2024年は国内でのアリーナツアーと台北、香港、バンコク、シアトル、LA、NYの6都市のワールドツアーを成功させたTravis Japan。ステージ上が主戦場である彼らが新年からライブを開催。今回は、12月にリリースした2ndアルバム『Ⅶsual』を引っ提げてのツアー。タイトルは、想像する、想い描くという「Visualize」と「Vll」(7人)を掛け合わせたもの。アルバムでも監修を務めた中村海人さんを中心にメンバー全員で意見を出し合って創り上げたステージは、強烈な個性を放つ彼らがグループとなっている奇跡をVisualizeするのがコンセプトだ。
今回のセットは、メンバーの名前やロゴが電飾でまぶしく輝く街。7つのダイヤ型照明“Ⅶダイヤモンド”の中からポップアップで登場した6人。身に纏うのは、キラキラ輝くホワイトの衣裳。これまでのTravis Japanのステージ衣裳にはなかったという純白衣裳が新鮮だ。1曲目は、ステージの始まりにぴったりな「99 PERCENT」。目をそらさず、一秒も見逃すなと歌うこの曲では、ファンキーな表情が光り、松田元太さんが舌なめずり。しょっぱなから99%ならぬ、100%のボルテージでパフォーマンスが繰り広げられていく。
「Hey! 横浜! ブチ上がっていこうぜ」と宮近海斗さんが叫ぶと、音玉特効が爆発。1曲目ではサングラスをかけていた松倉海斗さんが颯爽とサングラスを外し、「Love Tag」へ。胸の高鳴りを歌う英語詞多めなナンバーでスタイリッシュなダンスを披露する6人。3曲目の「Happy Groovy」では、宮近さんが「皆、楽しみだったでしょ!」とコール&レスポンス。松田さんは「どうも~、松田元太です。みんな、会いたかったか?」、吉澤閑也さんは「しずです。みんな元気? 一緒に楽しもうね」と会場に呼びかける。中村さんは“うみ”コール、松倉さんは「あけおめ~、松倉海斗です。アイム、まちゅ! まちゅぴちゅ」コールで盛り上がり、七五三掛龍也さんは「しめって叫んでください、いくよ」と前フリして、しめコール。それぞれが待ちに待ったファンとのふれあいの場を楽しんだ。
花火の特効が勢いよく噴き上がると「Crazy Crazy」へ。“Ⅶsualロード”に光が伸びるステージはどの席にいても、正面に見えるようになったステージングが魅力だ。吉澤さんと七五三掛さんがハイタッチしたり、松倉さんと松田さんが肩を組んで歌ったり。楽しそうにパフォーマンスする姿が印象的。クラップで会場をあおり、一体感を高めていく。
続いては、メンバープロデュース曲やユニット曲を織り交ぜたストーリー仕立てで展開するブロックへ。始まりは松倉さんプロデュースの「Whiskey and Tonic」から。ステージ上にカウンターテーブルと椅子や観葉植物などが置かれたBAR空間が広がっている。小道具のハットやお酒のボトルを使った演出もあり、遊び心たっぷり。宮近さんプロデュース曲「Fireflies」は、ミラーボールがグルグル回りPARTYの雰囲気が漂う。「R4 STREET DANCE」で共演したcalinが振り付けした曲でカッコよくダンス!
宮近さん、七五三掛さん、松倉さんのユニット曲は「Trick! Trick!」。松倉さんはヘルメットをかぶってレンチを手に登場。宮近さんはオレンジのサングラスにターバンをして金づち、七五三掛さんは猫耳のニット帽をかぶってピッケル、と工具を持って大工に扮装。3人で軽やかなステップを踏み、ゲーム画面のようなバックのLEDモニターと連動した動きがユニークだった。ラスト、赤いボタンを押すとBOOMと爆発した。
コミカルな演出の後は、うってかわって色っぽいナンバーへ。シンプルなシャツスタイルの衣裳で松田さんと中村さんがユニット曲「Warm it Up」を披露。激しい求愛ソングのダンスは、とにかくセクシー。エロティックなダンスで会場に悲鳴が巻き起こる場面も。二人の距離がグッと近づき、触れそうなほど顔を近づけ合ったり、ハグしたり、見ているこちらもドキドキしてしまうパフォーマンスに会場の視線がクギ付けに。
休業中の川島如恵留さんの想いも背負ってステージに立っていると感じさせてくれたのは、「Underdogs」だ。この曲は川島さんのプロデュース曲。メンバー全員が台の部分がメンカラに光る新型ホワイトタイガーの“トラッコ”(トロッコ)に乗り込み、アリーナを移動。バックステージには、川島さんのトラッコが…! 7つのホワイトタイガーが揃い、川島さんもいる7人でTravis Japanということが感じられる演出だった。後半の川島さんと吉澤さんのユニット曲では、川島さんの立ち位置に照明が照らされ、7を表すVllオブジェも登場するなど、随所に川島さんの存在を大切に想うメンバーの気持ちが伝わってきた。
吉澤さんが「楽しんでますか~?」と会場に呼びかけてから、「We are Travis Japan!!」とメンバーが声を揃えて始まったMC。松倉さんが「待ちに待った年始のライブ!」と切り出すと、「もう待ちきれなかったよって人! いや、私は別に待てたよって人! いやいや、待ちきれるわけないじゃんって人!」と宮近さんがファンに尋ねる。
七五三掛さんは、「あけおめからファンのみんなに会えるのは、ホントに幸せなこと。めちゃめちゃみんな大好き!」と、ファンに愛の告白を。ファンとのコミュニケーションは続き、宮近さんは「何回も観に来てる人は、生Travis Japanどうですか? 2回目だよって人もどうですか? やっぱり生Travis Japan、カッコいい?」と質問攻め状態。
そして、ライブの総合演出を担当した中村さんが初日を迎えた心境を語る場面も。「今回は、僕が総合演出っていう形でやりましたけど、みんなで考えた部分もあって。決して1人で作ったものじゃないっていうのは、みんなに知っていてほしい。みんなの案もめっちゃ入っています。やっぱりライブって、気持ちいいね。『Dance With Me~Lesson1~』どうでした?」と会場の反応をうかがう。「Dance With Me~Lesson1~」を久々に披露するにあたって、昔の動画を見て、振り起こしをしたそうで、松倉さんは「キツキツのスキニージャージ着てた(笑)」と振り返る。3本線が入ったジャージに時代を感じると、しみじみするメンバーたち。
MCを仕切る宮近さんが「今回のアルバムの曲を初めてパフォーマンスで見せましたけど。どうでしたか、皆さん。『Whiskey and Tonic』は、大人な感じで。閑也なんて、お酒飲めないのにね(笑)」と切り出す。すると、七五三掛さんが「『Whiskey and Tonic』で俺が歌い終わって元ちゃんのパートになるときに、元ちゃんが持っていた新聞をパッて取って、元ちゃんのかっこいい顔が見られるっていうシチュエーションなのに…」と新聞を上手く取れなかったことを謝罪。中村さんも「ごめん! 1個、謝りたいことあるわ」と、前半戦のパフォーマンスを振り返り、謝罪合戦に!?
ここでスペシャルなお知らせが。松倉さんが「みんな、発表を聞く準備できてるか?」と盛り上げた後、スクリーンにTravis Japan初のダブルAサイドCDシングルリリース決定が明かされる。「ダブルAサイドCDシングル『Say I do/Tokyo Crazy Night』を3月5日にリリースします。初めてのCDシングルでございます」と宮近さんが改めて説明すると、「ある意味CDデビューです!」と喜ぶ七五三掛さん。「Say I do」は、宮近さん主演のオシドラサタデー『ホンノウスイッチ』の主題歌ということで、「歴代の先輩や仲間、いろんな方が演じてきたオシドラサタデーという枠で精一杯演じています。夜11時という時間帯にリフレッシュできるような作品だと思いますので、皆さんぜひチェックの方よろしくお願いいたします」と宮近さん。
もう一曲の「Tokyo Crazy Night」は、松倉さん主演ドラマ『トーキョーカモフラージュアワー』の主題歌。「役柄としては、山形から上京してきた色白男子です(笑)。都会で色々揉まれながら、色々とカモフラージしながら、過ごしてく内容になってますので、ぜひチェックの方よろしくお願いします」と松倉さんもドラマをアピール。
吉澤さんは『地獄の果てまで連れていく』に出演、川島さんは『キスでふさいで、バレないで。』に出演と、この冬はドラマで活躍するメンバーが多数。「1月はそんなにTravis Japanがテレビ出るの? あまり集合できなくて、さみしい…」という話になり、松倉さんが昨年の全国ツアー中の思い出を語りだし、「部屋で元太の『東京タワー』を見たよね。俺のドラマも見てよ」と松田さんにお願いする場面も。
そして、再び、サプライズ告知タイム。松倉さんの「みんな今から発表するぜ。発表を聞く準備できてる? ボルテージ上げていこうぜ」というあおりの後、ワールドツアー決定のお知らせを発表。「2025年も夏頃にワールドツアーが決定いたしました。ありがたい! いろんな活動で皆さんと一緒に培ったものを発揮して、挑戦していくことができるっていうのは、俺らにとってすごく嬉しいこと。何よりもみんながいないと実現できないことです」と宮近さんが感謝の想いを語る。中村さんも「アジアとアメリカにて開催ということで、僕たちもそこまで詳しいことはまだ聞かされてないんですけども、楽しんで行ってきます」と笑顔に。
ここで、松倉さんが「元太、髪切った?」と言い出し、「分かる? 髪切ったの。本番1時間前ぐらい」と、本番直前にイメチェンしたという松田さん。「普通にいつもやってもらってる美容師さんに来てもらって。ライブのために、みんなのために切った。襟足、ブチ捨ててきました(笑)」と報告。メンバーから「かっこいい」と褒められると、「皆のビジュアルもかっこいいよ」と照れまくり。
七五三掛さんも「俺もね、うみと美容院に行って髪を切ってきた」と言い、「そうなの。(昨日の深夜の)3時ぐらいまで一緒に。しめは、朝5時までかかってブリーチしようとしていて。本当はシルバーにしようとしていた」という裏話も。ツアー中に七五三掛さんのシルバーヘアが見られる日が来るかもしれないと盛り上がっていた。
MC明けは、吉澤さんと川島さんのユニット曲「Lonely Stars」へ。作詞はふたりの意見も取り入れられたもの。恋人の笑顔をいつまでも守り続けたいと願う、優しい世界観の楽曲だ。星空がロマンティックに広がる中、吉澤さんが川島さんの想いものせて歌う。ふと気づけば、会場のペンライトは、川島さんのカラーと吉澤さんのカラーに。途中からメンバーもステージに現れ、横一列になって歌うと流れ星がキラリと流れる。
全員が手拍子を響かせながら、ステージに立ったのは、吉澤さんプロデュースの「HBD」。吉澤さんが皆の記念日を彩る楽曲がほしいと考案したバースデーソングとなっており、サビの部分の振り付けも吉澤さんが担当。会場に訪れたファンでこの日が誕生日の皆さんをお祝いするという粋な計らいも。キャンドルに息を吹きかけて消すフリのところでは、「せーの! でペンライトを消してください」と吉澤さんが呼びかけ、会場中が一瞬真っ暗に。チラホラ残るペンライトの光を見て、「もう一回行くよ! フーッ」と2回チャレンジする一コマも。
会場がホットな盛り上がりを見せたのは、ラストスパートのブロック。ブラック&ゴールドのゴージャスな衣裳にチェンジして歌ったのは、中村さんプロデュースの「BO$$Y」だ。スパークラーがバンバン打ち上がり、曲のハードさを表現。アツい攻めナンバーをラップで畳みかけていき、ラスト炎が豪快に噴き上がる。「Thrill」は七五三掛さんが振り付けを担当。七五三掛さんの振り付け曲は続き、宮近さんと共作で新たな振り付けを制作した「Moving Pieces」では、メンバーがステップを踏むたび、足元がメンバーカラーに光る。
最後はしっとりしたバラード曲を歌い上げた後、宮近さんが「みんな、楽しい時間を本当にありがとう。おかげで2025年、めちゃくちゃいい年になりそう。今日は来てくれてありがとう。そして、何より一緒に楽しんでくれてありがとう。そして、いつも俺らのそばにいてくれてありがとう。俺らTravis Japan、めちゃくちゃ熱い気持ちにさせられています。少し寂しいかもしれないけど、絶対7人で帰ってくるから!」とパッション全開のあいさつを。最後の最後までエンターテイナーとしてファンを楽しませるのがTravis Japanのステージ。アンコールでは撮影OKの曲があるなど、サービス精神たっぷりだ。ステージを重ねるたびに研ぎ澄まされていく精巧なダンスと洗練されたビジュアル。個々の映像出演も充実する中、2025年のワールドツアーも決定し、グループの勢いがますます加速していくことは間違いなさそうだ。