『Fate/Zero』が舞台に! 新木宏典&北園涼「あえて舞台化することに意味がないといけない」

エンタメ
2025.01.19

左から、新木宏典さん、北園涼さん

2004年にリリースされたゲームソフトから端を発し、その壮大で深遠な世界観が多くのファンを生み、アニメやコミック、ライトノベルなど、さまざまな形で物語が展開されている『Fate』シリーズ。その原点となる『Fate/stay night』の前日譚を描いた『Fate/Zero』が舞台化される。衛宮切嗣(えみや・きりつぐ)と言峰綺礼(ことみね・きれい)を演じる新木宏典さんと北園涼さんに、作品のこと、互いの印象についてを伺いました。

世界平和を得るためには犠牲も厭わない現実主義者の衛宮切嗣(えみや・きりつぐ)と、能力に長けながら自らの破綻と歪みに苦しむ言峰綺礼(ことみね・きれい)。互いに理解し得ない理由で戦いに加わり、敵対する役柄。そんな関係性を演じるおふたりは、ミュージカル『刀剣乱舞』でも共演している仲。

新木宏典(以下、新木):アニメ好きで、片っ端から見ているけれど、その中でも『Fate/Zero』は記憶に残っていた作品。物語が進んでいく途中に、後々の伏線になる部分がたくさんちりばめられていて、見落としちゃいけないって集中力を高くして見ていたから。

北園涼(以下、北園):僕は今回のお話をいただいてから見たんですが、最初は難しく感じました。ただ、世界観を理解するまでには時間がかかったけど、設定が理解できたら登場人物の心情の変化が見えてきて。そこからは目が離せなかったです。

新木:人間の心理描写というか心理戦の部分の面白さと、アクションの派手さに魔術が入ってファンタジー感もあるからね。ただ、僕の中ではアニメで正解の形を見ちゃってるから、これをどうやって舞台化するんだろうって思ってる。舞台なりの正解を見せていかなきゃいけないわけで、かなりハードルが高い。シリーズを愛しているファンの方も多い中、その方たちにも納得してもらえるような、舞台化した意味があるものを見せていかなきゃいけないし。

北園:あえて舞台化することに意味がないといけない。目標というか、もはや我々の使命ですよね。

新木:そのためにも、稽古が始まるまでの準備として、今はまず原作から役のコアになるところを見つけて、それをしっかり育てておかなきゃなと思ってる。そう思うと時間がないよね…って話を、ミュージカル『刀剣乱舞』の公演で乱れ舞っている合間にも涼くんとふたりで話してました。

北園:はい(笑)。僕の役は、物語の中でも結構心が動くキャラクターだと思うんですよ。舞台版でその過程がどう描かれるかはまだ未知だけど、そこは丁寧に演じていきたいなと。あと、原作では『Fate/stay night』にも繋がるキャラクターだから、そこがちゃんとお客様に伝わるような存在感を出していきたいです。ただ、セリフに難しい言葉が多いですよね。

新木:そこね(笑)。

北園:ご覧になっている方が難しいと感じることがないように、初めてこの世界に触れる方を置いていかないようにしたいんですよね。

新木:そうだね、でも舞台版は前後編で描くから、今回の前編では僕らはさほど活躍の場がなくて、サーヴァントのセイバーに頑張ってもらうことになるかな(笑)。

北園:そうなりますか(笑)。

新木:とはいえ前編で描くことが後編での重要なターンに繋がっていくわけだから、ご覧になった方に後編も見たいと思ってもらえるような前振りはしっかりしてかないといけないよね。前編では、直接的な僕らの絡みっていうのはあまりないと思うんだけど、お互いがお互いを意識している描写はたくさんあるはずで。相手をどれくらい警戒しているか、お互いの駆け引き具合を丁寧に見せていくことが、後編への期待感に繋がるだろうから、僕らの直接対決をどうしても見たい、って思ってもらうことが今回の一番の課題かな。

北園:実際、原作のストーリー上も会わないですもんね。すれ違うとか、ニアミスみたいなところはあっても。だから僕自身、新木さんと直接対決する場面をやるのがすごく楽しみなんです。じつはミュージカル『刀剣乱舞』でもライブ公演でしか共演がなくて、歌ったり踊ったりする姿は見ているけれど、一緒のお芝居っていうと本当に曲の合間の短いシーンくらいしかなくて。だから新木さんが稽古場でどうやって役を立ち上げていかれるのか身近で見られるのが楽しみなんです。だって、すごいじゃないですか。キャラクターの再現度が高いだけじゃなく、そこにちゃんと生々しさもあって。

新木:僕は涼くんのことをすごく時代に合ってる役者さんだなと思ってるよ。今、2.5次元の世界に限らず、役者さんにダンススキルだったり歌だったりのスキルが求められる場面が多いと思っているんだけど、そこのスペックが高い役者さんだと思うから。年齢を重ねて、いま役者としての深みも増してきていると思うし。

北園:嬉しいです。たぶんこれまでに何百回と言われていると思いますけど、新木さんて本当にストイックじゃないですか。ご自身の役をものすごく追求された上で、その役を広げられて、そこですごく自由になられるというか…。毎回、自分も目指したいところだなと思っているんです。あの自由度をどうやって手に入れているのか、稽古場で少しでも知れたらと思っているんですけれど。

新木:僕はつねに自分を疑い続けているんだよね。自分とは違う価値観を持った細胞から生まれている人物を演じるわけで、自分の頭で考えた解釈や答えは自分にとって都合のいいものでしかないと考えて取り組んでいるというか。

北園:僕の場合は、役のことをわかってあげようという気持ちでずっと試し続けている感じです。

新木:安牌を選ばずに模索し続けることが大事なんだと思うな。

PROFILE プロフィール

新木宏典

あらき・ひろふみ 1983年6月14日生まれ、兵庫県出身。2004年にD-BOYSに加入し、ミュージカル『テニスの王子様』などで人気を博す。主な出演作に、ミュージカル『刀剣乱舞』、『ヒプノシスマイク ‐Division Rap Battle‐』Rule the Stage、舞台『ヒストリーボーイズ』など。3月よりMANKAI STAGE『A3!』ACT3! 2025に出演。

PROFILE プロフィール

北園 涼

きたぞの・りょう 1992年2月9日生まれ、鹿児島県出身。2014年デビュー。ミュージカル『忍たま乱太郎』やミュージカル『刀剣乱舞』などで頭角をあらわし、MANKAI STAGE『A3!』やライブ・スペクタクル『NARUTO ‐ナルト‐』などにも出演。’19年より音楽活動を開始し、’24年にはベストアルバムもリリース。

INFORMATION インフォメーション

ミュージカル『Fate/Zero』~The Sword of Promised Victory~

1月18日(土)~26日(日)新宿・THEATER MILANO-Za、1月31日(金)~2月2日(日)梅田・SkyシアターMBS 原作/虚淵玄(ニトロプラス)/TYPEMOON 脚本監修/虚淵玄(ニトロプラス) 脚本・演出・作詞/西森英行 出演/新木宏典、秋野祐香、山内優花、佃井皆美、遠山裕介、丘山晴己、北園涼、伊藤裕一、輝馬、佐々木喜英、吉田メタル、健人、平松來馬/岸祐二ほか 全席指定1万3800円

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新木さん・コート¥143,000(チノ/モールド TEL:03・6805・1449) ジャケット¥82,500 パンツ¥44,000(共にガラアーベント/サーディビジョンピーアール TEL:03・6427・9087) シューズ¥85,800(パラブーツ/パラブーツ 青山店 TEL:03・5766・6688) その他はスタイリスト私物 北園さん・コート¥11,880(キャスパージョン/シアン PR TEL:03・6662・5525) ジャケット¥68,200 ワイドパンツ¥38,500(共にラッド ミュージシャン/ラッド ミュージシャン 原宿 TEL:03・3470・6760) シューズ¥99,000(パラブーツ/パラブーツ 青山店) その他はスタイリスト私物

写真・小笠原真紀 スタイリスト・井田信之 ヘア&メイク・伏屋陽子(ESPER/新木さん) 杉野未香(北園さん) 構成、取材、文・望月リサ 撮影協力・AWABEES

anan 2430号(2025年1月15日発売)より

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No.2430掲載2025年01月15日発売

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