
世界中で感動を分かち合える今、エンタメから巻き起こる熱狂のパワーは増すばかり。みんなの気持ちを揺り動かしている人物や作品とは? エンタメ事情に詳しい識者が注目のトピックスとともに、“バズ”を生んでいるコンテンツや事象を深掘り!
Index
内省的なインディーポップを生み出す、「綴りを変えた名前」の男性アーティストたちに注目!
ここ数年、インディーポップの影響を受けたシンガーソングライターが、ベッドルームで作って投稿した楽曲がバズったことを機にブレイクするというルートが定番化。その中でも最近、早耳なリスナーの間で名前が挙がる人には、ある共通点が!
「アメリカのSombr(ソンバー)やJVKE(ジェイク)、国内では新鋭のRol3ert(ロバート)などアーティスト名の綴りがどれもユニーク! その理由は、検索でオリジナルな結果を出しやすいから。それぞれの音楽性からはどこか内省的な部分も感じられます」(柴那典さん)
1段階ギアアップ。「K-POPのグローバルメソッド化」が世界に熱狂を巻き起こす
今や世界でも欠かせない音楽ジャンルとして確立されたK-POP。もはやジャンルの垣根を越え、世界的な文化現象となりつつある。
「今年6月に公開され、今もなお大ヒット中のNetflixのアニメーション映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』。その劇中に登場するガールズグループ『Huntr/x(ハントリックス)』が歌う『Golden』が米ビルボードのメインシングルチャート『HOT100』にて1位を獲得。K-POP女性ボーカルの楽曲としては初の首位獲得という快挙を成し遂げました。またK-POPの育成メソッドを用いてアメリカで行われたオーディションプロジェクトからデビューした6人組グローバル・ガールズ・グループ『KATSEYE(キャッツアイ)』も、新しい旋風を巻き起こしています。K-POPの方法論が、エンタメの基盤として海外輸出され、ローカライズを各地で始めたことで、さらに世界を席巻していきそう」(柴さん)

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』の人気が止まらない!
「アニメーション映画とK-POPのカルチャーを融合した新しいカタチ。楽曲も素晴らしく、エンディングの曲はTWICEのメンバー3名が歌っていることもヒットの要因に」。累積視聴回数が2億3600万回を超え、Netflixで最も多く観賞された映画1位に! Netflix映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』独占配信中

多人種メンバーが英語で歌う『KATSEYE』
BTSを輩出した「HYBE」と、「ユニバーサル ミュージックグループ」傘下の「Geffen Records」の共同企画であるリアリティショーから誕生。「K-POP独自の人材育成・開発メソッドをUS音楽界に導入し、新しい流れを作った」
舞台作品の圧倒的人気ジャンル「ミュージカル」。宝塚を退団した元トップスターたちが次々参戦
役者の息遣いや凝った演出など、生ものならではの迫力を間近で感じられる舞台。コロナ禍直後の熱狂は落ち着いたが、その中でも圧倒的に人気なのがミュージカル。
「芝居、歌、演奏、ダンスなどを取り入れ、物語を多角的に表現することで、より観客の心に響かせられるのがミュージカルの魅力。それゆえ、生の舞台のよさが一番伝わりやすいのかもしれません。名作とされる作品が、日本でも定期的に上演されるので、固定ファンが多いのも特徴」(望月リサさん)
ミュージカル界の新スターが次々と生まれているのも大きい。
「数年前に宝塚歌劇団を退団された明日海りおさんや望海風斗さんがミュージカル界で飛躍しています。さらに今年8月に宝塚を退団された、歌、ダンス、芝居と三拍子揃った超実力派のトップスター・礼真琴さんの活躍にも期待が高まっています。ミュージカル界はさらに活性化するでしょう」
新たな場所で飛躍する元宝塚スターたちから目が離せない!

新キャストを迎える『エリザベート』
10月から上演される大ヒットミュージカル『エリザベート』。「望海風斗さんと明日海りおさんがWキャストで、タイトルロールを務めます。このおふたりは宝塚歌劇団の在団中から『エリザベート』と深い関わりがあり、もうすでにヅカファンの心を鷲掴みに」

『ミス・サイゴン』が、来年から全国公演決定
4年ぶりに上演が決定した『ミス・サイゴン』。1992年から1000回以上も上演されている名作中の名作。今回は、新たなステージに向け、次世代を担うキャストを見出すオーディションを実施。「まだキャストは発表されていませんが、今から待ち遠しいです!」
Profile
柴 那典(とものり)
音楽ジャーナリスト。京都大学総合人間学部を卒業後、ロッキング・オンを経て独立。雑誌、ウェブなど各方面にて、音楽やサブカルチャー分野を中心に幅広くインタビュー、記事執筆を手がける。
望月リサ
ライター。現代演劇、ミュージカル、宝塚歌劇団、2.5次元作品など、舞台を中心としたエンタメに詳しく弊誌をはじめとした雑誌やパンフレットなどに幅広く執筆。人物インタビューに定評がある。
anan 2463号(2025年9月17日発売)より