新世代のコント師にとっては、番組はどういう存在なのか。
――現場の雰囲気はどうですか?
岡部大:ネタをやってみるまで有吉さんの反応がまったく読めないので、みんなソワソワしながら、有吉さんが通りかかるギリギリまで、打ち合わせてます。
秋山寛貴:準備が間に合わなくても、有吉さんが来たら始めないといけないから、裏はバタバタです。そのライブ感がいいですよね。
岡部:エンディング前にみんなで集まって、今日は何勝何敗だったか、報告会をするのが楽しいです。
菊田竜大:共にその日を戦った戦友たちの結果は気になる!
秋山:先輩も後輩も、「○」か「×」かという同じ条件で、同じ苦労をしているからこその連帯感が生まれますね。いろんな世代とやらせてもらえる貴重な場ですし、準備してくれるスタッフさん含めて、この番組では全員が同じ空気を共有してる感じがします。
――コラボはいかがですか?
岡部:もう中学生さんに呼んでいただいて、あのワールドの一員になれるのが嬉しいですね。
秋山:同じ事務所の中岡さん(ロッチ)や坪倉さん(我が家)に呼ばれた時の「チームワタナベ!」という一体感も『壁』ならでは。
――得意なコーナー、もしくは苦手なコーナーは?
菊田:得意は全然思い浮かばない。
岡部:どのコーナーも毎回必死…。
菊田:苦手なのはすぐ思いつきますね。大喜利。
秋山:大喜利の菊田は、いつになく気合が入ってるんですよ。
菊田:大喜利はシンプルだから、その人が面白いかどうかよりわかるじゃないですか。それで全然ウケない俺ってなんだよって…。いっつも悔しい思いで帰ってます。
――番組のどんなところに新しさを感じますか?
岡部:他の番組だと、ウケた部分だけが使われることがほとんどですけど、ここではどの芸人にもちゃんと「×」が出て、放送されるじゃないですか。そこに、芸人の生き様が映し出されてますよね。
菊田:先輩たちはスベったあとの処理が本当にすごい。僕ら世代は痛々しくて、マジで笑えないこともあるのに。
秋山:芸人が純粋にやりたいことをやって「×」が出た時って、絶対に面白いんですよ。でも、僕らは悔しいし、恥ずかしい。でも、嬉しくもあって。芸人の入り組んだ感情をあんな濃い密度で見られる番組はなかなかないですね。
菊田:改めて「お笑いって難しいな」って難しいと感じさせられるけど、僕にとっては自分の成長を感じさせてもくれる番組です。
ハナコ 2014年結成。右・岡部大(33)、中・秋山寛貴(30)、左・菊田竜大(34)のトリオ。若手実力派コント師。『キングオブコント2018』王者。『新しいカギ』(フジテレビ系)などにレギュラー出演中。
『有吉の壁』 毎週水曜19時~19時56分放送(日本テレビ系)
※『anan』2021年8月4日号より。写真・小笠原真紀 取材、文・小泉咲子
(by anan編集部)