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韓国の5人組ボーイズグループ・TOMORROW X TOGETHER(トゥモロー・バイ・トゥギャザー)が、自身最大規模となる日本5大ドームツアー「TOMORROW X TOGETHER WORLD TOUR 〈ACT : TOMORROW〉 IN JAPAN 」をスタート! 記念すべき初日である、11月15日の埼玉・ベルーナドーム公演の模様をお届けします。

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    サプライズ演出で幕を開けた、熱狂の初日公演

    ひんやりとした風が心地よく感じられる、さわやかな天気に恵まれた初日。日が沈むとともに、会場はMOA(ファンの呼称)が握りしめるペンライトでまばゆく照らされ、徐々に熱気を帯びていく。

    今か今かとメインステージを見つめていると、なんと1曲目「LO$ER=LO♡ER」とともに、ステージの両端からトラックをモチーフにしたトロッコに乗ってメンバーが登場! 二手に分かれてアリーナ外周を一周するというサプライズな登場で、会場は一気に熱気に包まれた。

    Ⓟ & ⓒ BIGHIT MUSIC

    本ツアーは、今年8月のソウル公演で幕を開けた、4度目のワールドツアーの日本公演。日本でのツアーは、今年3月から5月にかけて行われたアリーナツアー以来、約6か月ぶり。ドームツアーは、昨年、K-POPアーティスト史上最速での開催が話題を呼んだ4大ドームツアー以来、約1年2か月ぶりとなる。

    メンバーたちは「MOA会いたかったです!」と再会を喜び、日本オリジナル曲「きっとずっと (Kitto Zutto)」「5時53分の空で見つけた君と僕[Japanese Ver.]」「Blue Orangeade」「Love Language」まで、開始から5曲続けてパフォーマンス。ステージの端から端までを行き来する姿から、より多くのMOAの近くに行こうという気持ちが伝わってきた。

    TAEHYUN / Ⓟ & ⓒ BIGHIT MUSIC

    MOAとつくる“明日”へ──多彩な楽曲とMCで魅せる中盤戦

    ここで、この日最初のMCへ。YEONJUNは、今回のツアーについて「今回初めて来たMOAも心配しないでください。まるで詰め合わせみたいに僕たちの魅力をすべてお見せします」と、歴代のワールドツアーの内容を盛り込んだと紹介。その言葉通り、冒頭の5曲だけでも、2019年から2025年まで新旧の楽曲が織り交ぜられており、BEOMGYUが「僕たちの曲をリストアップしたら、100曲を超えていました」と話すと、メンバーとMOAから驚きの声が上がった。

    SOOBIN、YEONJUN、BEOMGYUがマイクチェンジをしている間、ステージ上に残ったTAEHYUNとHUENINGKAIの“マンネズ(末っ子組)”は、会場を2チームに分けて、歓声の大きさを競い合うことに。

    HUENINGKAIが「MOA、独り占めしてもいいですか?」と問いかけると、会場からは悲鳴にも似た大歓声が上がった。MBTI診断でロジカルシンキングの魅力が際立つ“超T型人間”として知られているTAEHYUNは「歓声をデシベルでチェックしていますよ」と、この日もお得意のTAEHYUN節が炸裂。そこに準備を終えた3人も加わり、「埼玉公演のビジュアル担当は僕だ!」と歓声対決を繰り広げながら、一体感を作っていく。

    次のセクションに入る前に、メンバーから公演に関する耳寄りなネタバレが。今回のツアー名には「約束した明日に向かって一緒に進む」という意味が込められているが、YEONJUNは「MOAと一緒に明日を作るということで、事前に準備したアンコールをなくしました。本当です」と告白。

    SOOBINが「MOAが僕たちを呼んでくれたら、いつでも出てきてずっとMOAと一緒にいます。最後まで情熱的な応援、期待してもいいですか?」と問いかけると、会場には大きな歓声が響いた。そして、「初日を記念して一緒にファイティンしましょう」というSOOBINの呼びかけで、会場一体となって「TOMORROW X TOGETHER、내일도 함께하자!(明日も共にしよう)」を叫び、次の曲へ。

    10月22日にリリースされた日本3rdアルバム『Starkissed』のタイトル曲「Can't Stop」を皮切りに、2つ目のセクションは「Danger」「Upside Down Kiss」とパワフルでセクシーなステージが続く。ロックテイストの衣装にチェンジすると、今度は「Growing Pain」「Frost」と野性的な魅力が溢れるステージを紡ぎ、会場の熱をどんどん高めていく。「A-Yo!  埼玉、やれんのか!?」と煽り、髪を振り乱して踊りまくる様は、まるで別のグループを見ているかのようで、そのギャップに引き込まれる。そのまま花道を練り歩いてセンターステージへと移動し、「Good Boy Gone Bad[Japanese Ver.]」を披露。ステージ上を走り、ジャンプして、ファンと一体感を楽しむ姿は、まさに楽曲名の通り、反抗的で悪童的だ。

    YEONJUN / Ⓟ & ⓒ BIGHIT MUSIC

    炎の特効を使用した力強いパフォーマンスで会場の熱気を限界まで引き上げたかと思えば、バラードの「ひとりの夜 (Hitori no Yoru)」で、しっとりとした雰囲気に一変。直前に披露した反抗的な少年たちの内面にある脆さ、はかなさを表現するかのように「Farewell, Neverland」「0X1=LOVESONG(I Know I Love You)feat. 幾田りら[Japanese Ver.]」とエモーショナルなナンバーが続き、まるで一つの物語を読んでいるかのような没入感に包まれた。

    6年の軌跡が紡ぐエモーショナルなクライマックス

    次のセクションでは、メンバーがひとりずつ登場し、今年7月にリリースされた4thフルアルバム『The Star Chapter: TOGETHER』からソロ曲を披露。

    TAEHYUNは、「夜も光が輝いている日本の情緒に合う曲だと思った」と「Bird of Night」を繊細に歌い上げた。SOOBINは、爽やかな魅力がはじける「Sunday Driver」を披露。イントロのせりふはアメリカ公演から毎回アレンジしているそうで、この日は「今日から始まる日本でのツアー、ずっと待たせてごめんね。さぁ、楽しいドライブを始めよう! パッパ~!(クラクションを鳴らす)」と、ツアー開幕を盛り上げた。続くHUENINGKAIは、情熱的なダンスが見どころの「Dance With You」で、マンネ(最年少)のイメージを覆す大人びた一面を見せつけた。

    SOOBIN / Ⓟ & ⓒ BIGHIT MUSIC

    HUENINGKAI / Ⓟ & ⓒ BIGHIT MUSIC

    YEONJUNは「Ghost Girl」と、11月7日にリリースされたばかりの1stソロアルバム『NO LABELS: PART 01』のタイトル曲「Talk To You」を披露。最新曲の生パフォーマンスに、会場は熱狂の渦に巻き込まれた。

    最後に登場したBEOMGYUは、心温まるラブバラード「Take My Half」を歌唱。後のMCで「YEONJUNさんのステージを見ながら、えぇ! やばい! 次のステージが僕!? なぜぇー!(と思った)。でも、僕はMOAに幸せを届けなければいけない役割があるので、まあこくらいのことは~! と一生懸命に歌いました」と日本語と韓国語を織り交ぜて語ったBEOMGYUだが、そのやさしい歌声で会場中を癒していたことは言うまでもない。

    BEOMGYU / Ⓟ & ⓒ BIGHIT MUSIC

    衣装チェンジを終えて再び5人でステージに立つと、「Where Do You Go?」「No Rules」を披露。明るくポップなナンバーと金テープや紙吹雪の特効も相まって、会場のボルテージは最高潮に到達。SOOBIN、BEOMGYU、TAEHYUNが肩に手を置いて電車ごっこをするなど、メンバーたちも全身で楽しんでいることが伝わってきた。

    韓国デビューから6年、そして日本デビューから5年。新人時代をコロナ禍で過ごすという逆境を跳ねのけて、目まぐるしい勢いで駆け抜けてきた彼ら。これまでリリースしたタイトル曲は、韓国と日本を合わせて19曲にも及ぶという。MCでは、記憶に残っている曲を振り返り、「ひとつの誓い (We'll Never Change)」「Ito」でシンガロングが生まれる一幕も。そして、YEONJUNの「あの日の記憶を巻き戻して次のステージに行きましょうか」という言葉をきっかけに、公演はクライマックスへ。

    「Deja Vu[Japanese Ver.]」「Eternally」と2曲続けて披露し、VCRの後に再び登場したメンバーたちは、上下黒のナポレオンジャケット風の衣装にチェンジ。韓国デビュー曲の日本語版「ある日、頭からツノが生えた(CROWN) [Japanese Ver.]」はバラードバージョンにアレンジされ、スクリーンにはデビュー初期の映像と時計が映し出される。

    今年8月にメンバー全員が所属事務所・BIGHIT MUSICと再契約を締結したことが記憶に新しいが、静かながらも強く熱いステージから、これまでの軌跡とこれからも歴史を重ねていくという意思が伝わってきた。そして、「Beautiful Strangers [Japanese Ver.]」まで歌い終え、最後のMCへ。

    Ⓟ & ⓒ BIGHIT MUSIC

    前回のドームツアー時は左足の甲を骨折していたため、椅子に座ってのパフォーマンスとなったBEOMGYU。「前回は、ほぼステージができませんでした。その時、ステージの下でメンバーとMOAの姿を見ながら、少しでもいいからステージに上がって、思い切り走り回りたいと思っていました」と当時を振り返り、「でも、こうしてまたドームツアーに参加することができて本当に幸せです。メンバーとMOAと走り回ることができた今日この瞬間がとても大切です」と喜びもひとしお。「残りのドームツアーもケガをせずに5人で一生懸命頑張るので見守っていてください」と呼びかけた。

    SOOBINは「ドーム公演は初めてではありませんが、毎回規模の大きさに驚きながらスタートしています」と初日の感想を。続けて、「僕たちで話していたことなのですが、今回のアルバムで活動しながらMOAの反応がすごくよくて、それを体感することができて、胸がいっぱいになってやりがいを感じています。毎年MOAがさらに僕たちを愛して、待っていてくださるおかげで、こうして日本に来て活動することができています。いつもありがとうございます」と感謝を伝えた。

    Ⓟ & ⓒ BIGHIT MUSIC

    ラストは「星の詩[Japanese Ver.]」を歌い、本編は終了。公演前半で予告されていたアンコールは、報道陣にもシークレットだったことから、今後もその日だけの特別なセットリストが完成していきそうだ。この日は、「MOA、このまま終われないよ! もう一曲聴きたい!?」というYEONJUNの言葉とともに、トロッコに乗ってメンバーが再登場し、「Force」「Wishlist」を含む5曲を披露。最後の瞬間まで、すべてを出し切るように会場を盛り上げた。

    11月15日と16日の2日間にわたるベルーナドーム公演を成功裏に終えたTOMORROW X TOGETHER。ツアーは、来年2月まで、バンテリンドームナゴヤ、みずほPayPayドーム福岡、東京ドーム、京セラドーム大阪と続いていく。

    公演情報

    information

    TOMORROW X TOGETHER WORLD TOUR 〈ACT : TOMORROW〉 IN JAPAN

    [愛知]バンテリンドームナゴヤ

    • 2025年12月6日(土) 開場 15:00/開演 17:00
    • 2025年12月7日(日) 開場 14:00/開演 16:00

    [福岡]みずほPayPayドーム福岡

    • 2025年12月27日(土) 開場 15:00/開演 17:00
    • 2025年12月28日(日) 開場 14:00/開演 16:00

    [東京]東京ドーム

    • 2026年1月21日(水) 開場 16:00/開演 18:00
    • 2026年1月22日(木) 開場 16:00/開演 18:00

    [大阪]京セラドーム大阪

    • 2026年2月7日(土) 開場 15:00/開演 17:00
    • 2026年2月8日(日) 開場 14:30/開演 16:30

    Profile

    TOMORROW X TOGETHER

    トゥモロー・バイ・トゥギャザー BTSと同じBIGHIT MUSICに所属する5人組ボーイグループ。メンバーはSOOBIN、YEONJUN、BEOMGYU、TAEHYUN、HUENINGKAI。10月22日に日本オリジナルの新曲3曲を含む全12曲を収録したニューアルバム『Starkissed』をリリースした。2026年2月まで日本5大ドームツアー「TOMORROW X TOGETHER WORLD TOUR 〈ACT : TOMORROW〉 IN JAPAN 」を開催中。

    オフィシャルサイト

    取材、文・轟友貴

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