結成23年⽬のNEWSが15枚⽬のアルバム『変⾝』と共にアリーナツアー「NEWS LIVE TOUR 2025 変⾝」を開催中。全28曲を披露したステージから10⽉9⽇(⽊)横浜アリーナで⾏われた模様をレポートします。
毎回コンセプチュアルなNEWSのライブ。今回は、様々なアプローチで“変⾝”というテーマを体現したステージに。NEWSの変⾝物語を構築するだけでなく、このライブを終えた時、会場に訪れた⼈も新たな姿に変⾝ができるような体験に誘う。オープニングは、3⼈が横並びで「変⾝」を歌うシンプルな幕開け。まっさらな状態のステージに「変⾝」という⼤きな⽂字がLEDモニターに映し出された瞬間、バルーン装飾のお城が魔法のように登場。瞬く間に真っ⽩なブラウスの⾐裳に⿊×ゴールドのジャケットを⽻織り、貴公⼦に変⾝したNEWS。威⾵堂々、お城の上に君臨する3⼈が「変われ!」というメッセージを⼒強く繰り返す。バンド隊や旗を振るジュニアもステージに出現し、モノクロだった世界が眩しく、鮮やかに⾊づき始める。

「横浜! …JOYER」と増⽥貴久さんがささやくとまだまだ変われると歌う「JOYER」へ。3⼈の気合たっぷり、エネルギッシュな歌声に共鳴するかのように⾳⽟特効が炸裂し、1万5000⼈のJOYER(楽しむ⼈)が⼼を躍らせる会場。肩を並べて踊り、スタンドマイクを前に歌った全編英語詞にアレンジした「チャンカパーナ」を⽇本語と英語のミックスVersionで歌唱。メインステージのビジョンと連動した遊び⼼あふれるルーレット演出も。「横浜盛り上がっていきましょう」と⼩⼭慶⼀郎さんが呼びかけると会場に歓声が巻き起こった。
それぞれの個性が光ったソロコーナー。加藤シゲアキさんは作詞作曲を⼿掛けた「Cocoon」を真っ⽩のまゆのドームにすっぽり覆われて登場。⼿を差し伸べるように歌い、幻想的な光景を⽣み出した。虹のかかる空に⾶んでいくCocoonを歌う通り、ラストは蝶が⽻ばたいていく。増⽥さんは、⽩のレーザービームが⾶び交う中で「TM」を熱唱。この⼀瞬を切り取ってと歌う通り、⾃分をカメラで撮影しながら歩いて歌う場⾯も。途中でイエローの王冠にマントを⽻織り、サングラス姿に変⾝。⾃分らしさを⼤切にするメッセージソングを歌った。⼩⼭さんは、ジュニアの⼩⼭⼗輝さんと⼆⼈で「CHOIYAMA」を椅⼦に座ってパフォーマンス。名字が同じ⼩⼭で同じCHOIYAMA同⼠ということから実現したレアなコラボ。ラストに⼩⼭さんが⼗輝さんにほっぺハートのポーズを作り、キュートに決めポーズも!
今年結成23年⽬を迎えて、25年⽬が視野に⼊ってきたことが話題になったMC。デビューからこんなに変わり続けているグループは、多分⽇本史上初めてなんじゃないかと言う3⼈。「変⾝です、変化です! それぞれの道を3⼈で進めてきて、25年が⾒えてきましたね」と⼩⼭さんが⾔うと増⽥さんが「25周年、何やりたい?」と⾔い出す。2023年に東京ドームで開催された20周年のアニバーサリーライブは「シングル全部やっちゃいます」というタイトルを付けたため、⼤変だったと振り返る。加藤さんは「シングル全部はやめとこう。終わった後、出がらし(笑)」と相当パワーが必要だったよう。
増⽥さんが毎年事務所主催のカウントダウンライブで⼲⽀のコスプレをしてきたことから、25周年を迎える3年後の⼲⽀の話に。増⽥さんと⼩⼭さんが3年後の⼲⽀が分からないという中、加藤さんが⼲⽀を順番に⾔い出し、申年(サル年)と判明。⼩⼭さんは「申、めちゃくちゃやりやすいじゃん。モジモジくんみたいな茶⾊の着てさ(笑)」と増⽥さんにサルコスプレをおすすめ。ここ最近は、全国的に滑る可能性があるから番組でやらなくてよかったと安堵する増⽥さんに「まぁ、ずっと滑ってるんですけど、笑えない(笑)」と冗談交じりにいじる加藤さん。すると、「ボケを活かすも潰すもふたり次第だから!」とメンバーからのフォローを求めると「何も触れないっていうのも⾯⽩いけどね」と⼩⼭さん。それには「活きるよ〜、そういう時!」と喜ぶ増⽥さん。
ここから増⽥さんをフォローしてくれる後輩がいるのかという話になり、「キャラがかぶっているので⾔ったら、JUMPの⼭⽥(涼介)とSnow Manの⽬⿊(蓮)」とボケる増⽥さん。「悲しくない? 励ましてあげようか。⼤丈夫だよ、まっすー」と加藤さんが⾔うと、「⼀番悪いのは、皆さん(会場のファン)が笑うことだよ。そこは違わない?」と、⼭⽥さんと⽬⿊さんとのキャラかぶりと⾔った時に笑わずに賛同してほしかったとご⽴腹!? ⼩⼭さんが「まっすーは唯⼀無⼆ですよ!!」とまとめる姿は、22周年を迎えても変わらない、楽しいわちゃわちゃなやりとりで会場に笑顔の花が咲いた。
今回は、ツアー4年ぶりとなるジュニアとの共演も。渡辺惟良さん、上原剣⼼さん、高橋奏琉さん、⼩⼭⼗輝さん、⼩久保向⼀朗さん、岡橋亮汰さんら6名のジュニアがバックで出演し、NEWSのメジャーデビュー曲「希望〜Yell〜」を歌う場⾯も。スクリーンにはNEWSのデビュー当初の懐かしい映像も映し出される。NEWSから今なお伝統のバトンを受け継いでいるジュニアたちが6⼈だけでフレッシュなパフォーマンスを披露した。

歌舞伎の⼥⽅に変⾝するような楽曲「ごめんあそばせ」では、⾚とゴールドを基調とした華やかな花魁⾐裳に⾝を包んだ3⼈。この曲では、⼥性⼝調をモチーフにした物語で、歌舞伎の⼥に変⾝。キセルや手鏡、和傘など小道具を持って歌う姿も。扇⼦をヒラヒラとさせながら、妖艶なパフォーマンスで魅了した3人。ジュニアたちは⿊⼦になってダンス。艶やかで⾊っぽい姿に会場はうっとり。
本編の最後に23年⽬に突⼊した今の想いを語る場⾯が。トップバッターは、⼩⼭さん。「皆、楽しかった? ⼼は変⾝しましたか? NEWSは22歳になりました。今までいろんな変化や変わることがありましたが、揺るぎなく変わってないことは、この3⼈は船を下りていません。NEWSの船はこれからもこの3⼈と皆さんと⼀緒にオールを漕いで進めていきたいと思いますが、いかがでしょうか?」と会場を⾒渡すと「イエーイ!」という賛同の声が巻き起こった。今回のライブではジュニアがバックについているが、「この事務所の伝統であるジュニアが先輩に憧れる。それを守っていけるように僕らも頑張ります。なので皆さん、今⽇出ていたジュニアや他のジュニアの応援、後輩の応援をどうかよろしくお願いします」とその想いに触れた。そして、「皆さんパワー溜まりましたか? 今⽇溜めたパワーで、明⽇から頑張れよ。次会う⽇まで幸せでいてください。⼼は健康に、⼩⼭でした」と締めくくった。
続いて増⽥さんが「ただいまご紹介にあずかりました。私が何を隠そう、スーパー面白アイドルです」と挨拶すると、バンドとの連携プレイでドラムロールが鳴り響く。ぴったりとはいかなかったようで、「息が全然合いませんでしたが…、私がスーパー面白アイドルです。今⽇は⾯⽩かった? スーパー⾯⽩アイドルだけど、NEWS増⽥貴久、皆のため、NEWSのため、普通にスーパーアイドルでした。ちょっとアーティスト性がね、勝ってしまって、⾯⽩い部分はちょっと排除してお届けしましたが、スーパーアイドルとして、スーパー衣裳デザイナーとして、スーパー演出家として、全体で2曲だけ、曲の詞だけを書いておりますんでね、スーパー作詞家として。ということで、⾊々スーパーが揃ってますねぇ、スーパーマーケット!」とボケまくって、ご機嫌なダジャレを。
「今回、『変⾝』というツアーを回らせてもらうにあたり、どんな変⾝をしたら、皆が楽しんでくれるのかなって⾊々考えました。いろんなアーティストの⽅にも聞きました。倖⽥來未ちゃんに聞いたら、『1曲の中で何⼗回も着替えたほうがいいよ』って。『マジ、それ超⾯⽩いっすね』なんて⾔ったんだけど、できるわけなくない?(笑) 今⽇はくぅちゃん来てます!」と客席を紹介する場⾯も。
「くぅちゃんにアドバイスもらったんですけど、僕は僕なりに⾊々考えて、演出も考えました。そんな中でね、先ほど真ん中のステージで歌わせてもらった『クローバー』という曲は、NEWSのメジャーデビュー曲『希望〜Yell〜』のトラックを使って⾃分たちで詞を書いて、みんなに感謝を伝えた曲なんですけど、今回セットリストを作ってる時に、この曲も変⾝じゃん、今回のツアーにぴったりなのかなと思って選んだんですけど。ここに来てくれる一人ひとりがNEWSの現場、ここにも居場所があったんだって、ここが⾃分の居場所なんだなって思ってもらえるような場所が作れていたら嬉しいです。そんな活動ができるように、これからも頑張っていきます。またいつでもここに戻ってきてください。またここで会えるよね? またNEWSとここで会えるよね? 今⽇は最⾼の時間をありがとうございました!」とファンとライブでの再会を何度も約束。
そして、加藤さんは⼤きな⽬⽟の面白めがねをつけ、ステージに。「22周年を迎えて、まだまだ変⾝していくぞという想いを込めたライブだったんですが、これだけの多くのファンの皆様に⾃分たちのパフォーマンス、ラブを届けることができて本当に嬉しく思ってます。これからもずっとついてきて…ください…」と、めがねの⽬⽟を閉じてから「うわっ、ごめんなさい。最後の挨拶でうっかり寝てしまいました(笑)。だって、急にドラマが始まって、急にバラエティが始まって、舞台のクリエイティブプロデューサーと脚本とかやって、⼩説も書いて、そしてライブをしてるからついついちょっと疲れが出てきちゃったり」と笑わせるとまたもや⽬⽟を閉じて、「うわっ、⼆度寝してしまいました…! どうですか。スーパーウルトラ面白アイドルです! どうですか? くぅちゃん。僕、こんな感じでやってます。くぅちゃん、めっちゃ好きやで」と今度は倖⽥さんに指ハートでアピール。「くぅちゃん、さっきめっちゃ乗ってくれてたな。ありがとうな」とお礼を。そして、「ごめんなさい。やっていいことと悪いことの境界線が最近、分からなくなってます。これ、明⽇のテレビに出ちゃうかも。でも、俺、⼀⽣懸命やってるから。こんなことやってるのは、皆に笑ってほしいから。楽しんでほしいから。好き、好き、好き、めっちゃ好きやで〜」と、指ハートを客席に向ける。
「皆に応援してもらうために⼀⽣懸命、頑張っていこうと思って。⼀⽣懸命やってるから、みんな応援してくれるんだもんね。(会場を⾒て)頷いてる。偉いよ。⾒えてるから! ⽬バキバキだから! ⼀⽣懸命に⽣きてるから、皆が応援してくれる。そして、皆も⼀⽣懸命、⽣きてる顔してる。だから、俺も応援するよ。皆は俺たちが推しだけど、俺は皆の推しだから」と⾔ったところで「あ、違う。もう⼀回やらして(笑)。俺はみんなの推しだけど、皆は俺の推しだから。推し、推し、推し、推し…」と客席のファンの皆さんに指を差す加藤さん。「推し活っていうのはさ、やっぱお⾦もかかるわな、体⼒も使うわな。⼀⽣懸命⽣きていこうよ。新しい⾃分に変⾝してさ、⼀⽣懸命⽣きていこうよ。なっ、約束だぞ! それはつまり、労働! 三⼤義務の一つ労働…労働!」とすっかりおなじみとなった労働コールへ。加藤さんに続いて「労働!」と繰り返す客席。「勤労、勉強、宿題、タスク」とそれぞれコール&レスポンスを繰り返し、「全部、頑張る。俺はシゴデキ、皆もシゴデキ。皆も天才だぞ。めっちゃ好きやで。ハニーフラッシュやで〜!」とステージでしか⾒られない超ハイテンションな加藤さんの挨拶に会場が爆笑に包まれた。
最後に「それでは最後に僕たちの名前を聞きますんで、今⽇一番の声を出してほしいと思います。今のシゲの(労働コール)で声出しが終わったと思います(笑)。シゲの時よりも一番⼤きな声で。よろしくお願いします。僕たちの名前は“せーの”」という⼩⼭さんの仕切りで「NEWS」とこの⽇⼀番の声で叫ぶ会場。「ありがとう。愛してるよ〜!」と叫ぶ加藤さんに「バカヤロー、俺のほうが愛してるよ」と増⽥さん。⼩⼭さんもバカヤロー、俺のほうが愛してるぞ」と⾔えば、加藤さんも「バカヤロー、俺のほうが愛してるぞ」とこちらもおなじみのバカヤロー合戦が繰り広げられる。最後に⼩⼭さんの合図で、皆で⼤きくジャンプ!

ラストを飾ったのは、ありのままの⾃分を肯定しようと歌う愛の唄「君のままで」。今が幸せというような笑顔で、ありったけの想いを込めて歌う3⼈。“君のままでいい”というフレーズが聴く者を優しく包み込む。最後にメンバー3⼈が直筆で描いた“君のままで”という⽂字がステージのビジョンに映し出され、幕を閉じた。本編では、声優の⼭寺宏⼀さんのナレーションで3編の変⾝講義が挟まれ、NEWSと観客が⼀体となって変わることについて考えさせられた2時間15分。変わりたいなら、今の⾃分⾃⾝を愛することから始めることが⼤切だと気づかされたライブだった。