
當真あみさん
実写映画化もされた青春漫画の名作がドラマとして帰ってくる。今作『ちはやふる‐めぐり‐』では映画から10年後の世界がオリジナルストーリーとして描かれる。
時を越えて、かるたにかける青春の輝きを表現したい
「漫画も映画も、多くの人の心に残っている名作。私自身、広瀬すずさんが主演をされた劇場版を観ていたので、その世界の続きを演じさせていただけることがうれしい半面プレッシャーでもあります…!」
と語るのは今回のヒロイン、藍沢めぐるを演じる當真あみさん。
「めぐるは、梅園高校競技かるた部の幽霊部員です。バイトと投資が好きで、非効率的なことが苦手。部活も進学のための内申点をもらうために所属している子で、自分は青春とは縁がないと思ってまわりと距離を置いているところがあって。そんなめぐるが大江奏(おおえ・かなで)先生と出会い、かるたにのめり込んでいくんです」
大江奏先生とは、劇場版で上白石萌音さんが演じた、和歌を愛する“かなちゃん”。梅園高校の教員となった10年後を、今回も上白石さんが演じる。
「映画を観て“かなちゃん”と親しんでいたので、今回上白石さんを大江先生と呼ぶのが新鮮でした(笑)。私だけでなく劇場版への愛が強いキャストが集まっていたので、みんな口々にそう言っていましたけど」
今回はオリジナルストーリー。10年前の世界観を継承する上で上白石さんは、若手キャストにとっても心強い存在だったそう。
「去年の秋からキャストみんなでかるたの練習をしていたんですけど、撮影に入ってからは私たちの仲良しぶりを見て『劇場版もこうだったよ~』と微笑ましく語ってくれたり、私たちを見守ってくださいました。一方で、私はかるたは超初心者。いざやってみると、狙った札を払う、そのことが本当に難しくて…! 広瀬さん演じる千早(ちはや)はかるたの名手でしたから正反対です。でもそれぞれが迷いながら、かるたという同じ道を進んでいこうとする仲間との絆は同じだと思うんです。そして何よりかるたへの熱量! それに関しては、原作と劇場版から今作もしっかりと引き継ぐことができていると自信を持っています」
競技かるただけでなく今回初めて百人一首の世界にもふれた當真さん。特に心に残った一首はありますか。
「そうですね…撮影で出合った和歌なんですけど。『このたびは ぬさもとりあへず 手向山(たむけやま) もみぢの錦 神のまにまに』っていう。これはですね…『お供え物のかわりに紅葉の葉を手向けます、あとは神の御心のままにお受け取りください』という歌。願掛けではなく、見守ってくださいね、という潔い決意を歌から感じて好きです」
名作の主演という大役に挑む、當真さんの思いを表す歌。
「時代は変わっていくけれど、かるたに対する情熱は変わらない。あのときと同じ気持ちで輝いている大江先生の姿とともに、めぐるたちの青春のきらめきを感じていただければうれしいです!」
當真あみさん
Profile
とうま・あみ 2006年11月2日生まれ、沖縄県出身。’22年、ドラマ初出演。8月公開の映画『雪風 YUKIKAZE』、10月公開の主演映画『ストロベリームーン』ほか多数の作品が控える。今夏は地方の祭りを観に行くのが目標。
『ちはやふる‐めぐり‐』
Information

令和の高校生たちのかるたにかける青春が、原作者・末次由紀さん参加のオリジナルストーリーとして展開する。主題歌は劇場版に続き、Perfumeの新曲「巡ループ」。日本テレビ系・毎週水曜22時~放送中。
写真・野呂知功(TRIVAL) スタイリスト・大村淳子 ヘア&メイク・SAKURA(makiura office) インタビュー、文・大澤千穂
anan 2454号(2025年7月9日発売)より