一般的には夏の印象が強いレモンですが、実は国産レモンが旬を迎えるのは12月~3月ごろ。さらにレモンに含まれるクエン酸は代謝を上げ、体温を上げてくれる効果もあり冬に最適。

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    レモンといえば、揚げ物にかけるなど料理の“名脇役”というイメージを持っている人も多いはず。

    「確かにそうとも言えますが、実はレモンは、メインの食材としてさまざまな料理に展開することができるんです。キリッとした酸味が食欲をそそり、しかも甘辛い味付けのように食べ疲れることもないので、例えば鍋に使えば、具材や出汁をたっぷり摂れて、体が温まること間違いなし。国産レモンは冬が旬ということもあり、温かいメニューとも相性抜群です。また、レモンに含まれるクエン酸には体温を上げる効果もあるので、温活にはピッタリだと思います」(料理家・桑原亮子さん)

    そこで紹介してくれたのは、レモンを使った鍋、麺などといったHOTレシピ。レモンがメインとなると、かなり酸っぱいのでは? と思うかもしれないが、どれもまろやかな酸味で味わい深い。レモンの酸味であったか&食欲促進。

    「ポイントは、肉や野菜など食材の旨味をしっかり引き出すこと。そのうえでレモンを合わせると、酸味の角が取れて、味に少し複雑さも加わり、後引くおいしさに。酸味が欲しいなら果汁、香りをつけたい場合は皮を使いましょう」

    レモンの選び方など、上手な扱い方も知りたいところ。

    「少し緑色が入っていると酸っぱく、黄色いと熟してまろやかになっているサイン。どちらでもお好みで選んでOKです。レモンの皮を使うときは、表面を食器用の洗剤や塩で洗っておくと◎。果汁は冷蔵保存もできます。目安は1週間ほどですが、塩(100mlに対して小さじ1/4)を入れれば1か月ほど。搾って冷蔵庫に置いておけば、すぐに使えて便利ですよ」

    レモンが冬の体にやさしい理由

    「レモンに含まれるクエン酸は疲労回復の効果があることで有名ですが、代謝を上げてくれるので実は体温を上げる効果もあるんです。また、レモンに豊富に含まれるビタミンCを摂ることで免疫効果が強化されるので「風邪気味かも?」と思ったときにもオススメです」(医師・石原新菜さん)。

    ① 基本のレモン鍋

    レモンパワーで免疫力をアップするあったか冬鍋

    レモン鍋の素には、果汁はもとより、すりおろした皮もたっぷり入っているので、爽やかな酸味と香りが楽しめる。レモンのクエン酸が溶け出したスープを飲めば、免疫力アップの期待大!

    recipe

    材料(2人分)

    レモン鍋の素[レモン果汁…2個分、レモンの皮…1個分、カツオ出汁…1000ml、塩麹…大さじ3、塩…小さじ2、薄口しょうゆ…小さじ2、砂糖…小さじ2]

    鶏モモ肉…1枚、白髪ねぎ…長ねぎ(白い部分)1本分、水菜…1束、レモン、胡椒、オリーブオイル…各適宜

    作り方

    1. 鶏肉を一口大に、水菜を長さ5cmに切り、白髪ねぎとともにすべて皿に盛る。
    2. 鍋でレモン鍋の素を混ぜ合わせ、加熱し煮立ったら、鶏肉を入れる。
    3. 鶏肉に火が通ったら、白髪ねぎと水菜をさっとくぐらせて小皿に取る。胡椒やオーリブオイルをかけたり、くし形切りにして3等分したレモンを搾って食べる。

    📌 ポイント!

    基本のレモン鍋は具材の数をあえて絞って、レモン鍋の素とそれぞれの相性を味わうのが◎。鶏肉にはスープの旨味となる役割もあり。野菜のシャキッとした食感がアクセントになり、食べ飽きないおいしさ。

    ② トマトレモン鍋

    ビタミンC豊富なトマトでさらに栄養価をアップ

    ビタミンCが豊富なレモン鍋の素に、さらにトマトをプラス。彩りも鮮やかな一品が完成。イタリアンテイストのアレンジなので、お好みでチーズをのせても美味。

    recipe

    材料(2人分)

    レモン鍋の素+トマト…1個、ベーコン…80g、キャベツ…1/2個、レモン…適宜

    作り方

    1. トマトはざく切りに、ベーコンは5cm幅に切り、キャベツは食べやすい大きさにちぎってすべて皿に盛る。
    2. 鍋でレモン鍋の素を混ぜ合わせ、加熱し煮立ったら1の具材を入れ、キャベツが柔らかくなるまで煮込む。搾る用のレモンをお好みで添える。

    📌 ポイント!

    トマトは栄養価だけでなく、酸味という意味でもレモンと共通点があって、味がまとまりやすい。しかも、トマトには旨味成分のグルタミン酸が豊富に含まれているので、いい出汁にもなって一石二鳥。

    ③ みぞれレモン鍋

    最強の温活食材・しょうがをプラスしてさらにHOTに

    レモン鍋の素にすりおろした大根としょうがを入れて、辛味が効いたみぞれ鍋にアレンジ。温活食材としておなじみのしょうがの効果で、食べたそばから体が温まる。

    recipe

    材料(2人分)

    レモン鍋の素+大根…1/3本、しょうが…40g、豚肩ロース薄切り肉…200g、レタス…1玉、レモン…適宜

    作り方

    1. 大根としょうがをすりおろしておく。豚肉を一口大に、レタスは食べやすい大きさにちぎったらすべて皿に盛る。
    2. 鍋でレモン鍋の素を混ぜ合わせ、加熱し煮立ったら1の大根としょうがを入れる。
    3. 卓上コンロなどで鍋を火にかけ、豚肉とレタスをさっとくぐらせながら食べる。搾る用のレモンをお好みで添える。

    📌 ポイント!

    すりおろした大根は、水気をしっかり絞っておくこと。スープの味がぼやけるのを防ぐとともに、みぞれにスープが絡みやすくなるというメリットも。豚肉とレタスは、味の染みたみぞれと合わせて食べると◎。

    ④ ベトナム風レモン鍋

    ビタミン類をまとめて摂れる香菜をたっぷりと!

    ベースにナンプラーを加えることで、エスニック風味にチェンジ。香菜はそんなテイストとコンビネーション抜群のうえ、ビタミンCとEのチャージもできる。

    recipe

    材料(2人分)

    レモン鍋の素+ナンプラー…大さじ1、手羽先…8本、香菜…3株、きゅうり…2本、レモン…適宜

    作り方

    1. 香菜はざく切りに、きゅうりは斜め薄切りにして、手羽先とともにすべて皿に盛る。
    2. 鍋でレモン鍋の素とナンプラーを混ぜ合わせ、加熱し煮立ったら手羽先を入れ、火が通るまで煮込む。
    3. 香菜やきゅうりはさっとくぐらせて。搾る用のレモンをお好みで添える。

    📌 ポイント!

    特有のクセがある味わいのナンプラーと合わせる野菜は、香菜をはじめ、きゅうりなど青臭いものを選ぶと、爽やかな仕上がりに。きゅうりは薄いほどスープが絡みやすくなるので、スライサーを使うのがオススメ。

    もっと手軽にレモンを取り入れるなら

    「レモンの砂糖漬け」でHOTドリンクをおいしく!

    忙しい朝、ホットティーや白湯にさっと1枚入れるだけでOK。その甘酸っぱさが疲れた心身を癒してくれます。

    recipe

    材料(作りやすい分量)

    レモン…2個、グラニュー糖…150g、はちみつ…大さじ2

    作り方

    1. レモンをよく洗って輪切りにする。
    2. バットにレモンを並べて、グラニュー糖とはちみつをかけ、冷蔵庫で一晩置く。保存容器に移し、冷蔵庫で1か月半保存可能。

    Profile

    桑原亮子

    くわばら・りょうこ 料理家。料理教室「SPICEUP」主宰。東京と大阪のアトリエにて活動を行う。近著に『レモンひと搾り、スパイスひとさじで。変わる、毎日の料理』(グラフィック社)がある。

    石原新菜

    いしはら・にいな 「イシハラクリニック」副院長。漢方医学、自然療法、食事療法を取り入れ、様々な病気の治療にあたる。テレビやラジオ、雑誌などで温活情報を発信。『カラダを温めて冷えをとる! 温活365日』(内外出版社)など著書多数。

    写真・中垣美沙 レシピ作成、料理作製・桑原亮子 スタイリスト・前田かおり 取材、文・保手濱奈美 撮影協力・UTUWA

    anan 2476号(2025年12月17日発売)より
    Check!

    No.2476掲載

    免疫力を上げる、温活

    2025年12月17日発売

    酷暑の夏を乗り越え、あっという間に冬。寒さに慣れる“寒冷順化”する間もない、寒暖差に悩まされるいまの時代ならではの最新温活を大特集!

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      赤口

    物事の修理や人間関係の修復、または周りからの印象を改善することに関係する日です。物に経年劣化や金属疲労があるように、人にも年齢や労働や人間関係による肉体と精神の疲弊が起きます。ストレスにさらされているなら早めの対処が必要ですし、まずは休むことも大切です。十分な休息を取れるように諸々の調整をしましょう。

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