「英一に対して、優しく寄り添う人でありたいと思いながら演じました。栞ちゃんの英一への優しさがまなざしに出たらいいなって。それと、栞ちゃんのリアクションが、将棋を知らない方の目線に近いんです。なので、あえて将棋の勉強もせず、現場に入りました。だから、栞ちゃんと同じように、対局の時の譜の読み方とか、『全然わからないなあ』ってリアルに思ってましたね(笑)」
実は、登場シーンが…?
「少ないです(笑)。栞ちゃんについて作品で描かれていることは多くないんですが、衣装合わせの時に監督から『この後、英一と栞は結婚する』といった裏設定を伺えて、役を膨らませられましたね。途中からの参加だったこともあって、初日はすごく緊張していたんです。ただ、監督をはじめ全員がそれぞれの思いを持って、ひとつの同じ方向に向かっていく気持ちが感じられて、すごくいい空気の現場でした」
栞は、昼夜問わずソフト開発にのめり込み、失敗しても前に進んでいく英一の姿に惹かれていく。
「男性が熱中している姿って、やっぱりカッコいい! 熱中していることが、自分の知らない世界であればなおさらです。それと、女子は男性に弱さを見せられるとグッとくるところ、あるじゃないですか(笑)。栞ちゃんが英一に惹かれた理由、よくわかります。実際の吉沢さんは、こう言ってしまうと簡単ですが、すごいなって。さっきまで普通に喋っていたのに、本番になると一気にスイッチが入るんですよ。私もどちらかというと“スイッチ型”で、撮影期間中ずっと役に入っていると苦しくなるタイプです。でも、自分のスイッチがどこにあって、どう入れているのか、わからなくて…。なので、上手く切り替えできる吉沢さんのようにありたいなって」
若葉さんについて伺うと、過去の出演作品をいろいろと見ているそう。
「一番好きなのは『愛がなんだ』です。今回ももちろんですが、すごく素敵なお芝居をする方ですよね。吉沢さんと若葉さんの対局シーンは、自分が出ていることを忘れるくらい見入ってしまいましたね。色気さえも感じました。おふたりが演じる役が、互いに刺激し合うライバル関係は、女性に絶対にササります!」
『AWAKE』 棋士vsコンピューターが公式に戦った、2015年の「電王戦」に着想を得たオリジナル脚本作品。将棋を題材に、挫折から再起する主人公たちのドラマを描く。新宿武蔵野館ほか全国公開中。©2019『AWAKE』フィルムパートナーズ
ばば・ふみか 1995年6月21日生まれ、新潟県出身。2014年、映画『パズル』で女優デビュー。現在、Paraviオリジナルドラマ『love distance』などが配信中。出演映画に『クソ野郎と美しき世界』『糸』などがある。ワンピース¥69,000(フミエタナカ/ドール TEL:03・4361・8240) その他はスタイリスト私物
※『anan』2020年12月30日‐2021年1月6日合併号より。写真・岡本 俊(まきうらオフィス) スタイリスト・石田 綾 ヘア&メイク・鈴木海希子 インタビュー、文・小泉咲子
(by anan編集部)