映画を飛び出して、もう一つのジブリ作品の世界へ!
「宮崎監督を中心にジブリパークがどのようにして作られてきたのか。スケッチや模型、制作資料などを通して感じていただける展覧会です」
とジブリパーク展示イベント部の上村早江子さん。
宮崎監督は建設コンサルタントとして公園緑地などの計画・設計に携わった後、三鷹の森ジブリ美術館の建設時に総合デザインを担当。2005年の愛知万博で話題を呼んだ「サツキとメイの家」の制作では陣頭指揮を執った。本展ではジブリパーク制作につながる宮崎監督のこれまでの仕事と作品も紹介している。
「宮崎監督のもの作りとそれに対する思いが見える」と上村さんが話す通り、制作資料に見られる宮崎監督の修正指示からは“映画の中の世界を体験してもらいたい”という熱意を感じられる。例えば独特な形をした「ハウルの城」を三次元で立ち上げるには、アニメーション制作とは別の発想が求められたはず。「サツキとメイの家」では物語の舞台となった昭和の民家の工法に則り、さらに手押しポンプから水が出て、かまどで火を熾おこすことができるリアリティにもこだわった。“建物の説得力”につながる部分を徹底するところに、宮崎監督の哲学があるのかも。
ジブリパークで開催中の企画展示「ジブリのなりきり名場面展」から『千と千尋の神隠し』の名場面の再現展示が登場。このほか、東京会場で初登場となる「魔女の谷」の「メリーゴーランド」に関する模型もある。どちらも写真撮影OKで、ジブリパークの世界に浸って楽しめる。
立体展示でもジブリパークを体感!
仕事に没頭中の湯婆婆の姿が。ジブリパークの「ジブリの大倉庫」にある「にせの館長室」の展覧会特別バージョン。
「ジブリのなりきり名場面展」の再現展示。カオナシの隣に座り、主人公の千尋になりきってみては?
ジブリパークの制作資料や模型を大公開。
ジブリパークの「魔女の谷」にある「ハウルの城」制作時に使用された模型。「ハウルの城20分の1スケール模型」
「ハウルの城」のハウルの寝室に関する制作資料と模型。
室内もじっくり見たい。「サツキとメイの家5分の1スケール模型」
ジブリパークとジブリ展 天王洲・寺田倉庫 B&C HALL / E HALL 東京都品川区東品川2‐1‐3 開催中~9月23日(月)9時30分~20時(最終入場は19時。9/23は12時30分最終入場、14時閉館) 無休 ※日時指定予約制 一般1900円ほか TEL:050・5541・8600(ハローダイヤル)© Studio Ghibli
※『anan』2024年7月10日号より。文・松本あかね
(by anan編集部)