渋谷上空229mで出合う、異彩たちが描く多様で自由な世界。
ここでいう異彩とは何か? 近年では、既存の美術教育を受けていない人たちの作品が「アール・ブリュット」「アウトサイダー・アート」と呼ばれ、広く認知されている。本展でも主に知的障害のある作家たちの描いた作品が観る人に鮮烈な体験をもたらす。「自己表現」として、あるいは「他者とつながること」をモチベーションに描かれた作品は、それぞれが生命力ともいえる強いエネルギーを放っているからだ。
展示は〈アーバンサファリ〉〈群と移動〉〈境界のない世界〉という3つのパートに分かれ、50点余りの作品の中でも動物をモチーフとした作品が多く目に留まる。《くじらとサメ》(岩瀬俊一)では、モノクロの細い線の連なりが大型生物の膨らんだフォルムになり、《ひろがる》(鳥山シュウ)では、緻密に描き込んだビル群の間をファンタジックな生き物が自由に行き交う。3つのパートが1つの生態系を成し、まるで眼下に広がる渋谷の都市空間とシンクロするようだ。
世界とつながる広い空のもと、異彩たちの描く世界は、現在地から私たちの“PARADISCAPE”を見せてくれているのかもしれない。
INFORMATION インフォメーション
SKY GALLERY EXHIBITION SERIES vol.8「PARADISCAPE」異彩を放つ作家たちが描くせかい
SHIBUYA SKY「SKY GALLERY」 東京都渋谷区渋谷2‐24‐12 渋谷スクランブルスクエア SHIBUYA SKY 46F 開催中~3月31日(月)10時~22時30分(入場は21時20分) 2/18休 「SHIBUYA SKY」の入場チケットで鑑賞可。一般Webチケット2200円ほか