ワイワイ仲良くなれる、それが最大の魅力!
「対戦相手のさまざまな情報を五感で感じて遊べるのが、アナログゲームの一番の醍醐味。お互いの顔色を見、声色を聞きながらの駆け引きや心理戦が大きな魅力です」
と言うのは、アナログゲーム専門誌の編集長を務める河上拓さん。ボドゲ好きが高じて、ボードゲーム専門のグラフィックデザイナーとして活躍している別府さいさんは、仲を深めるのにとても良いツールだと言います。
「ゲームのシステムがおもしろいな、と感じることももちろんよくありますが、それ以上に、初対面の人とのプレイで打ち解けて笑い合えたり、仲良し同士ツッコミ合いながらプレイができたり…という瞬間が、私にとってのアナログゲームの魅力。今はボドゲを通じて仲良くなった友人と、食事やキャンプに行くことも」
マンガ家の谷口菜津子さんも同じ魅力を感じているそうで、
「普段は縁がないタイプの人ともゲームを通じて友達になれるし、いつもの友達と遊ぶと意外な一面が見られるのもおもしろい。アナログゲームを知ってから、飲み会以外で集まることが増えました」
おすすめボドゲ
初対面同士でも仲良くなれ、意外な内面が垣間見えたりも?
色や形などで、超メジャーなペアをたくさん作ろう。
適当なカンケイ【河上さんオススメ】
人数:3~8人、時間:30分
場に並べられた11枚の写真カードを吟味し、「形が似ている」「遊ぶときに使うもの」のように、“自分以外の人も思いつきそう”という、〈ありそうなペア〉を5つ作り、自分と同じペアを作った人が多いほど点数が入るゲーム。「なぜそのペアを選んだかを発表していくのですが、それぞれのモノの捉え方の違いが見えてくるのがおもしろい」(河上さん)。
¥4,180(すごろくや https://sugorokuya.jp)
自分とみんなのズレはどの程度? を予想し、ベット。
ゲスクラブ【谷口さんオススメ】
人数:2~8人、時間:20~30分
“ゲス”とは英語のguess 、“推測”の意味。お題への自分の回答が、参加者全体の答えとどのくらいズレているかを推測し、賭けをするゲーム。「例えば“動物園で人気の動物”のお題なら、自分の好きな動物ではなくみんなが好きな動物を答えなければならず、“それはマニアックすぎる”や“確かにそれは人気”などツッコミが入り、そのやりとりが楽しい」(谷口さん)。
第2版¥5,280(コザイク http://www.cosaic.co.jp/)
狙い通りの順位に選ばれる回答を導き出そう。
エモラン【河上さんオススメ】
人数:3~6人、時間:約20分
最初に親を決め、シチュエーションと感情のカードをそれぞれ1枚引き、「運動会で」「恥ずかしいこと」などお題を決める。それに沿った答えを全員が記入。親以外は“何位を狙うか”をわかった状態で書き、親は感情への共感度合いで他プレイヤーの回答を順位付けする。「遊び続けていくと、それぞれの価値観がわかってくるのが楽しい」(河上さん)。¥2,750(JELLY JELLY STORE https://shop.jellyjellycafe.com)
ピンクの牛を招かぬよう、多数派の意見を考えよう。
ハードメンタリティ 日本語版【別府さんオススメ】
人数:2~8人、時間:20~30分
“一番嫌いなのは何曜日?”“おにぎりの具の定番といえば?”といったお題に対し、多数派の意見を回答すると得点ゲット。他の人が同じ回答で、1人だけ答えが違った場合はピンクの牛が渡され、最後まで牛が手元にあった人が負け、というゲーム。「質問が単純で見た目もポップなので、ものすごく盛り上がるパーティゲームです」(別府さん)。
¥3,850(アールエンタープライズ https://www.r-enterprise.jp/)
精霊が決めたヒミツの言葉を、いち早く当てろ!
ファントム・インク【河上さん・谷口さんオススメ】
人数:3~8人、時間:10~15分
プレイヤーは二手に分かれ、各チームから精霊役を1人選出し、ほかは霊媒師役を担当。霊媒師は〈質問カード〉を駆使し、精霊役2人が決めた〈ヒミツの言葉〉を導き出す。「神秘的でおしゃれなデザインですが、チグハグな質問が飛んでくることも多く、笑いの瞬間が多いゲーム」(谷口さん)。「今年のドイツ年間ゲーム大賞で、ベスト9に入った傑作」(河上さん)。
¥3,630(アークライト https://arclightgames.jp)
質問をぶつけ合いながら、YES・NOでワードを推理。
アテッコ【別府さんオススメ】
人数:2~6人、時間:約20分
カードを引いてお題を決め、各プレイヤーはお題に合ったワードを1つボードに記入。サイコロを振って、出た目の数に従って渡される他プレイヤーが書いたボードを、答えが自分にだけは見えないように立て、みんなに質問をしYES・NOで答えてもらい、ワードを当てる。「会話が苦手な人やボードゲームに不慣れな人でも簡単に遊べ、打ち解けられます」
(別府さん)。¥2,750(JELLY JELLY STORE)
かわかみ・たく いま遊ぶべきアナログゲームを完全網羅&徹底レビューしたムック本『本当に面白いボードゲームの世界』(太田出版)編集長。11月にVol.4が発売予定。
べっぷ・さい ボードゲーム専門のグラフィックデザイナー、イラストレーター。国内外のゲームのアートワークも数多く手掛ける。自身でボードゲームの大会を主催することも。
たにぐち・なつこ マンガ家、イラストレーター。『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(ぶんか社)の1~2巻が好評発売中。ボードゲーム好きとしても知られている。
※『anan』2024年10月23日号より。写真・土佐麻理子
(by anan編集部)