158の国と地域、7つの国際機関が参加している「大阪・関西万博」は、世界中の異なる文化に気軽に触れて、新しい価値観を知れるのが醍醐味! そこで海外をメインに、異文化交流や、心躍る体験ができるパビリオンを紹介。
Index
【サウジアラビア×スーク】
石造りの巨大なラビリンスで、サウジの文化や伝統を丸ごと体感。

石造りの建物が並ぶ。夜は壁面にエキゾティックな映像を映し出すショーを開催。
次に開かれる2030年の万博の開催地であるサウジアラビア。海外パビリオンの中で最大の広さを誇り、その建物には現地から運んできたリヤド石が用いられ、伝統的な市場「スーク」を再現。入り組んだ路地を歩いていると、現地の職人が伝統工芸品の制作実演をしていたり、サウジコーヒーが味わえるカフェがあったりと、現地の雰囲気が広がる。6つの没入型ルームとギャラリーからなるサウジの豊かな遺産と文化が知れる展示も見どころ満載。さらにサウジ13地域の料理が味わえるレストランも大人気で、連日長蛇の列が。スパイス香るサウジ料理を本場の雰囲気の中で味わえるのが贅沢。

米や小麦、羊肉、鶏肉、魚、乳製品など、サウジの豊かな食文化を堪能できるレストラン。パン¥300、1品料理¥1,000ほどとお手ごろ。

実演以外にもライブパフォーマンスやショーが行われることも。

レストランの入り口で振る舞われるサウジコーヒー。カフェでは1杯¥700で提供。
【フランス×オートクチュール】
『ルイ・ヴィトン』『ディオール』のクラフツマンシップに触れる。
フランスを象徴するメゾン『ルイ・ヴィトン』と『ディオール』が培ってきた匠の技に触れられる展示に心惹かれる人が続出。ルイ・ヴィトンは、“クラフツマンシップへの愛”“日本への愛”をテーマに、建築家の重松象平さんとコラボ。84個のトランクが積み上げられた空間では、トランクに仕込まれたモニターに職人技が映し出される演出が素敵。一方、ディオールは、1947年にデザインされたバースーツなど、歴代の様々なシルエットにフォーカス。細部にまでこだわりが宿る手作業の美しさを感じられる展示の数々に、感性が磨かれる。

ディオールのシルエットのスケッチを立体的に表現した約400点の白いトワルと、3Dプリントで再解釈したフレグランスボトルの展示。アーティストの高木由利子さんの作品が空間に華を添える。

ディオールのトリコロールカラーのバースーツも目を引く。

ルイ・ヴィトンのトランクで作った球体「トランクのスフィア」。アーティストの真鍋大度さんが手がけた映像作品が投影され、幻想的な五感の旅へと誘う。
【イタリア×芸術作品】
古代ローマ時代の彫刻作品など、国宝級の激レア芸術品がずらり。
「ルネサンス期の理想都市」を近代的に再解釈し、ローマの円形闘技場遺跡「コロッセオ」を思わせる外観や、劇場、アーケード、広場、庭園などがデザインされたイタリア館。その精巧な造りも見応え十分だが、館内に展示された門外不出の芸術品の数々に圧倒。目玉は古代ローマ時代、2世紀の大理石彫刻「ファルネーゼのアトラス」。さらにカラヴァッジョの最高傑作「キリストの埋葬」やミケランジェロの彫刻「キリストの復活」、レオナルド・ダ・ヴィンチのスケッチ「アトランティックコード」など、世界の至宝を間近で眺められるのは貴重。

ナポリ国立考古学博物館が所蔵する「ファルネーゼのアトラス」。高さ2m、重さ2tにも及ぶ世界的な文化遺産が日本初公開。

1602~1604年頃に制作されたバチカン美術館の至宝「キリストの埋葬」。

イタリアの伝統と最新技術を融合させた展示空間。円形に配置された30個の白い液体セラミックのハートで構成されたヤゴの「循環器系」や、ドメニコ・ティントレットの「伊東マンショの肖像」などもこちらに飾られる。
【ヨルダン×砂漠】
本物の砂漠の赤い砂の上を裸足で歩く、非日常体験が!
パビリオンの規模はさほど大きくないが、魅力的でユニークな展示や体験ができるとあって、満足感が半端ないと話題になっているのがヨルダン館。館内には、世界遺産で映画『スター・ウォーズ』のロケ地としても知られる、ヨルダン南西部の砂漠地帯「ワディ・ラム」から運び込まれた赤い砂22tが敷き詰められた砂漠エリアが。来場者は裸足で砂漠の上を自由に散策できる。さらに現地の職人による砂漠の砂を使ったサンドアートを購入できたり、カルダモンが香るヨルダンコーヒーを飲めたりと、異国情緒たっぷりの体験の数々に心が躍る。

館内にはスパルームを完備。目の前に広がる死海の大パノラマ映像を見ながら、死海の塩や泥を使ったハンドマッサージ20分¥2,500~が受けられる。毎日先着予約制。

モザイクアートなど、ヨルダンの伝統的なハンドクラフトを体験できるワークショップ(有料)も人気。

砂漠の上で、周囲の壁や天井に映し出されるヨルダンの自然風景や星空の映像を鑑賞。しばし神秘的な世界に思いを馳せられる非日常体験が楽しめる。
EXPO 2025 大阪・関西万博
Information
開催期間:10/13まで 開場時間:9:00~22:00 開催場所:大阪・夢洲 交通:Osaka Metro中央線夢洲駅すぐ チケット:大人一日券¥7,500、平日券¥6,000、夜間券¥3,700など
anan 2454号(2025年7月9日発売)より