アユニ・D「音楽を通すと自分の伝えたいことが伝えられます」 PEDROとしてのミニアルバム制作秘話

エンタメ
2024.11.17

アユニ・Dさんによるバンドプロジェクト、PEDRO。瑞々しく研ぎ澄まされたオルタナティブ・ロックが詰まった1年ぶりのミニアルバムのタイトルは『意地と光』だ。

音楽を通すと、自分の伝えたいことが伝えられる。

「BiSHの解散を経たこの1年の紆余曲折があった上で『自分の中にある音楽に対しての情熱の根源って何だろう?』って思った時に、メラメラと燃え盛る意地とピカピカと光る希望的な意味合いの光が浮かんだことで『自分には音楽しかない』って思って付けました」

1曲目の「アンチ生活」はもったりしたグルーヴからスタートし、途中でガツンと重いアンサンブルに転化。アユニさんの生き様と音楽をやる理由が凝縮されている。

「深夜から朝方にかけてふと『私が今一番やりたい音楽って何だろう』と思って勢いで作った曲ですね。何も考えずに出てきた言葉だけで出来上がった。初期衝動が溢れた曲になりました」

楽曲を聴けばアユニさんの想いがダイレクトに伝わってくるのがPEDROの魅力のひとつだ。

「私は喋るのが苦手なんですが、音楽を通すと自分の伝えたいことが伝えられます。なんの躊躇もなく自分の魂を音楽にそのまま乗せるということを、今作でようやく成し遂げられた気がしています」

BiSHが解散したことで吹っ切れたところもあるのだとか。

「BiSHは良いことも悪いことも6人で分けられるので、いろいろな面で姉さん方に甘えていたところがあります。PEDROでは自分が全部を背負いたいと自覚してから『ここでやらないでどうするんだ』って思うようになりました。『意地と光』ができたから、まだまだやれることがあると思えましたし、次はこれを超える作品ができると思いました」

『意地と光』のアートワークはBiSHのリンリンことMISATOANDOが手掛けている。

「BiSHのメンバーは家族よりもずっと一緒にいたので、今の自分のジェットコースターのような感情を込めた作品をアートワークに昇華してくれるのはリンリンしかいないと思ってお願いしました。たくさんのことを話した後、リンリンからイラストが上がってきた時は鳥肌が立ちました。あらゆるところに意味が込められていてすごく嬉しかった。ツアーに向けて気持ちが熱くなるきっかけになったんで」

INFORMATION インフォメーション

ミニアルバム『意地と光』

ドラマ『その着せ替え人形は恋をする』ED主題歌「ラブリーベイビー」など7曲収録。通常盤のほか初回生産限定盤、映像付通常盤なども。【通常盤(CD)】¥2,750(EMI Records)

PROFILE プロフィール

ペドロ

2018年に始動したBiSHのメンバー、アユニ・Dがベースボーカルと作詞・作曲を務めるバンドプロジェクト。田渕ひさ子(NUMBER GIRL/toddle)がギター、ゆーまお(ヒトリエ)がドラムを担当。「ラブ&ピースツアー」を開催中。

写真・角田 航(TRIVAL) インタビュー、文・小松香里

anan 2422号(2024年11月13日発売)より

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