PLLIに恩返しがしたかった(YEJUN)
── 日本デビューおめでとうございます! 以前から日本で活動したいとおっしゃっていたPLAVEさん、実際にその夢が叶ってどんなお気持ちですか?
日本デビューが決まったと聞いた時は実感がわきませんでしたし、実は今もまだ実感がわきません(笑)。デビューシングルとショーケースの準備を進めながら、こうしてインタビューを受けていると、本当に日本でデビューするんだなという感慨がやっとわいてきました。個人的には、日本でPLAVEをもっとたくさんの方に知ってもらえることにとてもわくわくしています。
今までは韓国語で表現するのに適した曲を中心に制作してきましたが、そろそろ僕たちが作った曲を他の言語でもうまく表現できるだろうという思いが強かったです。それに、いつもあたたかく応援してくださるPLLIのみなさんに恩返しができれば、とも思っていました。
日頃から慣れている言語ではない言葉で感情を伝えなければならないので、みなさんにきちんと伝えられるだろうかと心配もありますが、楽しみでもあります。最近はみんな日本語の勉強をがんばっています。
はい、一生懸命日本語の勉強をしています! PLAVEの日本語曲を歌えることがとてもうれしいですし、今年もまた特別な夏になりそうですね。
最近、日本デビューへの気持ちについてよく聞かれるんですが、僕は言葉ではなくステージで、僕たちの音楽を通して日本デビューに向けた覚悟を証明したいと思います。そして僕たちの音楽とステージが誰かの心の琴線に触れたなら、僕はそれだけで満足です。
大切なPLLIや音楽活動をしていて出会うすべての方とのご縁が“第二の故郷”(HAMIN)
── 日本のテレビ番組に出演された際にはお笑い芸人の方やミュージシャンの方などと共演しています。印象的だったエピソードや感想を教えてください。
音楽番組に出演させていただいた時、MCのバカリズムさんが日本語を教えてくださったんですよ。「ここが第二の故郷です」という言葉を習ったんですが、すごくウィットがあって、印象に残る言葉だなと思いました。僕たちには、大切なPLLIのみなさんをはじめ、音楽活動をしていて出会うすべての方とのご縁が“第二の故郷”だな、と思いました。
音楽バラエティ番組にも出演させていただいたんですが、そこでメンバーたちが持つ特殊能力のエフェクトをお見せしたんです。出演者のみなさんがすごく面白がってくださり、後で自分たちにもエフェクトを入れてほしいとおっしゃっていました(笑)。
僕たちが魔法を使うのをMCのみなさんがすごく羨ましがってましたね(笑)。みなさんがアステルム(※PLAVEが暮らす世界)に遊びに来たら、魔法を付与する儀式をすることになりました。ぜひ遊びに来てほしいですね。
── 日本デビュータイミングに、YouTubeショートや日本の番組などでJ-POPのカバーをされていましたが、その曲を選んだ理由はなんですか?
僕は藤井風さんの「きらり」を歌いました。初めてこの曲を聴いた時、本当にいい曲だなと思いましたし、特に僕の声と一番よく合いそうだなと思ってこの曲を選びました。とても涼しげでさわやかな曲なので、その雰囲気が僕の声とよく合う気がして、選曲しました。
僕はKing Gnuさんの「白日」という曲を歌いました。僕はもともとJ-POP好きなんですが、日本デビュー曲を作っている時、さらにたくさんの曲を聴くようになったんですね。そうやっていろんな曲を聴いているうちに、YouTubeのアルゴリズムでこの曲がおすすめされたんです。再生回数が多い曲なので気になって聴いてみたらすごくいい曲だったので、クリップしておいたんです。日本の曲をカバーすることになって、僕は普段はロック調の曲をお聴かせすることが多かったので、今回はちょっと違う感じの曲を歌ったらどうかと思って、この曲を選びました。
冗談じゃなくうますぎでした。まさにチーズが溶けて流れ落ちるようでしたよ。
僕はtuki.さんの「晩餐歌」を歌いました。僕が普段からよく聴いていた曲で、女性歌手の方の曲なのですが、ちょっと強い感じでやってみたらどうかと思って歌ってみることにしました。原曲はキーがすごく高いんです。そこで、半分だけキーを下げたほうがもっときれいに歌えると思って、下げて歌ってみました。
「晩餐歌」をレコーディングする前に、晩餐会はしましたか?
おいしいものをたくさん食べてくださいね(笑)。そういえばバンビさんが「晩餐歌」を歌った後、tuki.さんがリアクションしてくださったんですよね。
そうなんですよ。tuki.さんがカバー映像を見てコメントしてくださったんです。とても光栄でしたし、感謝しています!
僕はあいみょんさんの「愛を伝えたいだとか」を歌いました。僕の新しい魅力をどうしたらお見せできるかと考えて選んだ曲でもありますし、女性ボーカルの方の曲に挑戦してみたいという思いもありました。
じゃあこのインタビューを通して、みなさんに愛を伝えてください。
僕はVaundyさんの「不可幸力」という曲を選びました。練習していた時はもっとシンプルに歌っていたのですが、メンバーたちからハミンのスタイルで歌ったほうがいいとアドバイスをもらって、僕なりのスタイルでカバーできたと思います。PLLIのみなさんもその雰囲気を気に入ってくださり、うれしかったです。
今までの曲の日本語バージョンでなく、日本オリジナル曲でデビューしたかった(NOAH)
── デビュー曲のタイトル「かくれんぼ」にはどんな意味が込められていますか?
「かくれんぼ」はPLAVEにとって初めての日本オリジナル曲です。僕たちが作るバンドサウンドを、日本ならではのスタイルで再解釈してみました。輝く青春の瞬間と別れ、その中で平行線のようにお互いの想いに気づけずにすれ違っていた2人を描いた楽曲です。
「君」の面影を追いかけて辿り着いた場所で、「僕が君を見つめていたように、君の瞳の中にも僕がいたんだ」ということに気がつき、最後は「まるでかくれんぼのようだったね」と気づく、そんな切ないストーリーになっています。
── 「かくれんぼ」はさわやかでありながら切なさも感じさせるメロディラインが特徴的ですが、この曲を作るにあたって考えていたことはなんですか? 制作スタイルにこれまでとの違いはありましたか?
曲を作っている時にすごく欲ばりになって、今までの曲の日本語バージョンではなく、日本オリジナル曲でデビューしたいと考えていたんですよ。さらに、僕たちが今までやってきたバンドサウンドをうまく生かしながら、J-POPの雰囲気を加えてみたらどうだろうと思ってJ-POPもたくさん聴きましたし、とにかく一生懸命準備しました。アニメやドラマに出てきそうなさわやかな曲にしたいと思っていたのですが、そういった雰囲気がうまく出せてよかったです。
イントロからギターサウンドで夏らしさをしっかりと出せたと思います。日差しが強い日に、冷たい飲み物を飲む感じ? メインのメロディは叙情的でもありますよね。いろんな感情をこの一曲に詰め込みました。
日本デビュー曲ですが、制作過程は今までとそんなに変わらないですね。音楽はたくさんの方と共感する力を引き出すことが何より重要だと思うので、そういった部分はどんな言語であっても変わりません。それが僕たちの原理原則ですね。あとは新人グループとして、僕たちの情熱と真心、そして青春のイメージを惜しみなく表現したいと思いました。
── 振付を担当するBAMBYさんとHAMINさんは初めてこの曲を聴いた時にどんなことが思い浮かびましたか? また、振付のポイントを教えてください。
僕は日本のアニメが思い浮かびました。主人公たちの出会いと別れを描いた場面がアニメには多いですよね。そんなイメージをもとに振付を作りはじめたんですが、やっているうちにいろいろと欲ばりすぎて、50回以上振付を修正しました。
振付がたくさん変わって本当に大変だったんですよ! この場を借りて僕に謝って!
バンビさんはどんなに忙しくても、徹夜してでも振付を考えるタイプなんですよ。振付を100個考えて、それを3つくらいまで絞って提案するといった感じで、情熱的に振付を考えてくれる人なので、すごくリスペクトしています。メンバーたちは振り覚えが以前に比べると早くなりましたが、新しい動きが出てくるとまだ迷うこともあって、少しずつ振りを覚えながら自分なりの動きに落とし込んでいく過程は見ていて面白いです。ダンスのポイントは、かくれんぼしているような振付ですね。特にサビのパートで腕と首を隠す動きがあるんですが、かくれんぼしている時のように体を隠す動きをポイントにして振付を作りました。
振付を考えているといろんなアイデアが浮かんで整理しきれないことも多いんですが、そういう時はハミンさんが助けてくれてありがたいです。イントロではどこかに吸い込まれるような感じを表現した振付があるんですが、これは『不思議の国のアリス』のように別世界に少し落ちていく場面を思い浮かべながら作りました。
── 「かくれんぼ」は初めてPLAVE以外の方が歌詞を担当しましたが、どのように制作していったのでしょうか。
以前、音楽プロデューサーのUTAさんを尊敬しているとananさんのインタビューで言及したことがあるんですが、今回こうしてご一緒させていただくことになってとても光栄でした。歌詞に関しては、僕たちが曲を作った段階である程度のストーリーラインを韓国語で作っておいて、それをUTAさんにお送りしました。こんな感じの歌詞が日本語で歌えたらうれしいですと伝えさせていただいたのですが、UTAさんが素敵な歌詞を書いてくださって、僕たちもとても気に入っています。
いただいた歌詞は何だか詩のようでもあり、「かくれんぼ」というコンセプトがより明確になって、曲の世界観にすっと入れる歌詞になっていますよね。そういえば、「かくれんぼ」はサビの1番と2番の歌詞が違うんですよ。
そうなんです。実はアステルムでは1番と2番のサビの歌詞が同じことが多いんですが、「かくれんぼ」は1番と2番の歌詞が異なるので、まさに一編の詩のようですごくよかったです。
日本語の発音はとにかく難しかったです! 僕のパートには「つ」が連続で出てくる「ひとつずつ」という歌詞があって、レコーディングではものすごく苦労した思い出があります(苦笑)。
日本語の発音を気にするあまり上半身裸でレコーディングしたことも…(BAMBY)
── 日本デビューの前から日本語を勉強していたメンバーもいらっしゃったようですが、今回の日本語でのレコーディング秘話を教えてください。
僕は日本語にすごく興味があって、日本語の資格も持っているんですけど、レコーディングはまた全然違うんですよね。発音には特に気をつけていたのですが、今まで日本語でレコーディングしたことがないのもあって、うまくできなくて…。もどかしい気持ちから上半身を脱いでレコーディングしたらすごく効果があって、楽しかったです。
さっきノアさんが言っていたように、日本語は韓国語にはない発音があるんですよね。「つ」という音をうまく発音するのが本当に難しかったです。それもあって韓国語の曲をレコーディングする時よりも時間がかかりました。それでもタイトル曲も収録曲も、曲を聴いた時にメロディと歌詞に集中してもらえるように、発音のささいな違いにも気を配ってレコーディングしました。
「Chroma Drift」は日本語の歌詞で歌うとレトロなシティポップの感性がより濃くなった(EUNHO)
── 3rdミニアルバムの収録曲「RIZZ」「Chroma Drift」は日本語バージョンが収録されています。日本語になって印象が変わったところはありますか?
「RIZZ」はよりセクシーになった気がしますし、「Chroma Drift」はよりシティポップらしくなったと思います。
そのとおりだけど、簡潔に言いすぎかもしれません(笑)。「Chroma Drift」はもともとこの曲を作っていた時から話していたんですが、日本の夜景やネオンサインがイメージとして浮かぶシティポップなんですよ。その曲を日本語の歌詞で歌うと、レトロなシティポップの感性がより濃くなったと思います。
── 「かくれんぼ」のMVでは電車や東京などが登場し、日本らしい映像が印象的でした。どのようにイメージされたのでしょうか?
僕たちがみんなで日本に遊びに行った時の印象が反映されていると思います。日本では遊園地に行ったり、路地裏を散歩したり、日常的な生活が垣間見られる場所を訪れたり、電車にも乗ったんですよ。5人で日本を旅しながら楽しんだ思い出やその時に抱いた感情が「かくれんぼ」には込められています。
── 日本デビューも果たし、今後は日本での活動も楽しみにしています。みなさんとしてはどんなことが楽しみですか? PLAVEとして、もしくは個人的にやってみたいことはありますか?
子どもの頃から日本の音楽をたくさん聴いてきましたし、日本で活動することが僕の夢でした。自分で作った日本語曲で日本のステージに立てるなんて、本当に夢みたいです。日本デビューはそんな僕の夢が叶ったようで本当にうれしいですし、PLLIたちと一緒に日本語の曲を歌う時が待ち遠しいです。一生懸命がんばります!
僕はバンドサウンドが大好きなので、日本のロックフェスのステージに立てたら光栄ですし、きっと気持ちいいだろうなと思っています。個人的には、休みができたら日本の街を歩いていろんなことを吸収して、それを曲作りに活かしたいですね。
PLAVE
プレイブ 2023年3月に韓国でデビューした、バーチャルアイドル。通称・作曲ズと呼ばれる、作詞・作曲・プロデュースを行うYEJUN(イェジュン)、NOAH(ノア)、EUNHO(ウノ)と振付を担当する通称デンラズのBAMBY(バンビ)、HAMIN(ハミン)で構成。優れた音楽性やハイレベルなモーションキャプチャー技術を活用したステージが注目され、韓国の地上波音楽番組でバーチャルアイドルとして初の1位を獲得するなど、各チャートで記録を更新。“テラ”(地球)のファンと交流しながら彼らが暮らす“アステルム”、キャラクターが暮らす“カエルム”など、考察したくなる世界観も話題に。6月16日に日本デビューを果たし、7月9日にJP 1st SINGLE『かくれんぼ』をリリース。
JP 1ST SINGLE『かくれんぼ』発売中!
6月16日に配信がスタートしたシングル「かくれんぼ」で日本デビュー! 同17日には、記念ショーケースを開催し、会場を埋めたたくさんのPLLIに生パフォーマンスを届けたPLAVE。ananのSNS(Instagram、YouTube、TikTok、X)ではメンバー1人ひとりによる“他己紹介”ムービーを投稿しています。
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