疲れに肌荒れ、むくみにも。夏野菜のパワーがお役立ち。
「この時季の最大の敵は、紫外線を浴びることで体内に溜まり、疲れや肌荒れなどの原因となる活性酸素。それを取り除く成分が、夏野菜には多く含まれています」と、管理栄養士の篠原絵里佳さん。
「まず、3大抗酸化ビタミンであるビタミンA、C、E。さらにファイトケミカルと呼ばれる機能性成分も多く含まれます。ファイトケミカルとは野菜が紫外線などの外敵から身を守るために作り出す色素や苦み、アクなどのことで、こちらも強力な抗酸化作用で知られています」
また、夏野菜は全体的に水分量が多く、不足しがちな水分を無理なく補えることも利点だそう。
「一方で水分のバランスを整えるミネラル、カリウムも豊富なものが多いので、むくみ予防にも効果的。さらに、野菜の歯ごたえが咀嚼を促すので胃液の分泌が進み、疲れた胃腸の保護にも役立ちます」
この季節まさに欠かせない、夏野菜。繰り返し作りたくなるシンプルレシピを、料理家の牧田敬子さんに教えてもらった。
「タンパク質などのうまみ食材を適度に加えつつ、塩気は控えめにすることで、素材本来の味わいが楽しめます。皮や芯に近い部分に栄養成分やうまみが豊富なので、なるべく取り除かずに調理するのがおすすめ」
定番野菜にひと工夫。切って和えれば完成のクイックサラダ6種。
生で食べられるものが多いところも、夏野菜の魅力。チーズなどのうまみ食材や香味野菜を加えながら、みずみずしい香りや食感、色を丸ごと楽しんで。
1、ゴーヤとかにかまのしょうがサラダ
胃腸の保護成分やビタミンCが豊富。しょうがとごまの香りに箸が進む。
ゴーヤの苦みの正体は、胃腸を保護する働きのあるモモルデシンというフィトケミカル。「甘みのあるかにかまと合わせると苦みが和らぎ、食べやすくなります」(牧田さん)
【材料/2人分】
ゴーヤ…1/2本(150g)、かにかまぼこ…2本、塩…小さじ1、ごま油…小さじ2、しょうゆ…小さじ1/2、おろししょうが…小さじ1、白炒りごま…小さじ1
【作り方】
1、ゴーヤは縦半分に切り、種とワタをスプーンでこそげ取って、薄切りにする。かにかまぼこは半分に切ってほぐす。
2、ボウルにゴーヤを入れて塩をまぶし、水をひたひたに注いで5分置く。軽く揉んでから水を換えてすすぎ、ザルにあげてキッチンペーパーで水気を拭き取る。
3、ボウルにごま油、しょうゆ、おろししょうがを入れて混ぜ、ゴーヤ、かにかまぼこを順に加えて和える。白炒りごまを加えてさらに和える。
2、きゅうりとチーズのわさびサラダ
ミネラルと水分が豊かなきゅうりを、香りの良いコロコロサラダに。
「きゅうりはカリウムが豊富で、水分もたっぷり。天然のミネラルウォーターのようです」(篠原さん)。チーズでコクを、わさびでアクセントを加えた一品は、おつまみにも。
【材料/2人分】
きゅうり…1本、クリームチーズ…30g、練りわさび…小さじ1/2~小さじ1、オリーブオイル…小さじ1、しょうゆ…ごく少量
【作り方】
1、きゅうりとクリームチーズは1cm角のサイコロ状に切る。
2、ボウルにわさびとオリーブオイルを入れて混ぜ、クリームチーズを加えて和える。
3、きゅうりを加えて混ぜ、しょうゆを加えてさらに和える。
3、みょうがとハムのごま油サラダ
リラックス効果のある香味野菜を、ハムとごま油で和えてたっぷりと。
「みょうがはカリウムと香り成分α‐ピネンが多いのが特徴。リラックス効果があり、自律神経を整えるのに役立ちます」(篠原さん)。ハムとごま油で和えて、副菜風の一品に。
【材料/2人分】
みょうが…3個、ロースハム…10枚、ごま油…小さじ1、塩…少々
【作り方】
1、みょうがは千切りにする。ロースハムは長さを半分に切って、千切りにする。
2、ボウルにごま油と塩を入れて混ぜ、みょうがを加えて和えてから、ハムも加えて和える。
4、トマトとドライトマトのサラダ
生×乾物の相乗効果で、いつもの冷やしトマトが別もののおいしさに!
色素成分リコピンとビタミンCの両方を含むトマトは、夏野菜の王様。「うまみが凝縮したドライトマト入りのドレッシングが、生のトマトの味わいを引き立てます」(牧田さん)
【材料/2人分】
トマト…中2個、ドライトマト(半割のもの)…2枚、レモン汁…1/2個分、オリーブオイル…大さじ1
【作り方】
1、ドライトマトは水洗いして小さな器に入れ、水に5分浸して水気を絞り、千切りにする。
2、1を小さめのボウルに入れ、レモン汁とオリーブオイルを加えて混ぜる。
3、トマトは冷やして食べやすい大きさに切り、器に盛る。2のドレッシングをかける。
5、カラーピーマンのヨーグルトサラダ
3大抗酸化ビタミンがいっぱい。ディルが爽やかに香る一品は朝食にも。
「赤や黄のピーマンはビタミンCだけでなく、AやEも豊富。ビタミンAとEは脂溶性なので、乳脂肪を含むヨーグルトとの組み合わせは栄養的にも味わい的にもぴったり」(篠原さん)
【材料/2人分】
カラーピーマン…1個、プレーンヨーグルト…200ml、ディル…3~4本、塩…ふたつまみ、オリーブオイル…小さじ2、レモン汁…少々
【作り方】
1、カラーピーマンはへたと種、ワタを除き、みじん切りにする。ディルもみじん切りにする。
2、ボウルに1のピーマンとディルを入れ、塩、オリーブオイル、レモン汁で和える。
3、ヨーグルトを器に注ぎ、2をのせる。
6、青じそとレタスの梅風味サラダ
しそとしゃきしゃきレタスにうまみ食材。カラダが目覚める、ボリュームサラダ。
「しそは3大抗酸化ビタミンと、疲労回復に役立つビタミンB群、鉄分やカルシウムも豊富です」(篠原さん)。たっぷりのレタスと2種類のうまみ食材とともに、サラダの主役に。
【材料/2人分】
青じそ…10枚、レタス…1/2個、梅干し…大1/2個、しょうゆ…小さじ1/2、米酢…大さじ1、サラダ油…大さじ1、削り節…適量
【作り方】
1、青じそは千切りにしてキッチンペーパーに包んで水ですすぎ、水気を絞る。レタスは千切りにして、キッチンペーパーに包んで水気を拭く。
2、梅干しは種を除いて果肉をほぐし、小さなボウルに入れてしょうゆ、米酢、油を加えて混ぜ合わせ、ドレッシングを作る。
3、器にレタスを盛って削り節をかけ、さらに青じそをたっぷりと盛って、2のドレッシングをかける。
篠原絵里佳さん 管理栄養士、野菜ソムリエプロ、日本抗加齢医学会認定指導士。カラダの中から美しくなるための食事と睡眠に着目したライフスタイルを、メディアや講演会で提案。
牧田敬子(いつこ)さん 料理家。意外な素材を組み合わせながら、野菜の持ち味を丁寧に引き出すレシピで人気。著書に『主人が痩せた! ノンオイルサラダと、野菜のかさ増しで』(文化出版局)ほか。
※『anan』2023年8月2日号より。写真・津留崎徹花 レシピ&料理作製、スタイリング・牧田敬子 取材、文・新田草子
(by anan編集部)