『MORI YOSHIDA』が再び! そんな大ニュースがスイーツ好きたちを沸かせている。パリに移り住んだ吉田守秀さんが、現地で店を開いたのは2013年のこと。フランス文化へのリスペクトと日本人である彼らしさが交わるお菓子に、パリの人たちもたちまち夢中になった。日本でも以前、商業施設に少ない品数で出店していたが、今回は美術館みたいな(実際、美術館も手がける建築家・宮崎浩さんが設計!)アートな空間に、生菓子から焼きっぱなし菓子、ショコラと興奮のラインナップを揃える。
日本で発展した生チョコも、ボンボンショコラを作るうちに気づいたフランス的まなざしで再構築。「生チョコは口溶け、と思っていましたが、まったり舌にとどまってからじわっと溶けるのがベストとわかったんです」。口にするとまずパッと香りが広がり、溶ける間に味のボディを感じさせ余韻へ続く。そのボディの時間が短くなってしまうから、あえて口溶け良すぎないテクスチャーにしたという。さらには代表作で食べると香りが順に現れる、彼いわく“時を旅する生菓子”、「ベージュ」を表現した生チョコも。舌に乗せるとまずアールグレイの香りが溢れ、次第にカカオ香が重なり華やかに調和、ライムがふわっと抜けて心地よい余韻を残していく。心も蕩ける、ドラマティックな香りの移ろいだ。
PROFILE プロフィール
chico
チコ スイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。
INFORMATION インフォメーション
MORI YOSHIDA 東京店
東京都中野区新井2‐30‐7 TEL:03・6454・0620 11:00~19:00 なくなり次第終了 火・水曜休 昨年11月オープン。