(P)&(C) BIGHIT MUSIC

TOMORROW X TOGETHERが5月24、25日に東京・有明アリーナで開催された「TOMORROW X TOGETHER WORLD TOUR <ACT : PROMISE> - EP. 2 - IN JAPAN」でワールドツアーの最終回を迎えた。その24日の公演をレポートします。


やわらかいオレンジの光がステージを照らす中、黒いスーツ姿の5人がゆっくり五角形のセンターステージへと歩いていき、一瞬の暗転ののち「Over The Moon」がスタート。早くも会場が揺れるほどの大歓声を受けると、ハードなギターサウンドが印象的な「Deja Vu [Japanese Ver.]では、スクリーンには古ぼけた時計塔や夜空が浮かび、物語を予感させる。続く「0X1=LOVESONG」はひときわ大きくなったメンバーの名前を呼ぶコールからスタート。エモーショナルな感性が爆発するかのように感情が手の先からほとばしり、5人のジャンプした足の高さにはパフォーマンスに対する本気度が伺える。そんなTOMORROW X TOGETHERの熱を受けて、会場のMOA(TOMORROW X TOGETHERのファンネーム)たちの歓声がいつまでも止まなかった。

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MCではTAEHYUNが「MOAに会いたかったですか?」とBEOMGYUに問いかけると「言わなくてもわかるでしょ」とツンな答えを返しつつ、「どれくらい?」と聞かれて「これくらい!」とジャンプしながら大きな愛情を示す一幕も。YEOUNJUNは「MOAがかわいすぎて困る」と照れながら微笑み、TAEHYUNは「MOAちゃんに会いた過ぎて全力疾走してきたTAEHYUNです」と自己紹介。今回のアリーナツアーは、昨年開催された4大ドームツアー<ACT : PROMISE>の第2章にあたるもの。「ドームツアーでは華やかなステージをお見せしましたが、今回のエピソード2では夢の出発点で新しいスタートを切った5人のストーリーをお見せします」とSOOBINが自信を覗かせた。

そんな言葉通り、再びライブに戻って始まった「Devil by the Window」からはダークファンタジーの世界に迷い込んだかのような世界観をTOMORROW X TOGETHERらしく表現して見せた。韓国の民族楽器である太鼓の音が激しく打ち鳴らされ、韓服をまとったBEOMGYUが大きな扇をゆったりとあおぎながらセンターステージに辿りつくと、ピンクの花弁のような紙吹雪の中、舞をひとさし。そこへ4人が合流すると、伝統音楽風にアレンジされた「Sugar Rush Ride」のステージへ。優雅に裾を翻し、花の形の紙吹雪が舞う中でのパフォーマンスは5人の美しさも相まって幻想的な雰囲気に。その勢いのまま始まった「Farewell, Neverland」はネバーランドに別れを告げる切ない曲。金色の紙吹雪がキラキラと輝く中で空を見つめる5人は少年期の終わりのような物悲しさを感じさせた。

背中に天使の羽根が刺繍されたおそろいのブルーのスカジャンに着替えて始まった「Resist (Not Gonna Run Away)」は歌い出しのTAEHYUNのファルセットから気合十分。ラテンの跳ねるリズムに身を委ねるこの曲は、東京ではこの日が初披露。TOMORROW X TOGETHERとしては「今までになかったジャンルのパフォーマンス」とHUENINGKAIが語ると、TAEHYUNも「初めて見た時、歌もダンスも難しそうだけどかっこいいだろうなと思いました。でもたくさんのMOAが気に入ってくれたのを見て、新しいパフォーマンスを見せられてよかったなと思いました」と満足げ。実は、「Sugar Rush Ride」前のBEOMGYUのソロパフォーマンスもこの日が東京初披露。「韓国公演とはちょっと違ってパフォーマンスに特化してみたけど、僕のソロパフォーマンス、よかったかな?」とBEOMGYUが問いかけると、会場のMOAからは大歓声が返ってきた。

SOOBIN (P)&(C) BIGHIT MUSIC

YEOUNJUN (P)&(C) BIGHIT MUSIC

BEOMGYU (P)&(C) BIGHIT MUSIC

TAEHYUN (P)&(C) BIGHIT MUSIC

HUENINGKAI (P)&(C) BIGHIT MUSIC

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このツアーではBEOMGYUだけでなく、メンバーがそれぞれソロパフォーマンスとユニットパフォーマンスを用意。TAEHYUNは「Danger」の前に1人黒いタンクトップ姿で現れ、パワフルなソロパフォーマンスを披露。曲の合間にはタンクトップの裾をくわえて引き上げ、見事な腹筋をチラ見せしてMOAの歓声を浴びた。YEOUNJUNは昨年9月に発表したソロ曲「GGUM」で今日一番の歓声を引き出していた。両耳のイヤモニを外してMOAといっしょに一節を歌うと、その声の大きさに嬉しそうにはにかみながら「ありがとうございます」とステージを去っていった。

HUENINGKAIは水しぶきを上げならドラムを叩くという演奏パフォーマンスで美しさと激しさを表現。「東京が最後の公演なので、スペシャルなバージョンで準備しました」と、水にこだわったことをのちに明かした。SOOBINは「Dreamer」に入る前にソロパフォーマンスを披露。白シャツにデニムというシンプルな衣装に目隠しという姿でステージに現れると、ピアノのメロディと共に白い布をまとわせたり、口に布をくわえて舞う姿は今にも消えてしまいそうな儚さがあった。

そんな各メンバーのソロステージにBEOMGYUも「うちのメンバー、かっこよくない!?」と大興奮。HUENINGKAIは水をまいてのドラムパフォーマンスに「足でペダルを踏む時に滑りやすかったです。なので、普段以上に集中してやりました」とエピソードを披露した。

BEOMGYU、TAEHYUN、HUENINGKAIの3人による「Quarter Life」はまるでアンセムのように3人が高らかに歌い上げる。最後、3人が方を抱き合う姿にはMOAからはあたたかい拍手が沸き起こったが、TAEHYUNがイヤモニを外してMOAの歓声を聞こうと耳に手を当てると、歓声はさらに大きく3人を包みこんだ。YEOUNJUNとSOOBINのユニットパフォーマンス「The Killa (I Belong to You)」は普段の5人のパフォーマンスでは見られない大人の色気が匂い立つステージに。時にシンメトリーに、時に触れ合って踊る2人のほんの少しの動きからも目が離せず、曲が終わってもしばらくどよめきが止まらなかった。

今回はアリーナツアーということで、前回のドームよりMOAとの距離が近いせいか、以前よりさらに会場の一体感が味わえたのも印象的。「New Rules」ではメンバーがジャンプしながら会場のMOAを煽り、続く「LO$ER=LO♡ER」ではマイクスタンドを使って激しくシャウトする。紙幣のような紙吹雪が降るステージは、まさにロックスターのよう。「Higher Than Heaven」ではMOAも一緒になって歌い、腕を左右に振って盛り上がり、後にTAEHYUNが「いつも思うんですけどMOAといっしょに歌う『Higher Than Heaven』は最高だと思います。天国より高いところがあるとしたらここじゃないかな」と言ったほど。「Thursday's Child Has Far To Go」では思いっきり飛び跳ね、スウィングし、腕を激しく振りながらも、思わず笑みをこぼしていた姿が印象的。センターステージの中央に5人が集合してタオルを振り下ろすシーンでは会場の熱気はさらに上昇し、TAEHYUNの「スクリーム!」のシャウトでMOAの歓声も今まで以上に大きく響いた。

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コンサートもいよいよ終盤へ。壮大なイントロから始まった「Good Boy Gone Bad[Japanese Ver.]」は真っ赤に燃え上がった会場の中心でBADBOYな表情を見せ、YEOUNJUNが「メイク・サム・ノイズ!」と叫ぶとアリーナが揺れるほどの大歓声が湧き上がる。「Growing Pain」ではHUENINGKAIがシルバーのエレキギターとピックを放り投げ、頭を振りかぶりヘドバンするハードなパフォーマンスを見せ、最後は5人揃ってメロイックサインを掲げてステージを去っていった。

TAEHYUNが「一緒に歌ってください」と言って始まった「I'll See You There Tomorrow」はパフォーマンス中、何度も客席のMOAにキスを投げなら笑顔を見せた5人。タイトルの「I'll See You There Tomorrow」がリフレインされるこの曲は、TOMORROW X TOGETHERがMOAにまた会う明日を約束する本編最後にふさわしい曲。「いくぞ!」のシャウトでMOAの掛け声はより一層大きくなり、今まで以上の一体感が会場を包みこんだ。

アンコールを待つ間、MOAがメンバーの名前を大きな声でコールしたり、ウェーブを作ったり、「MOA Diary」を合唱したりしながら再び5人が登場するのを待つMOAたち。この日最後のVCRが終わるとスクリーンの扉が開き、蔦のからまる大木のふもとに佇むメンバーたちの姿が見えた。そんな中、始まったのは「Magic Island」。続く「Heaven」では色とりどりの紙吹雪が舞う中、MOAに向けて楽しそうにパフォーマンスする姿が印象的だった。

長く続いたこのツアーもこの日と翌日が最後ということで、「もう終わるということが信じられません」としみじみするSOOBIN。「それでもツアーの最後を美しく締めくくることができそうで、本当に気分がいいです。暑くて皆さんも大変だったと思うけど最後まで公演を一生懸命応援してくれてありがとうございました」とMOAに感謝を伝え、最後は日本語で「大好き!」と締めくくった。

HUENINGKAIは会場のMOAとともにライブビューイングを視聴しているMOAにも「楽しかったですか?」とにっこり。完璧な公演ができたかはわかりませんが、と前置きしつつ、「それでもMOAのみなさんが熱烈に応援してくれたので、エネルギーを高めてベストを尽くすことができました」とコメント。そして「かわいいですよね、ペンライトも振ってくれて、コールも合唱も大きくしてくれて。今日みなさんのエネルギーをいただいたので、明日も最後までがんばりたいと思います」とMOAへの愛を爆発させた。

BEOMGYUは紆余曲折あったこのツアーを「たくさんの成長を遂げたツアーだったと思います」と振り返った。前回のツアーで「また会いましょう」という約束を守ってまた会いに来てくれたMOAに感謝しつつ、「明日は本当に最後の日ですが、最後まで怪我しないで、メンバーとMOAのみなさんと一緒に幸せなツアーを締めくくりたいと思います。今日も来てくれてありがとうございます。大好き!」とハートポーズで愛を表現した。

YEOUNJUNも「(ツアー)最後の日を愛する東京のMOAのみなさんと共にすることができてとてもうれしいです」とハートを作ってみせた。さらに会場の端から端まで指さしながら、「右の端から左の端まで埋めてくれたMOAのみなさん、本当にありがとうございます」と感謝しつつ、「日本にはすぐ戻ってくるので、また会いましょう。その時まで元気でいてください。今日は本当にありがとうございました。大好きです」と微笑んだ。

TAEHYUNは「今日は本当にいい出来だったと思います」とこの日のステージに自信を覗かせると、「このツアーを経てメンバーが成長したのを感じられてとても意味深いツアーだったと思いますし、MOAたちも歌がうまくなりましたよね」と言って会場のMOAを喜ばせた。さらにツアー後の予定として「僕たちは新しい曲のレコーディングに入る予定です。だから今回、MOAが約束を守って会いにくれたように、次もまた来てくれますよね?」と言うと、「約束!」と小指を掲げ、会場のMOAとまた新しい約束を交わした。

メンバーの挨拶が終わり、会場のMOAたちがサプライズでスローガンを掲げようとした瞬間、TAEHYUNが「先に準備しました」とメンバーがスローガンを手に取り、MOAに見せてくれた。そのスローガンに書かれていたのは、

「初めて会った日の約束のように」(TAEHYUN)

「TXTがぎゅっと抱き締めてあげる!」(YEOUNJUN)

「MOAもぎゅっと抱きしめて!」(BEOMGYU)

「これまでみたいに」(HUENINGKAI)

「いつも一緒にいようね!」(SOOBIN)

というTOMORROW X TOGETHERからのあたたかいメッセージだった。

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そしてBEOMGYUが「MOAも準備したものあるでしょ?」とMOAに催促すると、会場のMOAたちも「TXTをぎゅっと抱きしめてあげるとMOAが約束する」「TXT愛してる」と書かれたスローガンを一斉に掲げる。YEOUNJUNにおねだりされて大きく「愛してる!」と叫ぶとメンバーたちも「僕たちも愛してるー!」と返す愛の交換タイムが終わると、アンコールもいよいよ最後の曲へ。「Miracle」でステージの上を飛び跳ねながら最後まで笑顔で手を振り続けるメンバーたち。曲がまだ終わらない間にMOAたちはすぐさまアンコールを叫ぶと、HUENINGKAIが「MOAのアンコール、何歌おうか?」とMOAの声に応える。そして東京のMOAは歌がうまかったと褒めながら「これ、大事に取っておいた曲です。MOAちゃんの声で聞きたいです。一緒に歌ってください!」と叫ぶと、始まったのは「永遠に光れ」。明るい未来を信じるポジティブな曲を最後までステージで飛び跳ねながら会場を盛り上げると、TAEHYUNも「ここのみなさん、すごくジャンプしてるよ」と会場の一角を指さしてうれしそう。

取材、文・尹秀姫

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