加藤シゲアキさん

舞台『2時22分 ゴーストストーリー』に出演する加藤シゲアキさんにお話を伺いました。


客席で観るのが面白そうで、観られないのが悲しいです

毎晩2時22分になると子供部屋から人の足音が聞こえ──という展開から始まるホラーサスペンス『2時22分 ゴーストストーリー』。2021年のロンドンで初演され話題を呼んだ舞台が、日本オリジナル演出で加藤シゲアキさん主演で上演される日本初演となる。

「お話をいただいて台本を開いたら、前書きと後書きがあって、前書きはホラーへのスタンスが、後書きには結末は絶対に話さないで、みたいなことが書かれていて、面白い構造だと思いました。ただ、ホラーだから展開が予定調和じゃないぶん、最初は掴みどころが難しくて、なかなか絵が浮かばなくて。でも、2度目に読んだときに子供心みたいなチャーミングさを感じました」

加藤さんが演じるのは主人公のサム。引っ越してきたばかりの新居で起こる不可解な現象に怯える妻ジェニー(葵わかな)とは対照的に、霊の存在を信じないリアリストだ。

「僕もリアリストで、スピリチュアル的なものに鈍感なんですけれど、サムは極端に頑な。なぜそこまでと思うくらいで、自分でもまだどう演じたらいいか見えないんです。でもだからこそ、演出の森(新太郎)さんがこの作品をどう解釈し、どう作っていかれるのか楽しみなんです」

その森さんは、戯曲の深い解釈と的確な演出で高い評価を受ける日本を代表する演出家。

「森さんの舞台を拝見していて、シンプルな中に人間が有機的に動いている作品を作る演出家という印象がありました。ただ、森さんが自分に興味を持つとは思えず縁がないと思っていたのですが、どうやら『普通の人を演じられる人だから』みたいなことをおっしゃっていたそうです。とはいえ、出ている人たちは、全然普通じゃないんですけど。見えないものを恐れる感覚とか、深夜の怖さとか、国籍を超えた共通の感覚を表現したいとなったときに、自分みたいな人がちょうどよかったのかもしれません(笑)」

観客の想像力を喚起することで見えないものを舞台上に見せることができるのが演劇の魅力。だとすれば、じつはホラーと演劇は、結構相性がいいのかもしれない。

「今回の作品の場合、お客さんはきっと覗き見しているような感覚で観るんじゃないかと思います。しかも、そこで起こることを登場人物たちと一緒に体験することができるわけです。演じる以上に、客席で観るのが面白そうで、自分が観られないことが悲しいです(笑)」

2021年頃から年1~2回のペースで舞台出演を果たしている加藤さん。演じる側としての舞台の魅力をどう感じているのだろう。

「何より、役者も観客と同じ時間を共有しているのは大きいですよね。そして同じ作品を毎日同じようにやろうと思っても、全然違う感覚になるところ。回を重ねるたびに新しい発見が見つかるし、細かいところが見えてきてどんどん深めていけるのが、やり甲斐になりますよね」

Profile

加藤シゲアキ

かとう・しげあき 1987年7月11日生まれ、大阪府出身。NEWSとして活動する一方、作家として2021年に『オルタネート』で吉川英治文学新人賞を受賞。4月に脚本を手がけた舞台『AmberS -アンバース-』が開幕予定。

information

『2時22分 ゴーストストーリー』

ロンドン郊外の古い家を購入し、住み始めたばかりのサム(加藤)とジェニー(葵)の夫婦。しかし、ジェニーは毎夜2時22分に子供部屋を歩き回る足音に悩まされ…。2月6日(金)~3月1日(日)東京・シアタークリエ 作/ダニー・ロビンズ 翻訳/徐賀世子 演出/森新太郎 出演/加藤シゲアキ、葵わかな、南沢奈央、松尾諭ほか 全席指定1万2000円 東宝テレザーブ TEL. 0570-00-7777 愛知、大阪公演あり。https://www.tohostage.com/ghost-story/

ジャケット¥58,300 シャツ¥38,500 パンツ¥35,200(以上クルニ/クルニ フラッグシップ ストア TEL. 03-6416-1056) その他はスタイリスト私物

写真・小笠原真紀 スタイリスト・吉田幸弘 ヘア&メイク・KEIKO(sublimation) インタビュー、文・望月リサ

anan 2481号(2026年1月28日発売)より
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No.2481掲載

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