「『浦沢直樹の漫勉』のような“語る”番組が流行っていることもあり、スタッフから“若手とお笑いを語ってくれませんか”と言われたんです。正直、お笑いの裏側を見せることは、いちばんかっこ悪いと思っていたんですが、今回はやってみてもいいかもしれないなと。というのも、バラエティ番組で売れることって大変なんです。地獄みたいなもの。いまだに面白いお笑いレジェンドがたくさん残っていて、40代が若手と呼ばれる世界に本当の若手が飛び込むのは、しんどいと思うんです。そういう子たちに、エールと、即使える具体的なテクニック論のアドバイスをできればと思いました」
出されるお題は、鈴木さんの視点ならではのものばかり。
「よく、芸人さんのライブの構成をしていて、“こういうネタがいいんじゃないか”と提案しているんですが、その工程をテレビに出したという感じですね。その視点で、芸人さんの弱点と長所の両方があぶり出されるような課題を決める。たとえば毒舌がウリのコンビ『花いちご』の場合は、どこまで毒づいたことを言う才能と覚悟があるか。そして、新しく作ったネタを2週間でどれだけ自分たちのものにできるか、の2つが問われるものでした。とはいえ、芸人さんのネタに口を出すことは神聖なものに足を踏み入れることだし、ネタを作らせるのは恐れ多いこと。だからこそ、テレビでしかできないことだと思うんです。僕は覚悟を持ってやっているし、芸人さんが、だんだんと真剣になってくるのも感じます」
登場する若手芸人は実力者ばかり。「先物買いが好きな女性にはぴったりの番組。毎回出てくる一組の面白さは、僕が保証しますので。ネタと、テレビと芸人さんの裏側を楽しんでもらえたら嬉しいですね」