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2025年4月の仁川公演を皮切りに、ワールドツアー「2025 LE SSERAFIM TOUR ’EASY CRAZY HOT’」で世界各地を巡ってきたLE SSERAFIM。初の北米ツアーも無事に終えた彼女たちが、ついに初めて東京ドームのステージに立ちました。今回の東京ドーム公演は日本ツアーのアンコール公演として行われたもので、11月18・19日の2日間にわたって開催。その2日目の模様をレポートします。

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    ワールドツアーを経て、ついに夢の東京ドームへ!

    風、地響き、そして何かが燃える音に続いて真っ赤なスクリーンに稲光が走ると、メインステージのスクリーンの扉が開き、燃え上がる三角形の中にLE SSERAFIMの5人の姿が現れた。

    黒にシルバーのスパンコールがあしらわれた衣装で登場すると、「Ash」でコンサートはスタート。ドームにFEARNOT(ピオナ・ファンネーム)の大コールが響き渡った「HOT」ではメンバーも笑顔でそれに応え、続く「Come Over」は次々と足を上げるパフォーマンスからはじまり、センターステージの上で楽しそうに踊る姿はワールドツアーを経てできた余裕を感じさせた。たった3曲で、早くも東京ドームを完全にLE SSERAFIMの空気に染め上げた。

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    VCRを挟み、白を基調とした衣装に着替えたメンバーたち。ステージ裏からSAKURAが「東京ドームにLE SSERAFIMがやってきました!」と会場を煽ると、客席のFEARNOTも大喜びで歓声を送る。そんなやり取りの後にはじまったのは、激しいギターリフがロックな「EASY」。会場がピンク一色に染まると、ロックアレンジが施された楽曲に合わせて、よりパワフルなステージを見せつけた。

    メンバーがバレエのポーズを決めた後にはじまった「Swang Song」は、KAZUHAが自ら考案したバレエのような振付が魅力の曲。LE SSERAFIMが5羽の白鳥となり、優雅なひとときを演出したかと思えば、「私たちが近くに行きます!」とKIM CHAEWONが叫んではじまった「Flash Forward」ではメンバーがトロッコに乗り込み、広いドームをぐるりと巡りながらバズーカも使い、サインボールを投げ入れていく。

    「トロッコに乗っていた時、あっちにヘッドホンをしたちっちゃい子どもが楽しそうにしていました!」とうれしそうに語っていたHONG EUNCHAE。KIM CHAEWONは「サインボールできるだけ遠くまで投げようと思ったんですけど…」と言うと、HUH YUNJINも「もっと運動をがんばらなきゃ」と励まし、HONG EUNCHAEは「昨日、お兄ちゃんに『なんでそんなに(遠くまで)投げられないんだ』と言われた」と告白した。

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    会場のコールの大きさに勢いを増すパフォーマンス

    SAKURAが「今の私たちをここまで導いてくれた大切なFEARNOTのために心を込めて準備したステージです」と言ってはじまった「Pearlies (My oyster is the world)」はこのアンコール公演が初披露。SAKURAの言葉どおり真心を感じさせる歌声を響かせたかと思えば、「FEARNOT、私の仲間になれ」というKIM CHAEWONのお決まりのフレーズではじまった「Fire in the belly」ではFEARNOTたちの大きなコールに後押しされてかLE SSERAFIMのパフォーマンスも勢いを増し、最後のHUH YUNJINのハイトーンまで、この日一番の盛り上がりを見せた。

    こちらもアンコール公演で初披露となった新曲「SPAGHETTI」では大勢のダンサーたちを引き連れての迫力満点のダンスブレイクで盛り上がり、「Chasing Lightning」と名付けられたパフォーマンスでは舞台をセンターステージへと移し、レーザー光線がドーム中に交差する中、BPM速めのテンポでビートが刻まれる中、統制のとれたダンスを見せる。メインステージに戻って歌われた「1-800-hot-n-fun」ではSAKURAが巨大なズームカメラを操ってスタンドや2階席を映し出し、客席のファンと共に盛り上がった。

    MCではKIM CHAEWONが「東京ドームに連れてきてくれてありがとうという気持ちを込めて、1フレーズでもプレゼントしようと思います」と、ドラマ『匿名の恋人たち』の主題歌「告白 (Confession) [Japanese Version]」をアカペラで歌唱。「こんなに広いステージで1人でアカペラで歌うのは初めてだから、めっちゃ緊張しました」と言っていたけれど、堂々としたボーカルが東京ドームに響き渡った。

    コンサートもいよいよ終盤へ。デビュー曲「FEARLESS」をパフォーマンスした後、「Burn the Bridge」と名付けられたパフォーマンスでは、日本語、韓国語、英語で「共に超えていこう」というメッセージを体の動きとともに伝え、LE SSERAFIMというグループが持つメッセージ性、存在理由を突きつけた。重いバスドラが東京ドームに響き渡った「UNFORGIVEN (feat. Nile Rodgers)」では大きく腕を揺らす振付に合わせて会場のペンライトも大きく揺れ動き、HUH YUNJINの「FEARNOT、メイク・サム・ノイズ!」のシャウトで会場全体が大きく叫ぶ。最後の「ANTIFRAGILE」まで全力で駆け抜け、東京ドームは大興奮のままクライマックスを迎えた。

    アンコールに登場したのはかわいいスペシャルゲストたち

    Ⓟ & ⓒ SOURCE MUSIC / ⓒ'25 SANRIO CO., LTD. APPR NO. L662940

    アンコールではマイメロディとクロミが登場、LE SSERAFIMと共にメインステージに登場すると、「Kawaii (Prod. Gen Hoshino)」を初披露。マイメロディ、クロミと手をつないでセンターステージでファンに挨拶したり、マイメロディとクロミがプリントされた星型の紙吹雪が振るなか一緒に踊ったり、スペシャルなゲストと共にスペシャルなステージを作り上げた。

    そしてここで、この日の感想を言っていくことに。KAZUHAは「こんなにたくさんのFEARNOTに囲まれて、私たちだけでステージができるという夢のような時間は本当にあっという間で、幸せな時間でした」と感謝を述べた。そして以前、サイン会で出会ったというお父さんFEARNOTについて「今回の公演を、バレエを習っている娘と一緒に観に行きますと言ってくれたんですけど、私もこういう公演を観たのが同じくバレエをやっている時だったので、自分のことと重なって印象に残りました」と語りだした。

    自分は幸い、活動をはじめて早いうちにこんなに大きなステージに立たせてもらったとファンへ、そしてメンバーへ感謝を伝え、「まだまだ挑戦の毎日だと思いますが、これからも成長する姿をお見せできるよう努力していくので、そんな私の姿を通してみなさんが一歩踏み出す勇気になれれば」と語った。

    KAZUHA Ⓟ & ⓒ SOURCE MUSIC

    アンコールではツインテールにしてきたとうれしそうにしていたHONG EUNCHAEは、「ここに来るまで一生懸命走ってきたすべての瞬間が、走馬灯のように頭をよぎり、こんなに幸せでいいんだろうかと思うくらい幸せな時間でした。どれひとつとっても大切でなかった舞台はないけれど、こんなに願ってきた今日というステージはずっと忘れられないと思います」とにっこり。

    そして今日のステージを、「今日私たちを初めて観る方たちにはLE SSERAFIMというグループはどれほど本気で舞台に臨んでいるか感じられるようにしたいと思ったし、今まで見守ってくれたFEARNOTにはここまで来させてくれて、私たちを信じてくれてありがとうという気持ちを伝えたかったです」とコメント。最後には日本語で、今回は初めて海外公演に家族が観に来てくれたと語り、「遠く離れている場所でもこれほど多くののFEARNOTに愛されている姿を家族に見せることができたのはFEARNOTのおかげです」と、最後まで涙をこらえて語った。

    HONG EUNCHAE Ⓟ & ⓒ SOURCE MUSIC

    SAKURAはこの直前に東京ドームに立ったのは11年前だったと振り返り、当時はこの場所の意味をわからず、ただ先輩の背中を見守るだけだったと告白。「11年後、こうやって東京ドームにもう一度立ってみるといろんな感情が湧いてきて、あの日の先輩たちの気持ちが今なら少しわかる気がします」と明かした。

    「14年間アイドルをしてきてたくさんの夢を叶えられて、代わりにたくさんのことを諦めてきたし、たくさんの人に出会ったけれど、だからこそたくさんの人との別れも経験しました。それでもあの日々を乗り越えた先に今日のこの景色が待っているなら、私は生まれ変わってもきっとアイドルの道をまた選ぶだろうと思います」と涙声で宣言。「13歳の時に鹿児島から出てきて、何者でもなかった私をこんなに素敵なアイドルにしてくれたファンのみなさん、本当にありがとうございます」と、最後には嬉し涙を見せながら語った。

    SAKURA Ⓟ & ⓒ SOURCE MUSIC

    KIM CHAEWONは「私にとって夢の舞台であるこの場所での公演を終えて、こうしてコメントを言っている瞬間、隠れて歌って踊っていた子どもの頃のことが思い出されます。あの頃、夢を諦めなかった過去の自分に向けて、本当にありがとうと言ってあげたいし、祝福してあげたいです」と今までを振り返った。そしてFEARNOTに向けて「みなさんにもそれぞれ夢があると思いますが、自分で考えると大きすぎると思うような夢でも、他人の目を気にすることなく、一歩ずつ夢に進んでほしいです。いつも私たちが一緒にいます」と笑顔を見せた。

    そして「今までそばにいてくれた家族、メンバー、友達、会社のみなさん、そしてFEARNOT、本当にありがとうと言いたいです。これからもFEARNOTはずっと私たちと一緒にいてくれますよね? FEARNOTのおかげで今日もひとつ夢を叶えることができました」とにこやかに語った。

    KIM CHAEWON Ⓟ & ⓒ SOURCE MUSIC

    HUH YUNJINはもしかしたら東京ドーム公演ができるかもしれないと聞いた瞬間、泣いてしまったと告白。「涙にはいろんな理由がありましたが、忘れていたものの価値を再発見してもらった時の涙ってわかりますか? それは、私が日々の暮らしに疲れて忘れていた自分自身の明るい姿や昔の幸せな思い出だったり、もしくは恥ずかしくて口に出せなかった夢だったり…。大変な時期を過ごしていた自分にとってはにわかに実感は湧かなかったけれど、一筋の光のような希望でした。『恥ずかしがらなくても大丈夫、あなたの情熱はまだ有効だ、夢を見てもいいんだよ』と言われているようでした」と当時を振り返った。

    そしていよいよ東京ドームの実感が湧いたのは、初日の「HOT」のステージだったそう。「まるでFEARNOTに向けた宣言のように感じました。『私たちは打ち勝ったよ。私たちは熱いし、これからももっと熱くなるよ』と言っているようで。FEARNOTとは言葉にしなくても通じ合えてると思うけど、昨日と今日、きっと私と同じ気持ちだったと思います。ここまで導いてくれてありがとうございます」と感謝を伝えた。

    メンバーへの感謝の言葉を伝えながら感極まって涙がこぼれてしまったHUH YUNJINをみんなでハグ。「同じ夢を見てくれてありがとう。これからもっと大きな夢を見てみよう」と宣言した。そして「今日が東京ドーム最終日で、なんだか映画のラストシーンみたいですけど、でも私は本当にこれから新たなチャプターがはじまると思っています。絶対みなさんに恥ずかしくないアーティストになります。夢を見てもいいと信じさせてくれたのはFEARNOTだから、一番素敵な夢を叶えて、一番素敵な場所に連れていきます」と深々とお辞儀をした。

    HUH YUNJIN Ⓟ & ⓒ SOURCE MUSIC

    そんなしんみりした空気を吹き飛ばすように、「Perfect Night」では広いステージを端から端まで行きながら、東京ドームをびっしり埋めたFEARNOTに挨拶。「No Return」では花道からセンターステージを駆けて、元気よくステージを務め上げた。最後に曲のアウトロがかかると、これが本当にこの日のラストだということがわかって、一瞬泣き出しそうな表情に。しかしすぐに笑顔になって、ステージの隅々まで行きながらFEARNOTに手を振り続けた。

    そして扉が閉まり、東京ドームでのアンコール公演も終わるかに思われたが、「みなさん、まだまだ帰れませんよ!」という声が聞こえてダブルアンコールが決定! 青いレーザー光線が飛び交う中、「CRAZY (EDM ver.)」がかかると、メンバーがトロッコに乗って登場。ゴキゲンなサングラスをかけて、魔法少女のようなスティックや扇状の光り物を手に持ち、ビートに身を任せて盛り上がる。アリーナには大きなボールが転がり、スタンドもアリーナも2階席も会場全体が手を高く上げ、ジャンプしながら大きな声を上げ、東京ドームはさながら巨大なクラブハウスに。センターステージではメンバーとダンサーたちによるダンスバトルが行われたり、最後にはメンバーもダンサーも肩を組んで円になり、ぐるぐる回って大団円。

    最後の最後まで東京ドームのステージを楽しみ尽くしていた姿が印象的。熱狂的な雰囲気を残したまま、アンコール公演は幕を閉じた。

    Profile

    LE SSERAFIM

    ルセラフィム KIM CHAEWON、SAKURA、HUH YUNJIN、KAZUHA、HONG EUNCHAEからなる5人組ガールグループ。2022年5月に韓国デビュー、2023年1月には日本デビューを果たす。2025年4月から初のワールドツアー「2025 LE SSERAFIM TOUR ’EASY CRAZY HOT’」を開催。10月には『LE SSERAFIM 1st Single ‘SPAGHETTI’』をリリースした。

    セットリスト

    set list

    『2025 LE SSERAFIM TOUR 'EASY CRAZY HOT' ENCORE IN TOKYO DOME』

    1. Ash
    2. HOT
    3. Come Over
    4. EASY
    5. Swan Song
    6. Flash Forward
    7. Blue Flame
    8. So Cynical (Badum)
    9. Impurities
    10. The Great Mermaid
    11. Pearlies (My oyster is the world)
    12. No Celestial
    13. Smart
    14. Fire in the belly
    15. SPAGHETTI (Member ver.)
    16. Eve, Psyche & The Bluebeard’s wife
    17. CRAZY
    18. 1-800-hot-n-fun
    19. FEARLESS
    20. UNFORGIVEN (feat. Nile Rodgers)
    21. ANTIFRAGILE
    22. Kawaii (Prod. Gen Hoshino) ※アンコール
    23. DIFFERENT ※アンコール
    24. Perfect Night ※アンコール
    25. No Return ※アンコール
    26. CRAZY (EDM ver.) ※ダブルアンコール

    取材、文・尹 秀姫

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