毎回最新アルバムと連動したツアーコンセプトがユニークなNEWSのライブ。今回の「NEWS LIVE TOUR 2024 JAPANEWS」では、8月7日に発売した最新アルバム『JAPANEWS』を引っ提げ、“日本”をテーマに原点回帰した壮大な旅を繰り広げるステージに。今の日本の魅力をNEWSがガイドするというライブは、声優の野沢雅子さんの「世界のみなさん、こんにちは」というナレーションから始まった。
「NEWS.」とロゴが入ったブルーの羽織にピンクの袴の衣裳を着た3人が登場すると幕開けは「JAPANEWS」から。23面もあるLEDビジョンには、雄大な富士山の映像など、日本全国のさまざまな風景が次々と映し出され、NEWSが日本の旅に誘う。力強いラップパートから始まるこの曲は、日本の美しき絶景を歌うオリエンタルな楽曲。会場は、一気にNEWSワールドへ…!
炎が激しく燃え盛る特効の中、歌ったのは「ROOOTS」。増田貴久さんの軽快なラップが勢いを加速させるとすべてはここから始まったデビュー曲の「NEWSニッポン」を。会場に一体感が生まれたのは、「BLUE」。メンバーとファンがタオルをグルグル振り回す光景が繰り広げられた。今年9月15日の結成記念日を皮切りに全シングル&アルバム曲含む500曲のサブスク配信をスタートしたことからリバイバルヒット中の「チャンカパーナ」では、スタンドマイクを前に3人並んで、小指を頬に当てるポーズや「約束するよ、チャンカパーナ」というキメ台詞で会場を沸かせた。
続けて扇子を仰ぎながら、「FIREWORKS」を歌い、6曲駆け抜けたところで、小山さんが「皆さんようこそ! 今日は素敵な旅に出ましょう」、加藤さんが「ただいま、ららアリ! ツアーファイナル最後まで楽しもうぜ。よろしく!」、増田さんが「NEWS LIVE TOUR2024、JAPANEWSにようこそ!」と、あいさつ。ラストに盛大な花火が打ちあがる音が鳴り響き、LEDビジョンに大輪の花が咲く。
今回は、今年ファン投票を実地した“NEWSカップリング楽曲投票2024”を元に3人の声で再構築されたカップリング楽曲から「フルスイング」「バタフライ」「Sweet Martini」、そしてライブでは初披露の「Distance」など、ファン待望の曲もパフォーマンス。そして、NEWSらしさ全開の言葉遊びがユニークな楽曲のひとつであるぜったくん作詞作曲の「おもちですか!」も披露。お餅を握るような可愛らしいキュートなダンスも息ぴったりの3人。増田さんがチャーミングな表情で、小道具の札束であおいだり、胸にしまったりする一コマも。
22年目を迎えた彼らだからこそ、MCのトークも息ぴったりだ。今回のライブのセットリストでファンの方がプレイリストを作成したり、カラオケに行ったりするのかなという話では、加藤さんが「カラオケとか行く?」と言い出したことから、NEWSのカラオケエピソードが飛び出す。「なんか出会いたての会話みたい。22年目なのに『カラオケとか行くの?』って(笑)」と噴き出す小山さん。
増田さんは、テレビ業界の顔見知りの方にたまたま会った際、「『生きろ』が大好きで、いつもカラオケで歌うんだけど、自分で歌うとちょっと違うんですよね」と言われたそうで、「じゃあ、あなたのためだけに歌いますよ!」と本気で歌ったら、おじさんが泣いていたと振り返る。
加藤さんは、監督を務める『MIRRORLIAR FILMS Season7』のロケハンの際の話に。「愛知県東海市で短編の映画を撮るんですけど、地域の方との懇親会があって。カラオケをやったんです。市役所の人に『加藤さん、「チャンカパーナ」行っちゃってください』って言われて。1人で歌うのは、ちょっと大変だったから、『weeeek』でもいいですか? って言ったんだけど、『チャンカパーナ』がいいっていうことになり…。やっぱ一人だと盛り上がんないよ」という加藤さんに「そうか。俺と小山いないとなぁ(笑)」と、嬉しそうな増田さん。「お前らがいないとホント歌えないんだよ! 俺さ、2回も『美しい恋をするよ』って一人で言ったの(笑)。辛かったんだよな~」という加藤さんに会場は大爆笑。
小山さんも『チャンカパーナ』をカラオケで歌う際には、歌うまでの長いイントロの間がもたないため、『今日はお越しいただき、ありがとうございます。引き続きNEWSをよろしくお願いいたします』などと、前フリを入れるそう。加藤さんも「(イントロで)それをね、やったの。『東海市にやってまいりましたNEWSの加藤シゲアキが…』みたいな」と説明してから、「シゲがちょっとボケると『あっ…』ってなる(笑)」と自ら“シゲ”呼びをして絶好調なトークを繰り広げた。
三者三様のソロコーナーでは、小山さんが和をテーマにした「カランコロン」を着物姿の女性ダンサーを従えパフォーマンス。パープル×赤のレーザー光線が飛び交う中、白のタンクトップにデニムのシンプルなスタイルでラップを力強く畳みかける姿が男らしい。加藤さんのソロ「almond」は、ブルーのカーテンがドレープを打つ中、しっとり歌い上げる。白シャツにネクタイにグラスコードがアクセントになったメガネをして、アイデンティティをテーマにした曲を大人のムードたっぷりに披露。白のTシャツをさらりと着こなす増田さんは、ギャンブルのような恋の予感をシニカルに歌う「kawaii」でダンス。おしゃれマスターが歌うスタイリッシュな曲に会場が酔いしれる。
ラストスパートの「We are Team NEWS」では、NEWSに内緒のサプライズ演出が…! ステージに振付師さんダンサーさんはじめ、スタッフさんがズラリ集合してダンス。LEDビジョンには“ツアー完走おめでとう”の文字が。最後にメンバーを囲んで皆で記念撮影。スタッフさんの粋な計らいに「さすがチームNEWS!」「ビックリしたな」と満面の笑顔で顔を見合わせる3人。最強のチームがいるから彼らが走り続けられると再確認した瞬間だった。
続いての「SUMMER TIME」を歌う前には、増田さんが直前のチームNEWSのサプライズの余韻に浸っている様子で、「嬉しかったな。新しいスタッフさんもいますけど、デビューした頃から変わらないスタッフさんに支えられながら、俺たちはチームNEWSで昔からずっと変わらない仲間…」と語りはじめ、「ダラダラ喋ってないで、こっちへ来い!」と手招きするコヤシゲ。小山さんは加藤さんの後ろに隠れて「こっちへ来い!」と手招き。これには、「小山がシゲの弟みたいに全力で合わせるの、やめて?(笑)」と渋い顔をする増田さん。ファンのみんなと声を合わせて、増田さんを「こっちへ来い!」と呼ぶと、「そんな言われ方したら、絶対に嫌だ~」と増田さんが拗ねるという、わちゃわちゃなやりとりに会場が笑顔に。
最後の挨拶は、小山さんから。「皆さんの笑顔がステージの上からたくさん見られて、本当に幸せな時間でした。ありがとう。毎日幸せに元気にハッピーに暮らしてる人もいれば、一方で苦しかったり、悲しかったり、限界だったり。そんな人もいるんじゃないかなと思って、今日のライブをやっていました。もしかしたら、今日このNEWSのライブの日まではどうにか頑張ろうって暮らしてきたあなた、よく頑張った、お疲れ様。大丈夫。そうやって、これからもNEWSに寄りかかって生きていってください。いいですか?」と会場に尋ねると拍手が。
続けて、「そんな大きいことはできません。みんなの過去は変えられないし、遠い未来のことは分からない。でも、少し先の未来、明日とか明後日とか、次みんなと会うその日までは、どうにか今日溜めたパワーで頑張って生きてほしいって本当に心から思ってます。皆さん、NEWSと共に生きていきましょう。では、いつもの確認をします。皆さん、パワーは溜まりましたか? 明日からも頑張れよ。今日は皆さんの大切な時間をNEWSに使ってくれて本当にありがとうございました」。
増田さんは、「ただいまご紹介に預かりました、僕が日本を代表するアイドル、増田貴久です」と挨拶してから、「僕はNEWSの音楽が大好きです。ちょっと手前みそスープになってしまいますが(笑)。NEWSの音楽が大好きで、自分で歌いながら、自分の応援歌としてNEWSの歌を歌っている時があります。“1人じゃないよ”って言ったり、“立ち上がれ”って言ったり、“生きよう”って言ったり。“チンチャうまっか”って言ったり、“こっち向いて、あっち向いて”なんて言ってますけど。ここに来てくれてるみんなはもちろん、来れなかった人に向けても歌っていますが、自分にとっても応援歌となる曲に出合えています。これからどんな時でも、少しでもみんなの何かになれる活動ができたらいいなと思っています」と楽曲とファンへの想いを語る。
そして、「ツアーファイナルということで…日本を代表するアイドル、頑張りました。いよいよね、明日からワールドツアーになるわけですけど…」と冗談で予定のないワールドツアーがある体で話して笑わせ、「みんなからもらったパワーを世界に向けて届けていきたいなって思っています。サンキュー! 今日は大切な時間を僕たちに使ってくれてありがとうございました。また会いましょう」と、とことん茶目っ気たっぷりに締めくくった。
小山さんから「皆さんやって参りました。加藤シゲアキ先生です!」という紹介があり、話し始めた加藤さんは、「皆さんNEWSはどうでしたか。NEWSカッコよかったでしょ? NEWS最高でしょ。NEWSいけてるでしょ。NEWSが1番でしょ。俺はそう思う! …そう、これが自己肯定感。俺はスターだ! って増田さんも言ってましたね。日本を代表するアイドルだって。弊社にたくさんアイドルがいる中でこれを言える…これが自己肯定感です」とハイテンションに言葉を捲くし立て続ける。
「みんな自分を愛していこうよ。そこの君もさ、自分を愛していこうよ。大変なことは確かにあるよ。生きてりゃ辛いこともあるし。俺、この人大変そうだなって思ったのが今日の小山。始まる前に酸素吸ってたの。よくマラソン選手が息切れして、最後にゴールして酸素を吸うけど、まだ何もしていない本番が始まる前の小山慶一郎がいっぱい吸っていた。息も切れてないし、酸素はここにいっぱいあるのに…。そんな小山って頑張ってるなと(笑)」。
そして、ここからは選挙演説のように語り始める加藤さん。「俺はこの会場来る時に今日1つ締め切りを終わらせてきました。2000字の原稿です。ライブをしながら頑張ってます。そんな原稿とメンバー2人の(連載)本が一緒にされるのは悔しい思いもありますが、みんな頑張っていますので、2人の書籍もどうかよろしくお願いします。本が出たり、ライブをしたり…お金がかかります。お待たせしました。このコールをすることによって、現実に引き戻されるというネガティブな意見もあります。それでも励まされる人がたくさんいると思って、ご所望のコールをします。明日から月曜日、たくさん楽しいことをするために、僕たちは働くんです。行きますよ! “労働!” (ファンも労働と叫ぶ)労働を勤めると書いて、勤労。(勤労! と叫ぶファン)僕からみんなに伝えます。毎日が勤労感謝の日、ありがとうございました」と、ファンとひとつになって、このツアーでおなじみとなった労働&勤労コールで盛り上がった。
最後に小山さんが「皆さん、『JAPANEWS』は、いかがだったでしょうか。今回は日本をテーマにアルバムを作らせていただきました。日本は世界から日出づる国と言われています。太陽は毎日昇りますが、その昇る太陽を我々はこの日本で見ています。奇跡だと思います。同じ日本でその太陽を見ている…。その明るくて綺麗な太陽の光が皆さんのこれからの生活や人生を照らしてくれることを心から願っています。皆さんどうか次にNEWSに会うときまで幸せでいてください」と感動的に言葉を綴って、ラスト曲の「日出づる処」へ。
2022年の“音楽”をテーマにしたツアー以降、NEWSのライブに欠かせない存在となった生バンドを従えての歌唱。もともと歌唱力に定評が高かった増田さんはもちろん、小山さんの低音ボイスや加藤さんのパワフルな歌声も磨かれ、NEWSの歌声は22年目を迎えた今もなお進化し続けている。魂を込めた熱き応援歌から、遊び心たっぷりなトンチキソングまで日本中に愛される楽曲を生み出してきた彼ら。唯一無二の世界観の名曲たちに恵まれ、22年目からのNEWSは、ますます面白くなりそうな予感だ。