大森南朋、『マウンテンドクター』で共演中の杉野遥亮は「“大人だな”って思いました」

エンタメ
2024.07.21
ドラマ『マウンテンドクター』で共演中の杉野遥亮さんと大森南朋さん。今年29歳になる杉野さんと、俳優として、そして大人の男として大先輩の大森さんが語る“大人”論とは?
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写真右・大森南朋さん、左・杉野遥亮さん

――ドラマ『マウンテンドクター』で共演されている杉野遥亮さんと大森南朋さん。カメラの前に並んだ時、杉野さんが嬉しそうに大森さんに話しかけて、話が盛り上がっていましたね。杉野さんにとって大森さんはどんな存在ですか?

杉野:大森さんとは大河ドラマに続いて2度目なんですが、一度ご一緒しているというのもあって、現場はより楽しいです。お芝居について相談させていただくと、僕とは全然違う観点で物事を見ていてちゃんと言葉にして伝えてくださるし、支えになっています。

大森:大河では他にキャストが大勢いたというのもあって、じっくり話すことはあまりなかったもんね。

――杉野さんは新人の山岳医で、大森さんは同じ病院のベテラン山岳医を演じていますが、今回はかなり密に関わっていくのではないでしょうか。

杉野:はい、僕らふたりの関係性の変化はやはり見どころのひとつです。

――大河での共演を経て、大森さんからご覧になって、杉野さんの成長みたいなものは感じていますか?

大森:今回のお芝居は特に、僕らの中の細かい心情が関わってくるのですが、杉野くんはお芝居のことをすごく深く考えていると感じました。成長したというよりも、“大人だな”って思いました。まあ僕はまだ、大人になりきれていないところもありますが(笑)。

杉野:僕も直情的なところがまだまだあるので、落ち着いていないです。

大森:シャイ度が高いというか、シャイの出し方が可愛らしい、杉野くんは。

杉野:人好きだけど、人嫌いみたいなところもあるんです。本当は人と関わるのがうまくなくて。

――今号の特集が「大人の男」なんですが、大森さんが大人になったと自覚したのはいつごろでしょうか。

大森:う~ん、45歳過ぎたぐらいじゃないですか? それも自分がどうというより、周りに若い役者やスタッフさんが増えていって、もう大人のポジションにならざるを得ないという感じで。それまではもうちょっとはしゃいでいてもいいと思ってたんですが、これはもうはしゃげないぞ、と。

――なんとなく寂しい感じもします。

大森:そうなんです、寂しいんですよ。だからたまに、信じられないぐらい先輩だらけの現場に呼ばれると、52歳にしてワクワクするんです。70歳超えた先輩たちがすごいカッコいい! って。

杉野:それはどんな現場ですか?

大森:北野(武)監督の現場とか。

――なるほど。杉野さんは、大人の男と聞いて何をイメージしますか?

杉野:あまりそういうことを意識していなくて、誰にでも、いくつになっても子供っぽいところと大人っぽいところがあるんじゃないかと思っています。

大森:子供の頃、授業中に手を挙げられる子供だった?

杉野:それが意外と積極的に手を挙げる子供でした。

大森:そうなんだ。僕はすごい消極的だったので、こんなんじゃダメだと思い、それ以来ずっと、リハビリしながら生きている感じで。

杉野:でも僕も、あまりにも落ち着きのない子供で、ある時自分中心で騒ぐことが迷惑なんだとわかってから、抑えようと意識している感じです。

大森:そういう自分の不甲斐ないところを少しずつ正していかなきゃ…と思いながら生きていくんだよ。多分このままずっとね。でもいつかそれを、面白いと思えるようになるといいよね。

杉野:大人っぽいといえば、子供の頃は甲子園に出ている高校球児たちがやけに大人に見えました。不思議です。

大森:大人っぽく見えるよね。自分が40歳ぐらいになってやっと、彼らを見て、若いな~って思えてくるんだけど。『サザエさん』のカツオを見ている感じと同じかも。小さい頃からカツオがずっと年上で、ある時カツオと同級生になっても…「あれ、何の話?

杉野:カツオの話ですね(笑)。

――30代目前の杉野さんに向けて、今やっておくべきことなどありますか。

大森:杉野くんはすでに役者としてたくさん経験していると思いますし、30代なんてどんどん脂が乗ってくるだろうから大丈夫。

杉野:現場で大森さんのお芝居を拝見していると、経験値の違いとか大きな年輪みたいなものを痛感していますが、僕は、一生懸命生きてお芝居をすることを続けるしかないと思っています。大人になる…か。でも、そういえば20歳になる時は“大人になれるんだ”って思っていましたね。

大森:ところが、20歳超えて歳を重ねていくうちに、まだ子供のままでいたいと思うものなんだよね(笑)。

『マウンテンドクター』 生まれ育った長野県松本市の総合病院に勤務することになった、整形外科医の宮本歩(杉野遥亮)。命じられたのは整形外科と山岳診療科の兼務。山で起きた病気やケガの対応に山岳外来での診療、土日には山小屋で泊まり込みの勤務も行うという。ある日、遭難事故が発生。ヘリで現場に向かった歩は、突然ある記憶が蘇り、呼吸が荒くなる。なぜ自分が山岳診療を? 疑問を持つ歩の前に現れたのは、国際山岳医の江森岳人(大森南朋)だった…。出演/杉野遥亮、岡崎紗絵、宮澤エマ、向井康二、八嶋智人、檀れい、大森南朋ほか。毎週月曜22時からカンテレ・フジテレビ系にて放送中。

おおもり・なお 1972年2月19日生まれ、東京都出身。連続テレビ小説『ちむどんどん』、ドラマ『厨房のありす』、映画『Dr.コトー診療所』『法廷遊戯』『首』などに出演。ミュージシャンとしても活躍。

ジャケット¥69,300 パンツ¥39,600(共にtangenet mitsuruyoshiya@gmail.com) シャツ¥41,800(HEUGN/IDEAS TEL:03・6869・4279) その他はスタイリスト私物

すぎの・ようすけ 1995年9月18日生まれ、千葉県出身。主演を務めているドラマ『マウンテンドクター』(カンテレ・フジテレビ系)、『磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~』(WOWOW)が放送・配信中。

ジャンプスーツ¥127,600 Tシャツ¥39,600(共にマラン/イザベル マラン 青山店TEL:03・6427・3443) ローファー¥172,700(ピエール アルディ/ピエール アルディ 東京 TEL:03・6712・6809) その他はスタイリスト私物

※『anan』2024年7月24日号より。写真・来家祐介(aosora) スタイリスト・伊藤省吾(sitor/杉野さん) 橋本 敦(大森さん) ヘア&メイク・AZUMA(杉野さん) TAKAHASHI(STEREO Gno/大森さん) 取材、文・若山あや 撮影協力・スタジオバスティーユ

(by anan編集部)

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