黄金色に輝く焼き菓子に夢中になって通いつめた、奥沢の『Cuisson』。茨城にパティスリーとして移転すると繊細な生菓子にも心奪われたけど、おしくもクローズ。あの味わい深さは他になくキュイソン・ロスな日々を過ごしていたら、この7月に藤沢で再開された。しかも築92年の建物をリノベした古民家パティスリーという、心躍るシチュエーション。
大正時代の趣ある格子ガラス戸の上に目をやれば、川崎達也シェフがフランスで少しずつ集めたアンティークの菓子型が賑やかに飾られ、日仏の古き良きものが美しく共存している。土間だったところに置いたショーケースに並ぶのは、純然たるフランス菓子。どれも味や香りは濃密なのに、口どけはとても軽い。
「ココカドォ」なんてバタークリームがムースのようにエアリー。オレンジやパッションフルーツの果実味を放ち、生地共々すっと消えてしまう。川崎シェフが西麻布にあったグランメゾン『ザ・ジョージアンクラブ』にいた頃にも出していたそうで、なるほど食後にぺろりといける軽さ、なのに鮮烈な存在感を残していく。さらに「デセールも落ち着いたら始めます。奥沢の頃みたいに焼きっぱなしのお菓子ももっと並べたい」と楽しみは続く。近いうちにまたこの家に帰ってこよう。
左下から時計回りに、20年作り続けているフランボワーズとショコラをピスタチオクリームで包んだ「エムロード」、オレンジとショコラ、バニラがとろける「シャルマン」各¥540、「ココカドォ」、トンカ豆とキャラメル香る「タルトレット・トンカ」各¥490(すべて税込み)。
Cuisson 神奈川県藤沢市弥勒寺2-5-10 TEL:0466・76・5060 11:00~19:00 月・火曜休(祝日の場合は営業。不定休あり)
チコ スイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。
※『anan』2018年9月12日号より。写真・清水奈緒 スタイリスト・中根美和子 取材、文・chico 撮影協力・UTUWA
(by anan編集部)
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