ゆっきゅん×能町みね子 あなたにとっての“DIVA”って誰?

エンタメ
2024.02.21
あなたの中の“DIVA”を目覚めさせる連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。今回は、能町みね子さんをお相手に迎えた対談をお届け。話題は「あなたにとってのDIVAって誰?」。

大食い女王・菅原さんに感じる“DIVA”の精神性。

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能町みね子(以下、能):私、自分の肩書にずっと迷っていて。たまにテレビに出たりしていますが、一応今は「文筆業」かな。

ゆっきゅん(以下、ゆ):肩書って困りますよね。私は最近はなるべく「DIVA」にしてもらってます。

能:いいものを見つけましたね。

ゆ:注目されないと無理なんで。

能:やっぱり自分をキャンペーン化するのは大事ですよね。

ゆ:よく「心の中にギャルがいる」とか言うじゃないですか。私の場合は心にDIVAがいたので。

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能:私にとってのDIVAって誰だろうって考えてきたんですけど、思い出したのが「大食い女王」として活躍したフードファイターの菅原初代さん。昨年亡くなってしまったんですけど、本当に芯のある方という印象で大好きでした。

ゆ:執着がなさそうなのにストイックな感じというか。

能:“魔女菅原”という特殊なキャラで認識されてたと思いますが、テレビに求められていることを実直にしているだけで、全然踊らされてなかった。ずっと盛岡に住んでて、喋り方もテレビ化されることなくローテンションのままなところとか、ありのままな姿勢でテレビに出ていたのがカッコよくて。

ゆ:菅原さんって髪色をピンクにされていましたよね。そこにもDIVAの精神性を感じますね。なんだかシンパシーを感じます。

能:バリバリ目立ってDIVAらしくいる方もいいんですけど、目立とうとしているわけではないけど芯がある人にグッとくるんです。盛岡で営まれていたパン屋さんにもいつか行こうと思ってたんですが、結局行けないままで……。

ゆ:求められることは仕事としてやって、やりたいことは別でやりたいようにやる姿勢、いいですね。若槻千夏さんにも感じます。服作りのときの機能性もデザインもディテールへのこだわりがやばいんですよ。アパレルの仕事を本気でやってる。でもトークスキルがあるからテレビでも活躍し続けてて。

能:さすがですね。当たり前かもしれないけど、テレビって“ちゃんと”している人が出てるんですよね。たとえ世間的には嫌われているような芸能人も、実際には人当たりのいい人が多い。

ゆ:また仕事したいと思われているから、出てるんですよね。

能:あ、加賀まりこさんも好きだなぁ。「好きなお鍋は?」の質問に「(鍋は)食べません」ってピシャッと回答していたのをこないだテレビで見て、痺れました。

ゆ:好きか嫌いかを聞かれて“食べない”って答えるのDIVAすぎますね、最高!

のうまち・みねこ 北海道生まれ。文筆業。著書に、『慣れろ、おちょくれ、踏み外せ』(共著、朝日出版社)、『私みたいな者に飼われて猫は幸せなんだろうか?』(東京ニュース通信社)、『皆様、関係者の皆様』(文春文庫)、『結婚の奴』(平凡社)など。

ゆっきゅん 1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。「電影と少年CQ」のメンバー。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。X、インスタは@guilty_kyun

※『anan』2024年2月21日号より。写真・幸喜ひかり 文・綿貫大介

(by anan編集部)

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