしれません。しかし「柳に雪折れなし」ということわざ通り、柔軟さやしなやかさを身につけることで、様々な変化や苦難も乗り越えて、大きく前進できる年でもあります。
それは柳だけでなく、「乙」が表す嵐が来てもしなってやり過ごす草花や、にょろにょろと長くて柔らかい「巳」(蛇)にも通ずることで、’25年は「柔軟性」や「しなやかさ」が開運行動の最大のポイントになります。「柔よく剛を制す」といわれるように、常識やルールばかりにとらわれず、しなやかな考えを持って臨機応変に対応できる、軽やかさと自由さを持ち合わせているほうが、実は逞しい。それが激動の時代を生き抜いていくために、自分を支える強い軸になるかもしれません。
【開運キーワード4】二黒土星(じこくどせい)
どんなことが起ころうとも平常心で。ポジティブ思考が運気を上げる!
9つの星から成り立つ古代中国の占術を基にした「九星気学」によると’25年は「二黒土星」。この星は土の性質を持ち、身近なところを安定させる年になってくるので、地に足をつけた堅実な生活を送ることが大切になってきます。
’25年は、社会がガラッと変わっていく年だからこそ、それとは裏腹に、私たちの気持ちはどこか平和や穏やかさを求める気持ちが強くなるかもしれません。それだけに、何があっても極端に振れないことも大事。例えば投資をするにしても、「いい!」と思ったことにすべてをつぎ込むのではなく、リスクと可能性を分散させるような慎重さ、堅実さも必要です。そして、どんな変化もポジティブに捉えるような心持ちでいられれば、平常心を保ったまま楽しい一年が過ごせるでしょう。
話は少し変わりますが今世間では、7月5日に天変地異が起こるとの予言めいた説がまことしやかに囁かれています。それを信じるか信じないかは置いておいて、そういうことに心をザワつかせたり、運命をただただ受け入れるのではなく、前向きに捉えてみてはいかがでしょう。たとえばこの機会に防災アイテムを見直してみるなど、自分の力で未来を良い方向に導いていくような心構えでいたほうが健全ですし、それが一番ポジティブな運の拓き方だと思います。
PROFILE プロフィール
水晶玉子さん
占術研究家。西洋・東洋の枠を超えて研究。オリジナルのオリエンタル占星術は、高い的中率で支持を得る。『水晶玉子のオリエンタル占星術 幸運を呼ぶ365日メッセージつき 開運暦2025』(集英社インターナショナル)が発売中。