SEVENTEENのドームツアー『SEVENTEEN [RIGHT HERE] WORLD TOUR IN JAPAN』が閉幕。「また13人で東京ドームに立ちたい」

エンタメ
2024.12.25

昨年から続いた'FOLLOW'ツアーとそのアンコールともいうべき'FOLLOW' AGAINではついにスタジアム公演を成功させたSEVENTEENが、11月29、30日の愛知・バンテリンドームナゴヤを皮切りにワールドツアー『SEVENTEEN [RIGHT HERE] WORLD TOUR』の日本公演のスタート。東京ドーム、京セラドーム大阪、みずほPayPayドーム福岡を加えた4大ドームをまわり、全10公演を無事に終えた。今回は東京ドーム公演初日、12月5日の模様をレポートします。

(P)&(C) PLEDIS Entertainment

太鼓のドンという音と同時にステージいっぱいに広がったスクリーンが真っ赤に染まると、一瞬の静寂ののち、赤いカーテンの中から燭台とともにメンバーがゆっくりとリフトアップされて登場。華やかな花火、そして荘厳なメロディがドームに響き渡り、コンサートが華々しくスタートした。ドームいっぱいに赤いペンライトの光が輝く中、SEUNGKWANのハイトーンが響くと、階段状になったセットからメンバーたちがゆっくりとステージ中央へと歩いていく。HOSHIがゆっくりと顔を上げると、「Fear」からパフォーマンスがスタート。最後、全員で何かをすくい上げて飲み干すようにしたかと思ったら、スクリーンには一対の大蛇が登場。ステージ中央に向かって牙を剥くと、続いて「Fearless」へ。VERNONの低音ラップからMINGYUへとバトンが渡される序盤に始まり、終始ゆったりとしたテンポの曲ながら、あえて押さえたトーンからサビへと向かう爆発力で会場のCARAT(ファンネーム)を熱狂させた。さらにレーザー光線が会場を走り、「MAESTRO -Japanese ver.-」の印象的なピアノの旋律が流れると、CARATの期待は一気に高まった。緑のレーザーが乱反射する中で繰り広げられる激しいステップのダンス、息つく暇もないほどメンバーの名前を連呼するCARATの大きなコールがドームに響き、会場のボルテージは早くもマックスに。

この日は147箇所でライブビューイングが実施されているとのことで、メンバーの気合も十分。「最後まで一緒に遊びましょう!」とHOSHIが映画館でコンサートを見守っているCARATに語りかけた。

最初の挨拶では、HOSHIがいつもBGMをバックに花道をゆっくり歩き、着ぐるみのトラの手をゆっくり握ったりほどいたりしながら「ホランへ!」を叫ぶ定番通りの挨拶をしたかと思えば、東京ドーム最終日で胸が痛い気持ちをSEUNGKWANが代わって朗々と歌い上げ、しかし最後には「HOSHIさん挨拶がとっても長い、どうかもうやめて」と締めくくっていた。S .COUPSは「序盤から突っ走りすぎましたね。JEONGHANがやっていたように、充電が必要です」と言って、JEONGHANの定番挨拶である“充電”のモーメントを再現しながら、照れ笑い。THE 8も「今日もがんばTHE 8(ディエイト)〜」といつもの自分の挨拶をした後、このツアーに不参加のJUNの分の挨拶をJUNのモノマネモードで披露していた。

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SEVENTEENと言えばおなじみのユニットステージも充実。HIPHOPチームはピラミッドから水が流れ続けるような映像の中、シンプルなカジュアルルックに着替えて登場。淡々としたメロディとリフレインされる「Water」の声が重なるごとに熱が高まっていったかと思えば、続く「Monster」ではモンスターのような仮面で顔を隠してステージへ。ファンシーなダークファンタジーを存分に楽しむかのように、4人とも楽しそうにステージを遊ぶ姿が印象的。続いて登場したのはパフォーマンスチーム。サイバーな世界観のステージで、1人用ポットからHOSHI、THE 8、DINOがそれぞれステージに登場すると、「Rain」でレトロフューチャーなサウンドにこの3人ならではのキレ味鋭いパフォーマンスで会場を魅了。リフトアップしたセンターステージで披露した「Lilili Yabbay」は3人の個性がよくわかるステージに。最後には最小限の手の動きだけで曲を表現してみせ、ダンスに特化した“パフォチ(パフォーマンスチーム)”の凄みを感じさせた。「Candy」ではじまったボーカルチームのステージは、とにかく聴かせるステージ。「Cheers to youth」は韓国語の原題「青春賛歌」というタイトルにふさわしい爽やかで晴れやかな曲。最後にはDKが笑顔で「やっぱりCARATと一緒ならどんな瞬間も青春だ!」と叫び、会場のCARATも大喜び。

そんな言葉を体現するかのように、続く「Our dawn is hotter than day」ではメンバー同士で大きなハートを作ったり、メンバー自らCARATの近くへ寄り添ったり。最後にはHOSHIの「メイク・サム・ノイズ」の合図でCARATが叫ぶ、愛があふれる1曲に。そんなあたたかい雰囲気に続けて、JOSHUAの「CARATのみなさんは“ひとりじゃない”」という言葉ではじまったのは日本オリジナル楽曲の「ひとりじゃない」。コロナ禍でCARATに会えない気持ちを込めて作られたこの曲は日本のCARATにとってとても大切で思い入れの強い曲。スクリーンに歌詞が映し出され、CARATも一緒に合唱したこの曲は、今はまた違った感慨を持ってCARATの気持ちを代弁するかのようだった。

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「Oh My! -Japanese ver.-」はひとつ屋根の下、SEUNGKWANとJOSHUAがバドミントンをし、THE 8はソファで瞑想、床に寝転ぶVERNONとベッドで布団をかぶるS.COUPSをTHE 8が叱るモーメントも。曲の途中、ゲームが始まりジャングルに迷い込むと、しろくまやゴリラ、トラ(の着ぐるみを着たダンサーたち)がステージに登場。ダンス勝負が繰り広げられる一幕も。最後には「最初に戻る」というコマンドが現れると、スクリーンには海が登場。「もしかして、2015年なんじゃない?」とデビュー当時に戻ってしまったのかと危惧するメンバーたちは、「JEONGHANさんとJUNさんに会いたいですね」とちょっぴりしんみりモードになりつつ、DINOが指名したSEUNGKWANとWONWOO、さらにDINOもスクリーンの海へと飛び込んでいく。「今までずっとSEVENTEENを応援してくれて本当にありがとうございます」というMINGYUの感動的なコメントで締めくくられ、今回のツアーの中でも象徴的な1曲となった。

「God of Music」では先ほど登場した動物たちも再びステージに登場。湧き上がる音楽への愛が感じられるこの曲を東京ドームにいる全員が一緒になって楽しそうに歌い、踊った。その勢いのまま、メンバーが輪になって気合を入れてはじまった「今 -明日 世界が終わっても-」は疾走感のあるメロディに乗せてメンバーがバックステージに元気よく駆けていき、遠くの席にいるCARATに手を降り、そんなメンバーたちに向けてCARATもひときわ大きくコールを響かせていた。曲が終わった後、「ふとJEONGHANさんとJUNさんがいたらいいのにという考えが浮かびました」とMINGYUが言うと、「心の中では一緒だから」とHOSHI。SEUNGKWANが「僕は『今 -明日 世界が終わっても-』を歌うたびにJEONGHANさんを思い浮かべるんだ。口で鳴らす音が出なくて」とさみしがると、DKも「みんなで肩を組む時、JEONGHANさんがいると思ってやってるよ」と言ってWOOZIに撫でられていた。

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続いて披露された新曲「消費期限」はドラマ『未来の私にブッかまされる!?』の主題歌になった曲。始まる前、MINGYUが「ドラマに出演されている俳優のみなさんが来てくれています」と紹介すると、会場のCARATからも大歓声が上がった。WONWOOのあたたかい声からはじまったこの曲は、春から夏、秋そして冬と移り変わる大きな木を背景に、「ここにいるよ」繰り返される歌詞もあいまって、安心感を抱かせてくれる1曲となった。

コンサートもいよいよ終盤へ。DJ Khaledのフィーチャリングが話題になった新曲「LOVE, MONEY, FAME」、HOSHIの気合の入ったシャウトが飛び出した「March」はファイアーボールが連続で打ち上がる中、SEVENTEENらしい統制の取れたダンスで会場を圧倒。その勢いのまま、会場がひときわ期待にあふれる歓声で満たされると、今回のツアータイトルにもなっている「SEVENTEEN, Right here!」をWOOZIが叫んで「Super」がスタート。SEVENTEENに初めての歌謡祭大賞をもたらしたこの曲はデビューから今まで苦労しながらトップにまで上り詰めたSEVENTEENのメンバーと彼らを支えたクルー(スタッフ)への愛、そしてさらに上を目指す彼らの貪欲さと誇りが感じられる曲。WOOZIがダンサーにリフトされて天に手を向けた瞬間はまさにドームが揺れるほどの歓声が沸き上がった。

アンコールではトロッコに乗ったメンバーたちが「Adore U」と「’bout you」、「Campfire」を歌いながら広い東京ドームを一周し、遠い席のCARATたちにも挨拶。そうして最後のメッセージの時間へ。

統括リーダーのS.COUPSは、「13人がまた集まれたら、その時にまた東京ドームで公演がしたいなと思いました」としみじみ語り始めた。そして「お話をするたびにそばにいてほしいということしか言えないんですが、僕たちのそばにいずにはいられないくらい、僕たちがもっとかっこよくなります」とにっこり。そんなS.COUPSに続いて、SEUNGKWANも「次にまた13人で戻ってくる日までがんばるので、いつも心に刻みながら一生懸命活動していきたいと思います」とコメント。さらに「初めて日本でコンサートをした時はラーメンとコーンパンにハマりすぎてぷくぷく太っちゃったことを思い出します」と振り返りながら、最近はガマンできるようになったと言いつつ「今日は油そばを食べました」と告白した。WONWOOは「みなさん、今日も来てくれてありがとうございました。みなさんのおかげでとても幸せでした。この思い出を私の胸に刻みます」と突然流暢な日本語で語り始めたかと思ったら、「2年間ずっと勉強しました」と明かした。「この前のコンサートまでは自信がなくて話せなかったけど、今は自信ができて日本語で話してみます」と、発音もイントネーションも完璧な日本語を披露。最後にはWONWOOの決め台詞「今日も月が綺麗ですね」で締めくくった。

WOOZIも「いつもみなさんのことを思いながら歌っています。今日の公演も楽しんでいただければと思います。毎日幸せに過ごしてください」と、短いながらに愛をこめて日本語でコメント。DKはいつもの決め台詞「完璧じゃーん!」をCARATとともに東京ドーム中に響かせ、「こんな風に『完璧じゃん』が東京ドームに轟くなんて夢にも思っていませんでした」と泣き真似。「次に来る時はJEONGHANさんとJUNさんも一緒に来れたらいいなと思います」と言いながら、2人の定番挨拶である“充電”と“ニャンください”でCARATを盛り上げた。THE 8は「これから寒くなるのであたたかくしていつも元気で笑っていてほしいです」とCARATを気遣い、「僕もCARATのみなさんの力になれるようにがんばります」と挨拶。JOSHUAは「CARATのはてしない愛の力で僕も本当に“シュあわせ”でした」と自分の名前を盛り込みながらコメント。そして「みなさんからもらった愛と応援を忘れずに、恩返しするJOSHUAになります」とこれからの意気込みを語った。

JEONGHANから引き継いで「SCHOOL OF LOCK!」のラジオDJを務めているDINOは番組の冒頭で必ず言っている挨拶を再現しながら、ラジオの収録をする時もコンサートをする時もCARATとの隙間を埋めるつもりでいると告白。さらに初めて東京ドームに立った日のことを思い出しながら、「当時は夢を叶えた気分でしたが、今もまだ夢を見ているようです。いつも僕たちに希望と愛をくれるCARATのみなさんは僕の存在の理由です」とDINOらしい言葉で締めくくった。MINGYUはすき焼きと油そばを食べたことをみんなに知らせ、「そして、今はみなさんの愛を食べました。おいしかった」とにっこり。そしてスタジアムツアーとドームツアーの両方を成し遂げた2024年を振り返り、「いい思い出をたくさん作ってくれて本当に幸せです。全部みなさんのおかげです。来年もよろしくお願いします」、そして定番の挨拶「おやすミンギュー」と投げキッスで締めくくった。VERNONは隣のMINGYUがたびたび目隠しするという妨害をはねのけ、「コンサートを楽しんでくださったならうれしいです。これからも東京ドームでコンサートができるようにがんばります。愛してます」とすべて日本語でコメント。最後のHOSHIは「2日とも平日だったし、早い時間からのスタートだったにもかかわらずこんなに会場をいっぱいにしてくれてありがとうございます」と言い、最後はいつもの「孫の孫まで自慢になりそうです」とHOSHIなりの愛の言葉「ホランへ」で締めくくった。

この日はアンコールの衣装としてメンバー全員がツアーグッズのベースボールシャツを着ていたので、MINGYUから背番号順に並んで後ろ姿を撮りたいと提案があり、東京ドームの客席を眺めるSEVENTEENの背中を撮ることに。この日はいないJEONGHANとJUNの席は空けて、メンバーが横一列に並んでの撮影に、CARATからは歓声が上がった。そしてカメラに向かってTHE 8が「チリンチリーン」とつぶやくと、日本デビュー曲「CALL CALL CALL!」がスタート。広い会場のあちこちにメンバーが散らばってCARATを鼓舞すると、それに応えるようにCARATたちもペンライトを激しく振りジャンプ。曲が終わっても、HOSHIの歌につられて会場のCARATも大合唱するほど熱く盛り上がり、その勢いのままに「VERY NICE」へ突入。DKが「大好きです!」と大声で叫ぶと、それが合図のように会場にはSEVENTEENのカラーでもあるローズクォーツ&セレニティカラーの銀テープが発射され、ドームを彩った。ステージのあちこちからピンスポットライトの光が点滅し、東京ドームの天井には「アジュNICE」の文字が浮かぶ中、SEVENTEENも最後の力を振り絞って広い会場を駆け巡りながら思いっきりはしゃぐ。曲が終わるたびに何度も繰り返される無限おかわりの最中、WOOZIとともにSEVENTEENの楽曲を支える(「僕たちの兄であり師匠でもある」とSEUNGKWAN)シンガーソングライター兼プロデューサーのBUMZUを紹介。メンバーからダンスをおねだりされて、ステージ下で見事なブレイキングダンスを見せる一幕も。コンサートが終わるのが惜しくてリーダーズが歌った「CHANGE UP」や「HIT」、「HOT」などを即興で歌い、最後の最後までステージを楽しんだSEVENTEENとCARATだった。

今回のツアーはタイトルである「RIGHT HERE」の言葉どおり、まさに今、SEVENTEENがいる現在地を示すものであると同時に、コンサートの最中に何度も繰り返し提示していたように、「ここにいるよ」「ずっといるよ」と伝えるためのものでもあったように感じた。JEONGHANの入隊に続き、メンバーの人数が多いSEVENTEENはこれからしばらく誰かを欠いた状態が続いていく。けれどもこの日の記念撮影の時もそうであったように、その場にはいないけれど彼らが戻る場所を必ず空けておくのがSEVENTEEN。そして彼らの戻る場所を守るのがCARATなんだな、ということを再認識したコンサートだった。

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文・尹秀姫

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