ゆっきゅんの〈あんたがDIVA〉vol.37「出会い、旅、アルバム制作。共に歩んだ、かけがえのない1年」

ゆっきゅんの連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。音楽家の君島大空さんとの対談を終えたゆっきゅんが、前回までを振り返って言葉を綴ります。


出会い、旅、アルバム制作。共に歩んだ、かけがえのない1年。

君島くんと出会ってから1年が過ぎる。こんな1年を過ごすことになるとは二人とも思っていなかった。去年の秋に君島くんが『no public sounds』という素晴らしいアルバムを発表してから、ずっと聴いていた。録音芸術なのに、聴く度に生まれて、聴き終える度になくなってしまうほど、一回きりのように思えて、この光を壊れないように大切に抱えるだけで精一杯だと感じていた。私はその1年後に、君島くんにたくさん協力してもらって、『生まれ変わらないあなたを』というアルバムを出した。作ってくれて一緒に歌った「プライベート・スーパースター」や参加してくれた楽曲だけでなく、君島くんと一緒に見た景色や、出会ったことで生まれてきた感情は、他の楽曲の作詞にも少なからず影を残している。去年の9月に君島くん(と阿部!)に会えて、仲良くなって、1年後に20代を総括するようなアルバムを出して、そのための1年間を過ごしていたように感じている。幸せだったし、その楽しさの隣にはいつも制作があったから、私は、幸せになりたければ、またたくさん歌を作って歌ったらいいんだと思う。

ゆっきゅんと出会って明るくなったとか、君島くんはわざわざ言葉にして伝えてくれる。大変なことをしてしまったものだなと思うけど、正直、君島くんに何もしてあげられていない。深まってゆく友情の多くは、悩みを聞いてあげたとか、つらいときに一緒にいてくれたとか、そういう記憶と共にあるもの。でも私は君島くんの何かを解決してあげたことなんて一度もないし、涙を拭いてあげられたこともない。急に電話とかしてこないし、二人ともそれぞれ泣いてるままだし、仕事以外でなかなか会えない(だから旅行へ)。君島くんは君島くんの美しい感受性で私から何かを感じ取ってくれただけなのだ。私の言葉や心や歌は、私の言葉や心や歌を聴く耳を持つ人にしか届かないんだなと、日々感じる。いいタイミングでめぐり会えたということなんだろう。

先週バンドのリハスタジオでマイクの音を出す操作すらわかんなくて「私にできることはない。作詞と歌と現場の空気を必ず楽しくすることくらい」と叫んでたら、それだけでいい、それができるなら他は何もしなくていいと爆笑していた。ありがたい。これからもたくさん君島くんを笑わせたいと思う。

Profile

ゆっきゅん

1995年、岡山県生まれ。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。セカンドフルアルバム『生まれ変わらないあなたを』が発売中。インスタ、Xは@guilty_kyun

写真・幸喜ひかり 文・ゆっきゅん

anan 2419号(2024年10月23日発売)より

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