行く度に食べたい、定番の名店
圍爐 酸菜白肉火鍋(ウェイルー スゥァンツァィバイロウフォグゥオ)
上品な酸味が食欲をそそる、中国・東北地方の酸菜白肉火鍋。
日本人には“すっぱ鍋”の呼び名で知られる白菜の漬物・酸菜を煮込む鍋「酸菜白肉火鍋」。不動の人気を誇る名店がこちら。煙突のある特徴的な鍋は、内部に炭火を入れて加熱。スープには、酸菜、しみ豆腐、豚バラ肉、カニ、牡蠣、椎茸、干しエビが入れられ、小鍋は720元。ダシの旨みで、タレなしでも十分に美味。自慢の酸菜はビタミンCと乳酸菌が豊富で美容にも良いうえ、発酵による酸味の効果で、煮込んだ具材の口当たりはあっさり、いくらでもいけてしまう。2人以上から頼めるデザートつきのランチコースは1人520元。TEL:02・2731・3439 11:30~14:00、17:30~21:30 無休 カード可、日本語メニューあり、日本語可、サービス料10%。
台北市大安區仁愛路四段345巷4弄36號
【HOW TO ORDER】
鍋は大中小の3サイズ。3人以下なら小鍋が適量。料金には、前述した基本食材が含まれるので、それ以外に食べたい具材を別途オーダー。店主のおすすめは、エビ団子・鮮蝦丸440元、追加の酸菜240元。日本人には海鮮が人気。セルフで各自調合するタレは、1人40元。
無老鍋 台北信義店(ウーラオグゥオ タイペイシンイーディェン)
漢方スパイスを効かせたスープに支持者多数! 説明不要の人気店。
“桃源郷に構える鍋専門店”をコンセプトに、ヘルシーな火鍋を提供。鶏ガラや豚骨、香味野菜をベースに、数十種の漢方スパイスを効かせた「麺包豆腐白湯鍋」、大豆やナッツを加えた練り物“アイスクリーム豆腐”をプラスする「冰淇淋豆腐鍋」、段階を踏んで炒めた漢方スパイスの香りが主役の「無老辣香鍋」の3種のスープから1種または2種の鴛鴦鍋でいただく。白いスープはこってりとコクがあり、赤いスープは香ばしく刺激的。共に奥行きのある味わい。写真の具材は無骨牛小排1098元、綜合青菜盤208元など。信義店限定の揚げ餅・流沙白糖※(米+果)も要チェック。TEL:02・2722・0316 11:30~翌1:00 無休 カード可、日本語メニューあり、サービス料10%。
台北市信義區松壽路22號2樓(A19二樓)
【HOW TO ORDER】
2種の鴛鴦鍋(おしどり鍋)がおすすめ。写真の冰淇淋豆腐鍋と無老辣香鍋の組み合わせの場合、人数×189元のスープ代+200元のテーブルチャージが基本料金。サービス料10%を含めた最低消費額が1テーブル650元なので、3人未満では、具材や飲料などの追加注文が必須。
押さえておきたい、個性派
青花驕 台北光復南店(チンファジャオ タイペイグゥァンフーナンディェン)
主役は、高級食材の青花椒。唯一無二の“シビレる鍋”。
赤く熟す前に収穫される中国山椒・青花椒。重慶から輸入した九葉青花椒を使った鍋を供する青花驕は、2018年の開業と同時に一躍人気店に。青花椒とスパイスを炒めたペーストに鶏と豚でとったダシを加え、白菜と凍豆腐で甘みを出した「青麻椒肥牛鍋」が看板メニュー。鶏肉や海鮮との相性も抜群で、爽やかな口当たりと時間差でやってくるシビレがやみつきに。麻辣鍋は特製豆板醤を隠し味に、青花椒で爽やかさをプラス。写真のお肉は牛三※(てへん+并)盛宴858元。TEL:02・8772・0659 11:30~翌1:00(土・日曜11:00~) 無休 カード可、日本語メニューあり、日本語可、サービス料10%。
台北市大安區光復南路100號
【HOW TO ORDER】
青麻椒肥牛鍋+青花椒麻辣鍋は、人数×130元のスープ代+318元のテーブルチャージが基本料金。これらを含めない最低消費額は1人300元。青麻椒肥牛鍋は、牛肉、凍豆腐、唐辛子入り。青花椒麻辣鍋は、サクサクした食感の鴨血豆腐と唐辛子入り。
松江自助火鍋城(ソンジィァンズーヂュフォグゥオチェン)
食のセンスが味を左右!? すべての食材を自分で選択。
肉と香味野菜をその場で炒めてスープを作ることから始まる石頭鍋。好みの具材を冷蔵庫から取り、お店の人に秘伝のタレを入れたスープを作ってもらう。ここで忘れてはならないのが、ダシの決め手となるスルメ(100元)。さらなる旨みを出すべく、椎茸70元、トマト40元、青葱50元もマスト。乾物を多めに選ぶと“ぶっ飛びスープ”と呼ばれる福建の高級料理・佛跳牆に似た滋味深い味わいが楽しめる。白飯+烏骨鶏の卵を溶き入れ、雑炊で締めても。海鮮類は100元、葉物野菜は35元。TEL:02・2501・2063 11:00~23:30 無休 カード可、日本語はタレの紹介のみ。
台北市中山區松江路315號1樓
【HOW TO ORDER】
まずはお肉を選ぼう。肉類は1皿70元とリーズナブル。炒めてもらえるのは最初だけなので、多めのピックアップを推奨。すべての具材は冷蔵庫からセルフで取り出し、最後に計算。各皿の合計に加え、開鍋費(スープ作成料)が60元×人数分必要。
石研室(シーイェンシー)
石頭鍋のニューウェーブ、家常菜がベースのひとり鍋。
中華料理のシェフが兄弟で開業。台湾料理と鍋の融合に思いを巡らせていた際、母親が約30年前の石頭鍋ブームを懐かしんでいる様子に着想を得て、オリジナリティある石頭鍋=爆炒シリーズを考案。パイン、苦瓜、鶏肉で作る台湾の家常菜のスープをアレンジした「旺來金鶏鍋」388元はその象徴。煮干しと香味野菜を香油で炒め、パインと鶏肉、米酒とダシを加えたらスープの完成。あとは制限時間いっぱい、食べ放題の野菜などを心ゆくまで。ほっとする味わいのスープは飲み干したくなるおいしさ。TEL:02・2371・5580 11:00~21:30 無休 カード可、日本語メニューなし、サービス料10%。
台北市中正區忠孝西路一段36號B1
【HOW TO ORDER】
台味 爆炒(石頭鍋)シリーズの鍋は、座席でスープを作ってくれる。着席して食欲をそそる香りを堪能しよう。20種近い野菜類、昆布や蒟蒻、麺類などの具材、魯肉と白飯、飲料や甘味もフリー。しゃぶしゃぶ鍋もあり、スペイン産豚バラ328元~。
手工殿 麻辣鍋物 中山店(ショウゴンディェン マーラーグゥオウー ヂョンシャンディェン)
オーナー陣の美意識が凝縮。特別感を楽しむ“ハレ”の鍋。
自分たちの求めるクオリティを満たす鍋の店がないという点で意気投合した3人の30代男性が経営。店名の“手工殿”は、練り物などの具材を手作りしていることに由来。薄切りの鯛を皮にした餃子など、発想も独創的だ。ドライアイスを仕込んだプレートで運ばれる高級肉、ドラゴンモチーフの鴛鴦鍋など、エンタメ性の高さでも話題。スープは、原味麻辣、酸菜、柴魚、養生麻辣があり、写真は薬膳スープ「養生麻辣鍋」+「原味麻辣鍋」。具材の質もハイレベルで、新鮮な海鮮類は甘みがたっぷり。TEL:02・2537・3603 11:30~翌3:00 無休 カード可、日本語メニューあり、サービス料10%。
台北市中山區長安東路一段53巷1‐1號
【HOW TO ORDER】
4種のスープから2種を選択。スープ代は、200元×人数分。最低消費額は1人750元。写真の日本A5和牛(150g)は1500元。食後には、三脚鼎杯に入ったサワードリンクをサービス。累計消費額が5万元に達すると金色の鍋でサーブされる。
※『anan』2024年6月19日号より。写真・田尻陽子 取材、文・堀 由美子 コーディネーター・田中左千子(TOP TAIWAN)
(by anan編集部)